2009.9.11
<2009年10月5日(月) 21時〜23時18分>
毎年、春と秋の年2回放送されている人気シリーズ『世にも奇妙な物語』が、今年も10月5日(月)21時から、全5編のオムニバスで放送される。そのうちの1編、石坂浩二主演の『夢の検閲官』は、人々を安眠に導くために“夢の検閲”を職業とする男の物語だ。
年老いた一人の男(石坂浩二)が、静かな薄暗い部屋の中で糸のほつれた古い台帳を丁寧に修復している。彼の仕事は検閲官。といっても、彼が検閲するのは人間の夢だ。睡眠中の人々の夢を検閲し、安眠に導くのが彼の仕事。退任を間近に控えた彼が今、気に掛けているのは、森崎明日美(紺野まひる)という名のひとりの女性。息子を失って以来、安眠指数が下がる一方のこの女性の安眠を、何としてでも守ってやらねばという使命感に駆られていた。書記官からの知らせで、明日美が眠り始めたと知った検閲官は、さっそく夢の検閲を始めるが…?
主演の石坂は、意外にもこの作品で“奇妙”シリーズ初登場。「結構好きなんですよね、このシリーズは」と笑顔で語る石坂は、過去に数多くの“奇妙”作品を手がけた星護監督と別の作品で仕事をした際、いつか一緒に“奇妙”をやろうと話していたことがあるのだという。「“奇妙”やりませんか、やりたいですねなんて話していて、ふたりでばかみたいにいろんな話をしていました(笑)。僕が飛行機好きなので、パイロットが主人公で、操縦席だけで繰り広げられる物語なんてどうでしょうね、なんて話していたんです。それは残念ながらまだ実現していないですが、まぁ大事にとっておく、ということでね(笑)。」それはまた実現する日が楽しみな企画だが、そもそも“奇妙”シリーズのどんなところに魅力を感じるのかを尋ねてみると、「オチというか、最後に考えさせられるものがあるというのが見ていて快感ですよね。長さ的にも一つの物語が長すぎず、冒頭に“食いつき”、起承転結の“起”があって、中盤の“承”にあたるところが少し長くて、えぇいどうなるんだ? と気をもませておいて“転”。そして一気に“結”というのが多いと思うんだけど、そういうメリハリの利いたところが4コマ漫画に通じる面白さでもありますよね。」
そんな石坂が今回演じるのは、人々の安眠を守るために夢の検閲をすることを職業とする男。見た目は普通の人と変わらないが、果たしてそれが人間界に属するものなのか、はたまた天界の人なのかはあえて明確にされておらず、“奇妙”シリーズらしい不思議な要素を含んだ設定となっている。石坂はこの役柄について「今回の場合ひとついいなと思うのは、原作が持っている言葉遣いのややレトロな感じが、人間だかなんだかさっぱりわからない役にあっていてやりやすいところですね。それがまた物語の味にもなっていると思います。随所に昨今を感じるにおいもちりばめられていて、映像として見せ方の面白さも入っているし、楽しい作品になると思いますよ。この主人公の立場をたとえば現代社会に置き換えて言うと、ちょうど退職一週間前のサラリーマンに通じる設定ですからね。中盤、主人公が葛藤するところは、最後の仕事となるものに対して、もしかすると自分で何一つできずに終わっていくのか…という瀬戸際に立たされるふうに演じたいと思っているんです。言ってみればこの主人公は、部長止まりですよね(笑)。重役にはなりそこなったんですよ。あるひとつの道を歩いてきた人が岐路に立ったときの物語ですから、意外とこれ、サラリーマンものだと思うんです。どちらかというと重くなりがちな話を、“夢”というモチーフを使ってうまく描いてますよね。」と笑いを交えて語ってくれた。そして「ラストシーンはまだこれから演じるのですが、追い詰められた主人公が最後にある決断を下す。そのシーンは、やっていて快感になるだろうなという予感がします。部長最後の日っていうのはこんな感じなのかなと思いますね。これまで律義に守り通してきたものから外れる決断を下すのだけど、意外にそれも、客観的に見ればそんな大それた決断ではなかったり。だからこそ部長止まりだったのかもしれないですけどね(笑)。」と言葉をつなげた。
そして最後に視聴者に向けて、「初めて参加した“奇妙”がこんな面白い作品でありがたいと思っているし、みなさんに、なるほど、と思ってみていただければ。役者をやっていると定年というのはあまり感じないですが、この前、同窓会に行ったときに、冒頭のあいさつで“来年ついに定年で”なんていうのがたくさんいてね。そうか、そういうものなんだ、と思ったところだったから、勤め人や役人、職業にかかわらず、それまでの環境から身を引く“定年”というものがあって、人の心の中には、それをひとつの境にして揺れているものがあるのだというようなことを感じてもらえたらいいなと思います。」とメッセージを贈った。
10月5日(月)21時から放送の『世にも奇妙な物語 秋の特別編』は、石坂浩二が作品を通じて「職場からの去り方を教えます」と語るこの『夢の検閲官』のほか、ある偶然からどんな情報でもすぐにわかる検索サイトを見つけた主人公がたどる運命を描いた井上真央主演『検索する女』、自殺しようとしてなぞの団体に救済された男の行く末を描く生田斗真主演『自殺者リサイクル法』など、バラエティーに富んだ全5編のオムニバスでお送りする。ストーリーテラー・タモリの巧みな語りにのせて、秋の夜長の“奇妙”なひとときをお楽しみください!
世にも奇妙な物語 秋の特別編
2009年10月5日(月) 21時〜23時18分
他2編を含む、全5編のオムニバス
2009年9月9日発行「パブペパNo.09-222」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。