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ドイツ出張
新年明けの9日から、インフラフリー住宅のハードウェアに関する研究でドイツに出張していました。ドイツ到着が遅い時間だったので、ケルンの実家で一泊。実家では、両親や弟たちが待っていてくれました。お誕生以降2回目に会う弟の娘アズラちゃんとも久しぶりの再会を果たしましたが、彼女はまだ夜更かしができない年齢なので(笑)少ししか遊べず残念でした。でも、あっという間に7ヶ月となったアズラちゃんは、すっかり女の子の顔をしていました。次回会うときは人見知りしてしまう年齢になっているでしょうか。セルカンおじさんを忘れずに覚えていてほしいものです(笑)。
翌日は、朝6時の飛行機でミュンヘン大学に移動しました。今回は、研究調査に加え当市で行われる第18回 国際建築・建材・建築システム専門見本市「BAU2009」を訪ねる予定にしていました。高エネルギー効率建築、ソーラー技術に代表されるインテリジェント・ファサード、そしてセキュリティなどもトピックスとして取り上げられています。 私が、特に興味を持っている未来志向のインテリジェントシステムに関する研究も見本市に出展されていました。ドイツの国土交通省が担当する「ZukunftBAU」(未来の建設)というもので、30億円の予算計上がされている大型の研究計画です。省エネルギーと共にスマートマテリアルや構法のコンセプトも紹介されていました。また、ダルムシュタット大学が中心となりミュンヘンで建てているモデルハウスも見ようと思っていたのですが、このメッセの期間に組み立てが間に合わなかったそうで、中に入れなかったのがとても残念でした。 今回のミュンヘン大学での研究調査の内容は、インフラフリー住宅のハードウェアに関する研究だったのですが、大学の先生達との打ち合わせや意見交換以外にも、卒業プロジェクトや修士課程の研究に関する指導もしてきました。ミュンヘン大学からは、東大への留学生を二人引き受けているお陰か、すでにみなさんが非常にインフラフリーコンセプトに詳しくて正直とても驚きました。 約一週間のミュンヘン滞在のうち、一日だけシュトゥットガルト大学のソベック先生とも会ってきました。未来の構造を専門にしている彼の研究室では、技術と素材の統合を目的とした研究を行っています。例えば、今までただの「壁」として見られていた建物のファサードを生き物として見直し、自然界との接点を研究した結果、温度を判断し定期的に設置された「口」を開閉させることで自然換気を起こし、エアコンの必要性を減らす、というような研究をしているそうです。スマートシステムに関する知識として、僕には非常に役に立ったと感じていますし、今すぐにでも応用できる安い技術ではありますが、現実問題として建設業界の意識改革が不可欠であり、その状況がなかなか整わないようです。 日本には、今朝帰って来ました。さっそく、昨年末のアメリカ出張と今回のドイツ出張で行った研究調査をまとめ、今後、どのようにインフラフリーに落としこめるかを考えてみようと思っています。 「すべての可能宇宙は同時に存在しているが、われわれはその果てしない数の分析から始めなければならない。」 (物理学者ミチオ・カク) そう、研究者のすべきことは、とりもなおさずこれからが本番ということなのです。 |