2009.9.28

2009年9月社長会見要旨(2009.9.25)


Q.民主党政権が発足し、日本版FCC設立構想に対する見解は?

報道の自由・言論の自由を守るために作りたいと新しい総務相が発言されているが、まだ具体的なものがはっきりと示されていないので、現段階では見解を申し上げる段階ではないと考えている。

Q.地デジ移行の進捗状況は?

フジテレビとしての設備投資は粛々と順調に進んでいるし、民放連も一丸となって取組んでいる。受信機の問題については政府やメーカーと協力してやっていきたい。

Q.7月クールの視聴率総括

7月クールは7月1週から最新の9月第3週まででゴールデン、プライムは他局をリードしている。一方、全日はやや伸び悩んでおり、10月クールで巻き返しを図りたい。
7月クールの連続ドラマは、比較的好調だった。内容面・視聴率面ともに満足のいくものを出せたと思う。月曜21時『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』は、全11話平均14.4%であったが、ティーンの個人視聴率は30%に迫る勢いで若い世代に多大な指示を得ていた。
火曜21時『救命病棟24時』は、主演の江口洋介さんの事故により、4回のスペシャル版の後にスタートしたが、全7話平均19.2%と期待通り素晴らしい結果を出してくれた。
また、木曜22時『任侠ヘルパー』は全11話平均15.0%であり、介護というシリアスな社会的なテーマにしながら、良い作品として仕上げられたと思う。7月クールの連続ドラマはラブストーリー、医療、社会派とそれぞれ異なるジャンルの中で挑戦したものが出せてよかった。フジテレビのドラマ制作力をいい形で発揮できたと思う。
また、開局50周年アニメ『ジャングル大帝』は、13.1%だったが、内容は素晴らしく、視聴者の反響も良いものがあった。こういう挑戦は続けて行きたい。
さらに、バラエティも『ネプリーグ』『クイズ!ヘキサゴンII』を筆頭に、各番組がほぼ順調に推移している。特に『ネプリーグ』は、6月1日から15週連続で20%超えを記録しており、国民的番組に成長した感がある。また、4月改編でスタートした『爆笑レッドシアター』や『ホンネの殿堂!!紳助にはわかるまいっ』も良い結果を出し始めており、さらなる飛躍を期待している。

Q.10月クールのポイント、抱負、期待値

まず、バラエティの新番組としては、今、人気絶頂の嵐により『VS嵐』が木曜19時に登場。期待している。
月曜23時には、明石家さんまがその道のプロから裏情報を聞き出す『ホンマでっか!?TV』が登場する。トークの天才の番組に期待したい。
日曜22時には、『情報エンタメLIVE ジャーナる!』が新登場。スペシャルウオッチャーに三宅裕司を迎え、世の中のホットな出来事を緩急自在に伝える情報番組を目指す。
連続ドラマは、月曜21時に『東京DOGS』。小栗旬、水嶋ヒロの2大若手俳優が夢の共演を果たす、ポップな刑事ドラマに期待している。
火曜21時は、土曜23時ドラマでスタートした『オトメン(乙男)〜夏〜』が、『オトメン(乙男)〜秋〜』として、装いも新たにスタートする。11月からは、一昨年土曜ドラマ枠でヒットした『ライアーゲーム』のシーズン2をお送りする。来年の映画公開と合わせ、相乗効果のヒットを狙っている。
木曜22時は、開局50周年記念ドラマ、2クール連続の超大作『不毛地帯』がスタートする。同じ山崎豊子原作、唐沢寿明主演で大ヒットした『白い巨塔』を超える作品になってくれればと思う。さらに土曜23時ドラマは、映画「ターミネーター2」のその後を描く「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」。こういうものを放送するという挑戦をし、日本でどういう形で受け入れられるか、期待している。
こうした番組で視聴者の皆さんに健全な娯楽を提供して、楽しんでいただければ幸いと思う。

Q.『お台場合衆国』の総括は?

結果として大成功に終わった。会場も中味も変え、お台場地区のほかの皆様にもご協力いただきながら、来場された425万人もの方に楽しんでいただけた。足を運んでくださった方が、フジテレビのファンになっていただけたなら、これにまさる喜びはない。こうしたイベントはフジテレビにしかできない、と大変評価されているので来年もやります。

Q.選挙特番の総括

視聴率は残念ながらふるわなかった。視聴者の望むものが提示できなかったのかどうか検証をしている。誤報がなかったのは良かった。

Q.営業概況

7月のネットは前年比90.4%、ローカル85.2%、スポット90.7%、8月はネット83.6%、ローカル84.7%、スポット89.7%だった。9月のスポットは少し回復基調、全体でも90%越えるのはないかと思う。

Q.厳しい市況の中、今後の業界展望は?

広告市況厳しいのは実感として感じている。基本的に広告収入は個人消費が立ち直らないとテレビ広告に反映してこない。今後の政府の経済政策をきちんとみていかなくてはならないが、我々としては相当厳しい状況が続くと見ておいたほうが良いだろうと考えている。この10月改編が底であればと思っている。
フジテレビとしての大きな方針は基本的に変わらず、ソフト・コンテンツ制作力が命だと考えており、その強化は引き続きしていく。制作費をやみくもにカットすることはない。今ががんばりどころと思っている。テレビはまだメディアとして力を持っていると思う一方で、ソフト・コンテンツのいろいろな出口を探っているところだ。今後は放送外収入にもさらに力を入れていきたい。

Q.セシールへのTOBが完了したが、今後の展開は?

現在様々なチャンネルを以ってディノスとセシールが話を進めている。両社は相互補完作用があることがさらにわかってきた。今後は一緒にインターネット通販等で組んでやっていけば、展望は開けていくかと思っている。

Q.事業関連の概況

「ダイハツ コルテオ」は絶好調で、10月18日まで開催されている大阪公演も連日満員となっている。
夏休みに開催された「大鉄道博」は19万5614人の来場者を記録し、大成功だった。
「トリノ・エジプト展」は、目標の30万人来場を実現できそうだ。
今後は「コルテオ」に力を入れ、東京最終公演に力を注いで行きたい。

Q.映画事業関連の概況

「剣岳〜点の記〜」が24日までで興収25億円の大台に乗った。観客動員も229万人突破し、こういう作品が当たるのは嬉しい。
24日までの他作品の成績は以下の通り。
「アマルフィ 女神の報酬」は観客動員293万人、興収35億6800万円。「HACHI 約束の犬」は観客動員161万3000人、興収19億2300万円。「ホッタラケの島」は観客動員30万4000人、興収3億5900万円だった。

Q.米国音楽出版社買収について

フジ・メディア・ホールディングスの米国法人フジ・エンタテイメント・アメリカが今回買収したアーク・ミュージックの保有楽曲に、以前買収したシックス・パーム・ミュージックの分も加えると、現時点での保有楽曲は約1万7000曲となり、楽曲も素晴らしいので収益に結びつくと考えている。
少しずつではあるが、海外展開の一環としてこうした事業にも力を入れて行きたい。

Q.GyaOへの出資について

先方から話をいただき応じた。9月7日からはGyaO!ストアでフジテレビOn Demandの支店を開店した。番組の不法投稿が横行する中、正当な動画コンテンツサイトの株主としてきちんとした市場の育成を図りたいと思う。
もちろん、GyaO!ストアが成長すれば、フジテレビOn Demandの成長にもつながる。先方は放送局との関係をしっかり築いていきたいということもあり、私たちとしてもこれに応えていきたい。

Q.滝川クリステルさんが本日(25日)『ニュースJAPAN』を卒業するが、退任の理由は?

退任はご本人の希望です。7年間看板ニュース番組のキャスターという大任を務め、今後は仕事の幅を広げ新しい分野に挑戦したいという前向きな理由で、ご本人から申し出があったと聞いている。