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ブリュッセル・レポート
トルコでの予定が無事に終了し、僕はブリュッセルに移動しました。今回の出張の目的は二つありました。一つはトルコでの発表、もう一つはベルギーでの発表です。
トルコからは、トルコの文部科学書大臣(右)とトルコで有名な学校の校長先生(左)が一緒に発表会に参加します。今回のテーマは、トルコとEUの加盟交渉。トルコがEUに加盟するためにどんな交渉が必要か、ワーキンググループを作り、それぞれのワークグループに専門者を呼んでディスカッションをします。トルコという国のシステムは、1923年からヨーロッパの法律をもとにして作られていきましたが、今回は「郊外地域の再開発」と「教育」を、どうやってヨーロッパのスタンダードに合わせるか、をメインのテーマとしており、僕もそれに関する意見を言うためにグループに呼ばれた、というわけです。 一日目は、「教育」です。約1000人の参加者の前で、自分の教育ビジョンを説明してみました。現在、トルコには交換留学生プログラム「エラスムス」や「レオナルド」があり、これに参加することで、トルコの学生はEUメンバーの国やそれ以外に国でも、好きな国に自由に行き勉強ができるようになっています。これを利用し、日本に来ている学生もたくさんいます。僕自身も「レオナルド」の経験者。自分の経験もふまえ、これからトルコの未来の教育について話しをしました。 二日目は建築関係のワーキンググループ「郊外地域の再開発」のパネルに参加しました。現在、トルコの田舎では、たった16%しか既存のインフラを利用できていません。それ以外のところは、水道もない状態で、こういった地域をこれからどうやって開発していくか、話し合いました。僕としては、インフラフリーというアプローチは、ひとつのチョイスとしてあり得る、という提案をしましたが、基本的には、まずはインフラをつくる、そのためにはどうしたらよいかが先決だという方向でまとまりました。 ベルギーには三日間しかいませんでしたが、他の専門者と出会いや相談など、良い経験になったと思います。どこの国の専門者であっても、こうしてお互いの意見を尊敬する関係性があれば、これから何か面白いことができそうな気がしました。今後もお互いと協力し合って、EUのどこの国も同じレベルで生活ができるような環境にしたいものです。でも、これはEUだけに限ったものではありません。先だって、ケニアに行った時も感じたことですが、世界のどこでも同じ生活環境レベルになったらいいと思いました。 これは可能不可能の議論ではなく、人の気持ちとして、そういう世界であってほしいという、僕の希望にすぎませんが。 ブリュッセルの帰り、半日だけドイツのケルンによって弟のガーデンハウスでバーベキューをやりました。ガーデンハウスとは車で市内から20-30分離れているところにあり、こういった所を安く借りて、ガーデニングや好きな趣味をゆっくり楽しめるようになっています。約30hbの広さで、古い木造の家まで建ててありますが、ここにはトイレがないので、物置の空間になっています。一番下の弟も来ることができて、久しぶりに家族全員で集まりました。父も母もとても幸せそうでした。でも、翌日はまたみんなばらばらに、それぞれの場所へ戻っていきます。「これは私たちの運命だからしょうがないけど、みんなが頑張っているところを見ると、私たちも頑張れる。」という両親の言葉を、それぞれに抱えて。両親の言葉を胸に、僕は日本へ帰ります。それでは、また日本でお会いしましょう。 |