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トルコ便り�９盥酸幻�けのイベント
僕はトルコに帰ると、どんなに忙しくても必ず引き受けることがあります。それは、子供向けのイベントに出演することです。特に、今回の子供向けイベントは、僕にとってとても特別な意味があるものでした。
そのイベント名は「一日科学者になろう！」です。僕がいま、行っているインフラフリー住宅の研究に興味を持ってくれた少年たちに、一日だけ、学者の生活を経験してもらおう、という趣旨です。彼らの想像力は、時に我々学者の意識を刺激してくれます。どんな住宅が発想されるか、とても楽しみなのです。 このイベントは、イスタンブール市が全面的に応援してくれて、市内の全ての学校に知らせを届け、「なぜこのイベントに参加したいか？」という作文を提出してもらいました。イスタンブール29区の学校から総勢15866人が応募してくれたそうです。反響の大きさに、僕自身驚きましたが、すごく嬉しくも感じました。残念ながら、会場のキャパシティの問題で、全員に参加してもらうことができず、提出してもらった作文から234箇所の学校を絞り込み、そこから１人ずつ参加してもらうことになりました。 インフラフリーには、18個のキーワードがあります。当日は、そのキーワードごとに、１グループ13人のチームを作ってもらい、水・エネルギー・衛生・自立生産・技術・構造・材料などを考えてもらいました。インフラフリー研究は、目の前にない未来を創造することになるため、ある程度のガイドがあったほうがいいということで、大学生の担当者と一緒に、僕の友人でもあり、トルコの有名な漫画家にも手伝ってもらいました。 朝8時から夕方5時まで、長時間だったにも関わらず、みんな集中力を持続して最後まで頑張ってくれました。結果は、最後に発表会を行い、それぞれの思いと体験を話してもらいました。その中のアイデアはどれもみなすばらしく、そこには優劣という世界を超えた、希望という可能性を感じ、感銘を受けました。 この中から、何人が科学を目指すのか、それは誰にも分からないけど、未知の世界を楽しく経験できたこと、違う学校の少年と出会い、一緒に組織的な思考、方法、物作りなどを体得できたことは、いつか大切な経験として生かされる日がくることでしょう。 科学じゃなくてもいいんです。自分の好きなこと、楽しめる道に向かうのが一番良い、わかりきったことかもしれませんが、僕はやっぱりそう思います。 |