2009.10.9
愛を知らない母を演じる木村佳乃の演技に期待が集まるところ。
木村佳乃
<2009年11月>
不幸な少女を初めて演じる大橋のぞみ。大橋のぞみ
フジテレビ情報番組の全スタッフが総力を挙げて贈る大型プロジェクト、フジテレビ開局50周年3夜連続スペシャル企画『探そう!ニッポン人の忘れもの』の2夜目に、情報制作チームがドラマをお送りする。
第2夜は、「家族の忘れもの」をテーマに、揺らぎ続ける日本の“家族の肖像”、そのあり方を問うスペシャルドラマとしてお送りする。
このドラマは150万部を越えるベストセラー作品「ハッピーバースデー」をドラマ化したものである。母から愛されずに育った少女はある日突然声を失う。それでも心配もしてくれない母親。母はなぜ娘を愛せないのか。母自身もまた愛に飢えもがきながら育った悲しい過去の持ち主なのだった…。
心の傷を癒やすため少女は祖父母の元に旅立ち、初めて祖父母の愛に触れるのだった。彼女が出会ったものはそれだけではなかった。輝く太陽、どこまでも広がる空や山々、草花のゆれる小道、そこに息づく小さな生き物といった「日本の原風景」に初めて包まれる。少女、そして母、父、兄、祖父母―家族皆が失われていたきずなをこの原風景の中ではぐくんでいこうと新たな一歩を踏み出していく。
“家族”の忘れものが「日本の原風景」を背景に情感豊かに描かれていくことになる。
原作の共著の一人、青木和雄氏は小学校教師の経験もありカウンセラーとしても活躍した。原作はその青木氏がこれまでに出会った数々の悩める家族たちのエピソードを基にしている。だからこそ見る者誰もが共感を覚え、自分の悩みと共通するポイントを必ずや見つけるに違いない。
愛を知らない母親を演じるのが木村佳乃。これまで演じてきた役にはなかった苦悩を抱える役どころに今までに誰も見たことのない表情を見せてくれるはずだ。そして母の愛を求める娘役を大橋のぞみが演じる。心の痛みから声を発することができなくなるという難しい役に挑戦することとなり、初めて小さな心では抱えきれないつらさに思い悩む大橋のぞみが見られることになりそうだ。
今回、「家族の忘れもの」をテーマにドラマをプロデュースする中村百合子は
「ドラマの冒頭は、表面的に見るとショッキングな親子関係。しかし、その根底にあるのは“どこにでもありうる親子”であり、普遍的な家族の葛藤であると思います。
葛藤が氷解していく過程で“無償の愛”や“他を思いやる心”を濃密に描くことで“人として大切なもの”という普遍的なテーマに迫っていきたいと思っています。
また、こだわっているのが自然描写。太陽や空、色づく山々、草花のゆれる小道、そこに息づく小さな生き物…日本人の心にある“日本の原風景”に包まれることによっても、また、悲しみから解放されていく家族を感動的に描きたいと思います。」
とドラマに込めた思いを語ってくれた。
また今回のキャスト起用理由として、主演の木村佳乃について、
「今、女優として最も輝いていて、オーラとすごみを感じる方。感情の振れ幅のあるこの母親の役を、木村さんなら全身全霊で演じ切ってくれる。そう確信して出演を依頼しました」
と厚い信頼を寄せていることを明らかにした。
また、初めて悩み苦しむ少女を演じる大橋のぞみについても、
「大橋さんが見せる笑顔、切ない表情すべてがあすかの役と重なった。この役は彼女でなければ成立しない、と感じていました」
と起用理由について語っている。
ほかにも、伊東四朗・加賀まりこといった出演者が登場し華を添えてくれることになる。
難しい役どころとなる木村佳乃はドラマ出演について
「今回のドラマでは、父や母の愛情を信じられず育ち、自分の娘にも愛情をきちんと伝えられない女性を演じさせていただきます。3夜連続企画のテーマ『探そう!ニッポン人の忘れ物』というタイ トルにもとても感銘を受けました。このドラマを通じて自分自身 も含め、今日本人として考えなければいけないことの糸口が少しでも見つかればうれしいです。」
と企画に対する思いの程を語ってくれた。
大橋のぞみも、
「お母さんに優しくしてもらえなくなるのと、声が出なくなってしまう気持ちは、 いつもの私と違うから、難しい役だと思いますが、一生けんめい頑張ります!」
とコメント自体もけなげなメッセージを送ってくれた。
『ハッピーバースデー』が現代の日本にさまざまな問題提起をしてくれることになりそうだ。
親の愛に飢え、親の愛を与えられない母。
彼女が心にしまいこんだ悲しみと、祖父母・父母・子供…3世代それぞれの心の葛藤。
日本の美しい自然に癒やされ、悲しみから解放されていく。
自分の弱さと向き合い、共に生きるきずなを取り戻したある家族の物語。
真の「家族のあり方」とは?
「家族の忘れもの」…現代の家族に問いかける人間ドラマ。
藤原あすかは小学4年生、9歳の少女。
藤原家は両親と小学6年生の兄、直人の4人家族。父は海外単身赴任中。
今日はあすかの10歳の誕生日。楽しみなはずの誕生日。しかし母、静代は仕事を終え、夜遅く家に戻る。誕生日のことも忘れ、あすかを目の前にしても「産まなきゃよかった」と言い放つのだった。あすかは息を飲んだ。あすかは自分ののどを激しくつまんだ。もう既に何度もつまんで赤黒いアザになっているのどを。「ママひどいっ!」と叫ぼうとしてがくぜんとする。あすかはこの日から声を失ってしまったのだった
静代はそのことに気付かぬまま、仕事や直人の勉強のことを気にかけるばかり。
あすかの異変に気づいた小学校担任の黒沢が静代を呼び出す。黒沢は、しゃべれないのにあすかが必死に母親に愛されるようないい子になりたいと口を動かしていたと静代に伝えた。しかし静代は一向に娘の悲鳴に耳を傾けようとはしなかった。兄、直人もあすかが「生まれて来なきゃよかった」と必死に口を動かす姿を目撃し衝撃を受け、あすかの味方になることを心に誓うのだった。
あすかは長野の祖父母の元で暮らすことになる。長野の風景―空の青さ、季節ごとに色づく山、草花のゆれる野原、小さな生き物が息づくあぜ道…そして祖父、道夫(伊東四朗)、祖母、正子(加賀まりこ)の愛、そして近くに住む孤独な老人・野々宮大悟の優しさに包まれてあすかの心は少しづつ安らいでいくのだった。しかし声はなかなか戻らない。そんなある日、あすかは静代の日記を見つけてしまう。そこにはあすかが知らなかった静代の心に大きな影を落とす悲しい生い立ちがつづられていたのだった…。
あすかの心が解ける日は来るのだろうか…。そして静代の心の闇は…!?
揺らぎ続ける日本の「家族の肖像」…
そのあり方を問うスペシャルドラマをお届けする。
『ハッピーバースデー』
2009年11月放送
藤原静代(あすかの母) … 木村佳乃
藤原あすか … 大橋のぞみ
堀正子(あすかの祖母) … 加賀まりこ
堀道夫(あすかの祖父) … 伊東四朗
ほか
2009年10月9日発行「パブペパ No.09-251」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。