ポスト闘莉王はブラジル人…浦和早くも動いた
浦和が、今季限りで3年契約を満了する日本代表DF田中マルクス闘莉王(28)との契約を更新せず、新たにブラジル人DFを補強する方針を固めたことが14日、分かった。闘莉王も、フィンケ監督とのサッカー観の相違から、欧州を筆頭に国内外へ移籍する意思を固めている。浦和側は早くも強化担当者をブラジルに派遣し、“ポスト闘莉王”となるセンターバック探しに着手した。
浦和の動きは素早かった。在籍した6年間、攻守にわたる獅子奮迅の活躍で、チームの象徴的存在だった闘莉王の“放出”を決断すると、早くも来季に向けて新たなブラジル人DFの補強に着手。前日13日には、強化担当の北野大助氏をブラジルに緊急派遣するなど、“ポスト闘莉王”となるストッパー探しが始まった。
今季の低迷にもかかわらず来季、背水の2年目に突入するフィンケ監督は、サッカー選手のパフォーマンスは22〜27歳がベストとの持論がある。さらに技術があり、対人に強いタイプを好む。日本人では大分DF森重に興味を示していたが、4バックへの適性を懸念し、オファーには至っていないのが現状。今後は、ブラジル人DFの獲得を最優先に進める方針だ。
若手育成に重きを置くフィンケ監督に対し、闘莉王はあくまでも勝利にこだわる姿勢を貫き続けた。最終的にはこの両者のサッカー観の相違により、浦和は“放出”やむなしの決断を下した。勝利を第一に考えられない環境を突きつけられた闘莉王自身も浦和を退団する意思を固めた。今後は国内外を含め、移籍先を模索するが、ポルトガル、オランダなどの欧州クラブを最優先していく意向だ。
浦和での闘莉王は06年にリーグ初制覇、07年にはACL制覇にも貢献するなど圧倒的な存在感を示した。だが浦和は、その大黒柱を手放してでも、世代交代を推し進めることを選択した。
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