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「夢に近づきたい」島根女子大生、失跡前に決意のメール

 「学生のうちにできることを沢山して少しでも夢にちかづけるように努力したいです」。島根県の女子大生遺棄事件の被害者、島根県立大1年平岡都さん(19)=同県浜田市=は失跡の約2週間前、大学のボランティアサークルの先輩に、目指していた海外留学に向けて一歩踏み出す決意を携帯電話のメールで明かしていた。

 メールは留学準備のため、サークルを辞めたいとの内容だった。サークル代表の3年生河合祐以子さん(21)は「都ちゃんが辞めちゃうのは悲しいけど、頑張って」と返信し励ました。

 9月末に大学であった平和会議で、平岡さんは英語でスピーチ。1カ月間のロシア留学経験のある河合さんに同じころ、留学の相談を持ち掛けるようになった。

 「もっとバイトを入れたいので、サークルを辞めたい」。メールは大学祭翌日の10月12日朝に届いた。3日後にはお礼のメールも。河合さんは「大学祭が活動の節目だと思ったのかもしれない」と振り返る。

 費用工面のための新たなアルバイト先も決まり、夢に向かって歩み始めた直後の10月26日、平岡さんの姿が消えた。「無事でいて」の願いもむなしく、11月6日に広島県内で遺体が見つかった。

 「小さい体にいっぱいパワーがこもっている子だったのに…」と、声を詰まらせる河合さん。

 失跡当日、平岡さんはロシア語の授業に出席。指導していた外国人准教授は事件後、「都さんはロシアの文化を知りたいと、現地の大学生とメール交換するなど熱心な学生だった」と周囲に話していたという。

 「怒りや悲しみ、そんな当たり前の感情も浮かんでこないんです」。突然の事件は、河合さんら周囲の人たちの感情も奪い去ってしまった。

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