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10+1年目の始まり。
先日、僕の誕生日&滞日10周年の祝賀パーティーを行いました。当日は平日にも関わらず、会場には200名以上の友人たちが集まってくれ、さらにはトルコから両親も駆けつけてくれました。
振り返れば10年という年つきはあっという間ではありましたが、実はひとつの国に10年もいたのは僕の人生では初めてのことです。最初はさっぱりわからなかった地下鉄の乗り継ぎも、複雑な道路も今では完全にマスターし、地方出張も全く問題なくこなせるようになりました。こうなると、なおのこと日本という国は平和で過ごしやすい国であると感じます。僕の両親も、最初のころは「日本は遠すぎる。」とぼやいていましたが、今回で3度目の訪日となった今では「日本でがんばれば?」と言ってくれるようになりました。笑 また、先週末には静岡で行っている子供ワークショップへ両親も同行し、日本の子供たちと触れあったりイチゴ狩りをしたり、健康ランドへ宿泊したり、マッサージを受けたり、初めてづくしの経験を堪能してもらいました。 10+1年目の日々はこのようにもう始まっています。僕のこれからの10年がどうなっているか、未来のことは誰にもわかりませんが、ここ日本でいろいろな人たちと出会い、活動をしてきたことを心からうれしく思っていますし、これからも日本との縁を大切にしていきたいと思っています。みなさん、よろしくお願いします。 |
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新年
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 2008年の最終日31日に、大きなサプライズがやってきました。僕の著書「タイムマシン」にも登場する「オリバー」が、突然電話をかけてきて「今、あなたの家に近くにいるよ。」と言うのです。あわてて駅まで迎えに行ったところ、今では2メートル近くある「オリバー」がぽつんと駅にたたずんでいました。彼は、韓国の大学の工学部准教授になっています。 実は、彼の身長がこんなに高くなったのは僕のせいだと言われています。彼は僕の母のもう一人の息子でもあり、家に遊びに来ては僕が食べきれない食事を、母にばれないようにいつも平らげてくれていたからです。僕の母親は、彼が遊びにくる度に僕に向かって「あなたは私の料理を全部食べないで、「オリバー」にあげていたってことなのね。」と怒っています。笑 そんな名実ともに大きなサプライズをむかえ、そこにいつもの日本の仲間も加わり、僕はにぎやかに2009年をスタートしました。 未来とは、願うものではなく、選択するものであると思います。当然、選択には責任が生じますが、その責任は追い切れないものではなく、自分が選択している以上、自分の力に見合ったもの、自分だからこそ背負えるものであるはずです。 2009年、みなさんはどんな未来を選択しますか? みなさまのご多幸を心からお祈りします。 |
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35回目の誕生日
3月22日は、僕の35歳の誕生日でした。もともと、家族と離れて暮らしてきたせいか、誕生日を家族で、というより、誕生日は大勢の友人達と賑やかに過ごす、というのが僕のいつもの誕生日の過ごし方で、今年も大勢の友人達と共に、楽しく過ごしました。
プレゼントに、愛車RX-8のカスタマイズチケット(?)をいただき、さっそく昨日、話をつけてもらってあるマツダへ出向き、車をみてもらっています。最高です!!みなさん、ありがとうございました。 <以下はお知らせになります。> 3月29日(土)に、東京大学が協力している「新木場祭り」で僕の講演があります。これは無料のイベントで、木材の歴史、大切さを伝えるために行われています。ご興味のある方は、足を運んでいただければと思います。僕のパートは、 フリートーク 11時〜12時(サテライト会場 木材市場会場) 「インフラフリー」 1時〜1時35分過ぎ(新木場センタービル2階) となっていますが、以外にも木材に関わる催しがたくさんあります。 詳細は、新木場倶楽部 事務局 3521−8821でお聞き下さい。 |
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東京大学創立130周年記念事業
昨日は、東京大学創立130周年記念事業の公開シンポジウムで、講演とパネルディスカションを行いました。 映画やアニメーションの世界には、未来的な要素を含んでいることが多くあります。僕が映画を大好きなのも、未来にあり得るかあり得ないか、それがどんな未来をもたらすか、それは善なのか悪なのか、というようなことにとらわれず、自由に創造力を発揮し、未来を思い描くことが可能な世界だからだと思います。 科学者にとっても、現在の社会の価値にとらわれない、ということは、実はとても重要なことです。前に進むのは、科学だけでもアニメの世界だけでもなく、人間の社会も、そして人間自身も進化するものです。その上で、その進化したテクノロジーを使用するのは誰なのかを考えてみると、やはり未来にそれを判断するのは、その時の人類に他ならないのです。 このシンポジウムでは、東京大学における研究とアニメの連携による新たなアニメコンテンツ制作に取り組み、そこに開けるアニメの未来の可能性について考えるというもので、異なった立場の才能あふれる研究者、専門家、クリエーターなどが出演、お互いの意見や世界をディスカッションし、とても有意義なものとなったのではないかと思っています。 そして、今回、テーマとなっていたアニメ作品「RD潜脳調査室」は、4月8日(火)24時59分よ日本テレビで放送が開始されます。ちなみに、僕はここで科学面でのスーパーバイザーとしてコラボレーションをさせていただいています。 http://www.ntv.co.jp/RD/ 是非、みなさんご覧になって下さい。 |
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流れ星
東京では、夜空に星はあまり見えない。見えないけれど、星々はそこに確かに存在している。
昔の人々は、夜空に輝く星を見て、いったい何を感じていたのただろう。電気もない世界では、夜になると急に暗くなり、その無限に感じられる暗闇の先に広がる宇宙空間や空に輝く様々な星の明るさやかたちに神秘を感じ、天文学という学問は始まった。その古代の知恵のかけらが、今現在、星占いと言われるものの基になっている。 日本はどうか分からないが、外国では星の見える場所が、高校生のデートスポットである。彼女と一日デートをして、公園で一緒に星を見るころ、デートは終わりに近づいている時間だ。彼はどうしても別れる前にkissしたいと思う(笑)。でも、なかなかきっかけをつかめない。そうした時、彼は夜空を見上げて黙り込む。心の中では、彼女がいつ話しかけてくれるかな、と思ったりしているのだが。次の瞬間、彼が「あっ!」と叫ぶ。突然の声にびっくりして、彼女が「どうしたの?」と聞いても、彼は何も言わずび答えをごまかすだろう。でも、彼はやっぱり最終的に言ってしまうのだ。「流れ星」を見たと。。。 流れ星を見ると願いことが叶うと言う。この二人の場合、願いことは明らかになっているので、この後、ハッピーエンディングになる。 流れ星は、夜空に急に現れて一瞬で過ぎ去ってしまうように見える。けれど、実は僕らは広い宇宙の中で旅をしている流れ星の一瞬を切り取って見たに過ぎない。たまたま僕らがいる上空に現れて、流れてなくなったと思っていても、僕らからは見えない宇宙のどこかで旅を続けているのだ。流れ星がなくなってしまう、と言う発想は、地球から見た視点にしか過ぎず、宇宙の視点で見ると、人間の旅、及び生活と同じで果てしない旅の瞬間だったということなのだ。 僕は、年明けから出張でアメリカに行っていたが、その間に、仕事仲間でもあり、大切な友人でもあった月本裕氏が亡くなったと聞いた。彼は「ソトコト」誌で僕についてコラムを書いてくれたり、一緒に飲みに行ったり、彼の紹介でいろいろな面白い人に出会ったり、いつも僕のことを大切にしてくれた。まだ47才という年齢でなくなったと聞いたとき、僕はとても驚いた。 彼は、僕らの世界から急にいなくなってしまった。でも、月本氏の存在が失われたわけではない。僕の目から見ると、月本氏と僕が一緒に過ごした時間も、この「流れ星」と同様であり、長い旅の途中に僕らは出会い、そして僕らに温かさや知識、経験や出会いを与えたくれたのだと思う。彼は、僕に会う度、こういっていた。「セルカンが日本にいることは、私にとって大切なことだ」。 僕もそう思っている。彼と出会えたことはとても大切なことであった、と。 まだまだお互い長い旅の途中だ。宇宙のどこかで、僕らはまた会えるかもしれない。 月本裕(1960−2008) |