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イスタンブール・レポート��
「第一回 国際インフラフリーシンポジウム」の準備が着々とすすんでいます。日曜日から参加してくれる研究者もトルコに着き始め、シンポジウムの準備以外の時間は、イベントや観光を楽しんでもらおうと、現地のスタッフとプログラムを組んで迎え入れています。今日は夕方までその準備でに追われ、その後17時からはイスタンブール市が招待してくれた学生向けイベントに出かけました。タイトルは「２１世紀の未来予想ー少年へ手渡す責任」。日本だけでなく、世界のどの国でも、未来へ向け子供たちへ何を手渡していくべきか、問われている時代のようです。
実は、昨日、知人から連絡があり、どうしても会ってもらいたい人がいると言われました。それはサネムさんという女性画家です。子供の頃、交通事故により両手を失ってしまった彼女は、念願が叶い、ちょうどこの時期、展示会を開催しているというのです。僕は時間を調整し、さっそく会場へ向かいました。 事故当初は生きる気力も失いかけたという彼女ですが、ただあるがままに「生きていきたい」と願い、大変な努力をし、足だけを使って絵を描けるようになったそうです。そうして生み出された２６枚の絵を、一枚一枚丁寧に説明してくれた彼女は、時折、涙を流していました。傍らで言葉を失う僕に「この涙は悲しみの涙ではありません。生きている喜びの、幸せの涙なんです。」そう教えてくれました。 26枚の絵で綴られた彼女の人生という旅を目前にし、人間の持つ生きる力に、僕は心から感動しました。 人は時に、切ないほどに愚かです。大切なものに気づかず、当たり前に扱ってしまいます。でも、それを失った瞬間に、どれほど自分にとって大切だったのかがわかることがあります。そして、そのことが分かった時、その時こそが人生の分岐点になるのではないか、と思います。過去に縛られ身動きできずに生きるか、それでも未来へ向かって自分の力で歩み出すのか。勇気を出して進んだ先には、自分で作った確かな未来が広がっているのです。身の上に起きてしまった悪い事だけに囚われず、それを礎に自分の手で人生を作っていける力を、僕たち人間は全員持っているのです。 別れ際、彼女は「あなたのこといつも応援しているし、自分も力になりたいと思っている。」そう話してくれました。僕を信じてくれるサネムさんや皆さんの希望に答えることを、僕は彼女に約束しました。サネムさんは、今でも十分に幸せな人生を送っているけれど、僕の活動が彼女をもっと幸せにできるなら、僕は今よりも更に頑張ることができる、そう思いました。 子供たちに手渡したいもの。それは教育法案やルールではなく、彼らの中に確かにある、生きる力、そのものなのではないでしょうか。 |
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イスタンブール・レポート��
トルコから報告します！トルコにはとっくに着いていたんですが、なかなかゆっくりできる時間がなく、日本にいるのと変わらない忙しさです。笑 空港に到着したのは夜中、その翌日には来週イスタンブールで行う「第1回国際インフラフリーシンポジウム」の記者発表を行いました。これはマスコミ向けに行う主旨のものでしたが、なぜか一般の人も多く集まり、約400人入れる会場は全て満席となったそうです。
今回の学会や「インフラフリー」コンセプトの紹介をしました。この研究の意味や研究成果が未来へ与える影響について、映像も使いながらわかりやすく説明しました。「インフラフリーシンポジウム」は、僕自身が会長となり、世界中の優秀な研究者を集めて行います。集まってくれた研究者は、全員それぞれの専門分野で特化した活躍をしている人ばかりなので、ヨーロッパのマスコミは非常に興味を持って、取材や報道を行っています。「インフラフリー」が世界へ向けてメッセージを伝えるよい機会となりますので、僕も頑張ろうと思っています。 この学会の詳しい情報は下記のリンクでご覧ください。（英語） http://www.kale.com.tr/altyapisizmimarliksempozyumu/default.aspx 上記のサイトにもメンバーのプロフィールは書いてありますが、日本からは東京大学大学院建築学専攻の松村秀一教授、東京大学生産技術研究所の川口建一教授、慶応大学の隈研吾教授に参加して頂きますし、海外からも10人の専門者がこの研究のコンセプトに賛同し、駆けつけてくれます。実りの多いシンポジウムになることは確信していますが、同時に自分が担った責任の重さも感じています。 ↑トルコ建築協会長から「建築協会特別賞」を頂きました。研究に対する創造力、ビジョン、人類の未来に役に立つコンセプトを大切にしていること、災害が起きた際の仮説住宅の開発・研究へ大きなサポートとなること、などが高く評価されたそうです。光栄です。ありがとうございます！ この日、集まったマスコミの人たちはざっと50人くらいでしたが、その他一般の方々は、各地の学校から来た学生さんたちでした。無事に記者発表会が終わった後は、息つく間もなく並んでくれているその学生さんたちと写真を撮ったり、話をしたり。1時間で終了する予定の会だったのに、最後には3時間を越える長丁場となりました。笑 まだ旅の疲れが残っていた僕でしたが、学生さんたちの希望に溢れた好奇心、そして温かな愛を感じ、その疲れもすっかりふっとびました。きらきらと輝く彼らの瞳を見つめながら、僕はもっともっと頑張って、彼ら若者たちに未来へと続く夢と希望を与えていきたい、そう強く感じました。 トルコに住んだ事のない、トルコ人初の宇宙飛行士候補である僕ができることは、宇宙へ旅立つこと以外にもたくさんあるんだ、と言う事を、母国の人々によって再確認させてもらった気がしています。こうした新たな出会いと経験が、いつも僕を支えてくれます。ありがとう。 |
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イベント情報
12月に入り、いつも以上に忙しくなっています。これを師走、と言うのですね。笑
さて、今日は12月のイベントをご紹介します。12月23日(土）、相川七瀬さんとトークセッションをします。相川さんは、とても仲良くさせてもらっている僕の大切な友人です。彼女が人気歌手であることは、みんな知っていることだと思いますが、実は楽曲の製作・プロデュースやカラーセラピストまでもこなす、多才な感性の持ち主でもあります。そんな好奇心と才能溢れる相川さんに誘っていただいた今回のイベント、「蒼い宇宙への旅！」。僕にとっても初の試みとなります。カラーセラピストである相川さんの宇宙と、科学者である僕の宇宙がコラボすると、どんな世界が生まれるのか、予測不能で楽しみです。詳しくはこちらのサイトでご覧下さい。ペアで申し込むと、割引になるらしいので、お友達を誘ってどんどん参加してください。 http://www.orenda.jp/ （リンクもはってあります。） 年内では、僕がみなさんの前でお話をさせてもらうのも、この日がラストになります。よろしくお願いします。 そして！明日からはまたトルコへ出張です。今回は、僕がオーガナイザーをする記念すべき「インフラフリー学会 第1回」です。様子はブログでご報告しますので、お楽しみに！ |