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釜山射撃場火災:日本人9人は中学の同級生 雲仙出身

釜山の射撃場火災事故について報道陣の質問に答える旅行代理店「ハッピーワールド」の担当者=福岡市博多区博多駅前で2009年11月14日午後7時39分、野田武撮影
釜山の射撃場火災事故について報道陣の質問に答える旅行代理店「ハッピーワールド」の担当者=福岡市博多区博多駅前で2009年11月14日午後7時39分、野田武撮影

 韓国南部・釜山市の射撃場で14日起きた火災。射撃場を訪れていた日本人のうち9人は、長崎県雲仙市の市立吾妻中学の同級生で、草野球でチームを作ったり、町おこしに取り組むなど仲が良かった。家族や関係者は「とにかく無事でいて」と、突然飛び込んできた悪い知らせに顔を曇らせた。

 同市吾妻町のラーメン店経営、島田明さん(37)の弟順太さん(35)によると、9人は1泊2日の予定で、14日朝に福岡市を出発し、高速船で釜山を訪れていた。順太さんは「9人は野球やバレーの試合をしたりして日ごろから仲が良かった。兄は『射撃は日本ではできないから』と楽しみにしていたが、まさかこんなことになるなんて」と話した。

 島田さん方には、14日午後6時ごろ、ツアーを申し込んだ長崎県島原市の旅行会社「島鉄観光」から「息子さんがやけどで入院している」と連絡が入ったという。順太さんは「それ以降連絡がなく、心配だ」といらだちを隠せない様子だった。

 大久保章さん(37)は、雲仙市議の大久保信一さん(64)の長男。信一さんは「現地がどうなっているのか分からない。けがをしているのかどうかもわからない」と、憔悴(しょうすい)しきった様子だった。

 吾妻町の笠原勝さん(37)の親類の女性は「報道で名前が出ているので心配だ。まだ旅行会社などから何も連絡がない」と語った。

 9人の中学校時代の先輩で、雲仙市内で鉄工所を経営する稲田信忠さん(40)によると、9人は吾妻町の町おこしグループ「あづま創志会」に所属していた時期があり、諫早湾の干拓地で実施した大綱引きなどのイベントに取り組んできた。年に1回、旅行に出かけるのが通例で、今回初めて海外に出かけたという。稲田さんは「けがをしていてもいいから、とにかく無事でいてほしい」と祈るように語った。【山崎太郎、蒲原明佳、下原知広】

毎日新聞 2009年11月14日 21時15分(最終更新 11月15日 0時10分)

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