2009.10.29

金曜プレステージ
『ドクター小石の事件カルテ(6) 異物』

「毒入りのワインを飲んでも死なない方法がある!?」
「心臓病の薬を劇薬に変える方法がある!?」
「口にしても胃に残らない毒がある!?」など警察の捜査の盲点をついた本格医学ミステリーで、毎回大きな話題を呼ぶ人気シリーズ第6弾!!
主演をつとめる演技派・橋爪功の名推理がさえわたる逸品!!

<2009年11月6日(金)21時〜22時52分放送>


 11月6日(金)放送の『金曜プレステージ』は、『ドクター小石の事件カルテ(6) 異物』をお送りする。これは、2004年10月22日に新シリーズとして放送され、「A型とB型の血液を混ぜると鑑定結果はO型になる!?」という警察の盲点をついた斬新なトリックで、18.0%という高視聴率を獲得した本格医学ミステリー。続く第二作は「体内で消える毒がある!?」、その後も「毒入りのワインを飲んでも死なない方法がある!?」、「心臓病の薬を劇薬に変える方法がある!?」、「口にしても胃に残らない毒がある!?」などをテーマに描いていずれも大きな反響をよび、今回、待望の第6弾が放送されることになった。

 主人公は、大学病院に勤務しながらも、ひょんなことから山梨県下部温泉郷にある診療所に赴任することになった医師・小石三郎。演じるのは、人間味にあふれ、その滋味深い演技に定評のある橋爪功だ。第一作目からずっと主演を務めており、制作にあたる石川好弘プロデューサー(オセロット)も毎回「このドラマはまず橋爪さんありき。ごく普通の人間の魅力を自然に、それでいてこれほど見事に演じられる俳優さんは他にいないでしょうね」ときっぱり言い切っているほどのほれ込みよう。第6作目が決定したことに、橋爪は「気に入っている作品ですから、素直にうれしいですね。光栄です」と柔らかい笑顔を見せる。

 今作がこれまでと大きく変わっているのは、橋爪同様、一作目からずっと参加している、小石ドクターと同じ診療所に勤務する看護師・新山さゆり(西尾まり)が夏休みを取得中という設定のため、今回は甲府の病院から臨時で藍田美鈴看護師(安達祐実)が参加している、という点だ。かつて橋爪自身「西尾まりちゃんとの掛け合いがこの作品の大きな見どころの一つ」と話していたとおり、前出の石川プロデューサーも「テンポの良いセリフまわしが抜群で、橋爪&西尾というこの二人以上のキャスティングは考えられない! もう名人芸の域ですね」と絶賛するほど、二人のコンビネーションぶりは秀逸だっただけに、今回はどうだったのか気になる。そんな疑問を率直にぶつけてみると、「安達祐実さんは初共演だったのですが、びっくりするほど芝居もうまいし、せりふを言う時の感情の強弱や大小が本当にすばらしく、スタッフも大絶賛。とにかくすてきでした。新しいコンビの誕生ですね」と手放しでの褒めようだ。ぜひ放送でこちらの名コンビぶりにもご注目いただきたい。

 また、このシリーズは毎回、温泉地でロケを行っており、地方ののどかな景色の美しさも特筆すべき点だ。一作目は山梨県の赤石温泉、二作目は福島県の西山温泉、三作目は山形県の小野川温泉、四作目は群馬県の四万温泉、五作目は栃木県の湯西川温泉、そして第六作となる今回の舞台は山梨県の下部温泉にて撮影が行われた。「この作品は、なぜか夏場に収録をすることが多いんですよ。屋外ロケは汗びっしょりになりますから、温泉地でのロケはとてもありがたいですよね。特に今回は、“信玄の隠し湯”として名高いだけあり、すごく気持ちのいいお湯でした」とにっこり。一方、「真夏は汗をかくから、役者ももちろん大変ですが、カメラさん、音声さん、照明さんしかり、そして衣装さんやメイクさんなど、スタッフの皆さんの苦労は想像を絶するものがあると思います。特に夏場はすぐにメイクが落ちるから、何度もメイク直しが必要になるしね。しかも、メイク直ししている間にまた汗で崩れて来たりしますから」と、真夏のロケならではの苦労話もポロリ。「また、今回は、“このシーンはどういうふうに演じよう?”と苦労したことがあまりなかったのですが、これはひとえに佐藤B作さんや蟹江敬三さんなど、共演の俳優さんのおかげだと思っています。役どころが非常に適材適所で、ゲストも充実していますから、ある意味、演じることが非常に楽でしたね。小石さえ保っていれば、ことさら演技しなくて済む、というか」と謙遜するが、前出の石川プロデューサーは「普通の人間をこれほどまでに自然に、かつ魅力的に演じるためには、相当の役作りが裏にあるはず」と話す。その点を尋ねるとしばし熟考した後、「役作りといえるかどうかわかりませんが」と前置きし、「脚本の中に本当にいる人、溶け込んでいる人…、そんな感じを出せるよう、気をつけていますね。また、特にこのシリーズでは“うごめいている人間たちをのぞいている”ような空気感を出すことが一番大事なので、一見、おどろおどろしいことというのは現実離れしているように見えますが、そんなおどろおどろしいことが現実にも起こり得るかもしれない、と視聴者の方に思っていただけるところまで持っていく。それは常に気をつけ、心がけている点かもしれません」という答えが返ってきた。
 見どころについても「安達祐実さんとのコンビネーションぶりと、思わず犯人のほうに心が動いてしまうような終わり方になっているすばらしいラストが用意されているので、その2点はぜひ見ていただきたいですね」とコメントしている。

 放送は11月6日(金)21時から。どうぞご期待下さい!!

あらすじ

 往診を終え、急いで山梨県身延町営下部診療所に戻ってきた医師・小石三郎(橋爪功)に、「2分遅刻です」と声がかけられる。常勤の看護師である新山さゆりが一週間夏休みを取得しているため、その間、甲府の病院から臨時で藍田美鈴(安達祐実)が来てくれることになったのだ。声の主はその美鈴。到着早々、「汗臭いから白衣を着替えて下さい」「次の患者さんが来るまでに掃除して下さい。院内感染でも起きたらクビですよ」などとずけずけ言う彼女に、小石は「先が思いやられる…」と首をすくめる。
 その晩、いつものように「ホテル守田」へ温泉につかりに行った小石が、おかみである咲子(結城しのぶ)に「今日から来た看護師はかわいげがない」などとこぼしていると、当の美鈴が「かわいげがなくて悪かったですね」と顔を出し、少々驚く。女将から美鈴がここに一週間滞在すること、お土産までくれて礼儀正しい、非常にいい子だなどということを聞かされ、さらに驚く小石。
 そんな2人をほほ笑みながら見ていたおかみだが、「そろそろ私も準備しないと」と時間が迫っていることに気付いて立ち去ろうとする。その日は咲子夫婦の銀婚式であり、兄夫婦である漆沢甲一郎(大門正明)と真沙美(沖直未)が、このホテル守田内の宴会場でパーティーを開いてくれることになっているのだ。が、咲子の夫・松金正之(安藤一夫)は、「旅館の方の人手が足りなくなる」と言い、仲居たちの忙しそうなさまを見るにつけ、パーティー出席に気乗りしない様子を見せる。そこへ美鈴が「私でよかったらお手伝いしますけど」と遠慮がちに申し出る。お客様にそんなことはさせられない、といったんは辞退するものの、結局、美鈴の好意に甘える咲子夫婦。
 宴会場には咲子夫婦を中心に、甲一郎夫婦、甲一郎と前妻との間にできた長男の漆沢甲介(一條俊)、甲一郎と後妻である真沙美との間にできた長女の真帆(吉田久美)、甲一郎の弟・漆沢州二(清水章吾)、真沙美の友人で元薬剤師の井坂塔子(松本圭未)など10名ほどが集まり、大いににぎわっていた。しかし、塔子が咲子夫婦の幸せを祈って一曲歌おうとしたところ、突然、甲一郎が畳の上に倒れてしまう。当初、飲みすぎかと思われたが、微動だにしない甲一郎の異状に気づいた美鈴が駆け寄ると、すでに甲一郎には脈がなかった。とっさに人工呼吸を行おうとする美鈴を妻の真沙美は押しのけ、「私がする!」と、何度も何度も夫に人工呼吸をほどこす。その傍らで、懸命に心臓マッサージを続ける美鈴。たまたまそこへ通りかかった小石は、甲一郎の口の中を見て、のどに指を入れ、奥から異物を取り出す。小石の指の先には小さな肉の塊があった。どうやらのどに肉を詰まらせたらしい。すぐに救急病院に搬送される甲一郎。美鈴は「気道を確認せずに人工呼吸なんかさせた私が悪いんです」と自分を責めるが、そんな美鈴を小石は慰めるように肩をポンと叩く。
 翌日、ホテル守田へ足を向け、正之からやはり甲一郎は助からず、死亡したことを聞かされる小石。そこへ山梨県警南部署の猿渡緑郎刑事(佐藤B作)が現れ、正之にたぶん事件性はないが、念のため、事故当日の話を、現場に居合わせた全員から聞きたいと申し出る。事故のおきた広間に全員が集められ、一人一人に話を聞いていく猿渡。「自分が診た時にはもう脈が止まっていた」と話す美鈴に「本当に脈が止まっていたんですか? あなたの判断ミスだとは思いませんか?」と畳み掛ける。と、そこへ「彼女に罪を問うのは酷ではありませんか?」という声がし、驚いて振り向く一同。そこには、地元では有名な医師・大岩善三(蟹江敬三)が立っていた。大岩が「これは医学的に“喉頭異物”といい、お正月にお年寄りが餅をのどに詰まらせて亡くなるのと同じ」と説明し、さらに「私がその場にいても、同じ処置をしたでしょう」と話したことで、猿渡は急に相好を崩す。「納得しました」と笑顔でこたえ、「事件性なし」ということで決着した。
 が、通夜のあと、漆沢一家が激しい言い争いをしている現場を小石は見てしまう。地元の名士であり「漆沢グループ」の代表取締役会長だった甲一郎には莫大な遺産があり、その分け前をめぐって口論となったのだ。そして、それぞれが自分の取り分を主張している最中、甲一郎の弟・州二に心臓の発作が起きる。驚いてかけよる小石に、州二は「いつもの発作ですから大丈夫です」と言い、ポケットからニトロのスプレーを取り出して舌に噴射する。すぐに様子が落ち着いたことに安堵する小石。
 そんなある日、その州二が近くの神社で倒れているという知らせが入る。小石は美鈴とともにすぐにかけつけるが、小石が到着した時にはすでに州二の息はなく、遺体が担架で運ばれているところだった。現場には猿渡刑事や大岩の姿もあり、大岩は「州二は持病である狭心症を抱えていた。おそらくあの長い石段に心臓が耐え切れず、いつもの発作から心筋梗塞を起こしてしまったんだろう。ニトロのスプレーも常備しており、おそらく使用したのだろうが、狭心症から心筋梗塞になった場合はニトロの噴霧剤も効果がない場合があるから、効き目がなかったようだ」と分析するが、近くにいた少年たちから「州二が苦しみだして先生が来るまで2〜3分だった」と聞いた小石は、「狭心症から心筋梗塞に移行した場合、確かにニトロのスプレーは効かなくなるが、2〜3分で死ぬということはない」と異を唱え、死因を特定するため、解剖をすすめる。
 その後、甲一郎と州二が立て続けに亡くなったことにふと不審を抱いた小石は、2つの事件はもしかしたら結び付いているのかもしれないと予感し、独自の捜査に動き出す。捜査の果てに彼が見た驚愕の事実、そして悲しい真実とは一体何だったのか!?


【番組情報】

キャスト

  • 小石三郎 … 橋爪 功
  • 藍田美鈴 … 安達祐実
  • 漆沢真沙美 … 沖 直未
  • 松金咲子 … 結城しのぶ
  • 漆沢州二 … 清水章吾
  • 松金正之 … 安藤一夫
  • 漆沢甲介 … 一條 俊
  • 猿渡緑郎 … 佐藤B作
  • 大岩善三 … 蟹江敬三
  • ほか

【スタッフ】

企画
熊谷 剛(フジテレビ)
プロデューサー
赤司学文
石川好弘
原作
川田弥一郎
脚本
田辺 満
監督
長尾啓司
制作
フジテレビ
オセロット

2009年10月28日発行「パブペパ No.09-263」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。