2009.11.12
<2009年11月21日(土)21時〜23時10分>
いよいよ、フジテレビ情報制作センターがお送りする3夜連続企画『探そう!ニッポン人の忘れもの』の放送が11月20日(金)21日(土)22日(日)に迫っている。
フジテレビ情報番組の全スタッフが総力を挙げて贈る大型プロジェクト、フジテレビ開局50周年3夜連続スペシャル企画『探そう!ニッポン人の忘れもの』の第2夜目にお送りするのが、「家族の忘れもの」をテーマに、揺らぎ続ける日本の“家族の肖像”、そのあり方を問うスペシャルドラマ『ハッピーバースデー』だ。
記者発表では和やかな笑顔に。
皆、それぞれに大変な役を終えようとしている充実感に満ちている。左から 加賀まりこ 大橋のぞみ 木村佳乃 伊東四朗
後列 鈴木宗太郎 勝村政信
このドラマは150万部を越えるベストセラー作品「ハッピーバースデー」をドラマ化したものである。母から愛されずに育った少女はある日突然声を失う。それでも心配してくれない母親。母はなぜ娘を愛せないのか。母自身もまた愛に飢えもがきながら育った悲しい過去の持ち主なのだった…。
心の傷を癒やすため少女は祖父母の元に旅立ち、初めて祖父母の愛に触れるのだった。彼女が出会ったものはそれだけではなかった。輝く太陽、どこまでも広がる空や山々、草花のゆれる小道、そこに息づく小さな生き物といった「日本の原風景」に初めて包まれる。少女、そして母、父、兄、祖父母―家族皆が失われていたきずなをこの原風景の中ではぐくんでいこうと新たな一歩を踏み出していく。
“家族”の忘れものが「日本の原風景」を背景に情感豊かに描かれていくことになる。
原作の共著の一人、青木和雄氏は小学校教師の経験もありカウンセラーとしても活躍した。原作はその青木氏がこれまでに出会った数々の悩める家族たちのエピソードを基にしている。だからこそ見る者誰もが共感を覚え、自分の悩みと共通するポイントを必ずや見つけるに違いない。
先日10月末日、ドラマクランクアップを目前にしたスタジオで記者発表が行われた。
娘を愛せないという難しくもショッキングな母親、藤原静代役を見事に演じきった、木村佳乃、そして声を失うという初の困難を抱える悲劇の少女役、藤原あすかに挑戦した、あの大人気子役、大橋のぞみ。さらに声を失ったあすかを預かり大きな愛で包みこむあすかの祖父、伊東四朗、祖母の加賀まりこ、あすかの兄、期待の子役鈴木宗太郎、そして仕事一本で家庭のことは妻任せの父親、勝村政信がスタジオに勢ぞろいした。
難しい役を演じきった木村佳乃は、
「あすか(娘)を愛せないという理由が自分の幼少期に問題があってそこが丁寧に描かれているので監督と相談しながら少しづつ丁寧につくりながら演じてきました。」と語った。特に、伊東四朗演じる父親に初めて長年隠していた自分の気持ちをぶつけるシーンが印象に残っていると語り、
「伊東四朗さんに支えられてなんとかできました。」と話すと、
「(台本)11ページ分をまさかワンカットで撮るとは思っていなかった」と伊東四朗も気持ちのいい緊張感あふれる収録であったと振り返った。
さらにはこんな一幕があったことも吐露した。
「娘をビンタするシーンがあって普通は実際には当てないのですけれど、(大橋)のぞみちゃんはすごく勇気があって“実際にたたいてください”と言われたので思い切ってやりました。」と語ると大橋のぞみは
「痛くなかったですよ。無事でした」と皆を笑わせた。
そんな大橋のぞみも今回は声を失うという難しい役に挑戦。
「お母さんと仲良くできなくて声が出せないのが難しかったけれどがんばりました。」と感想を述べるとすかさず加賀まりこが横から
「せりふがなくて楽でした」と代わりに答え、のぞみちゃんとほほ笑み合いスタジオを笑わせると、さらに伊東四朗が
「せりふがない、っていうのは難しいんですよ。でもその分、ぼくの方にせりふがきちゃったけれど」と、のぞみちゃんのコメントを二人そろって助けるさまは、ドラマさながら。孫を温かく包み込むドラマのおじいちゃんおばあちゃんの愛情深さにもご注目いただきたい。
同様にあすかの兄、直人役を演じた鈴木宗太郎も、泣くシーンですぐに泣けなかった際には
「“はいがんばって!”って大橋のぞみちゃんに言ってもらえてがんばりました。」と語ると、「そんなこと言ったっけ?」と大橋のぞみが答え、仲の良さを見せてくれた。妹の心の叫びに気付き奮闘する、兄、直人と妹のやりとりにも注目していただきたい。
ドラマのテーマであり、企画趣旨である「ニッポン人の忘れもの」について話題が至ると、加賀まりこも
「以前は近所のおじさんおばさんに怒られたのにそういうことがなくなりましたね。」と昔を振り返る。すると伊東四朗も
「昔はもっと近所全体で子供を育てていましたよね。家族も必ず皆で丸いちゃぶ台を囲んでごはんを食べていたのにそういう大家族制みたいなものがなくなったのが現代のひずみなのではないかと思う。」とまさに『ニッポン人の忘れもの』という今回の企画へのひとつの解答を出してくれた。
最後に
「皆さんにはニュートラルな気持ちでこのドラマを見ていただきいろいろなことを感じていただきたい」と木村佳乃は視聴者に向け訴えた。勝村政信も
「このドラマを見終わった後に家族の顔をふと見てくれたら」とメッセージを送った。
さらに今回新たに他キャストが発表された。
大橋のぞみ演じる藤原あすかが声を失い祖父母のもとに預けられた際に出会う孤独な老人、野々宮役を三國連太郎が演じる。
三國連太郎は既に1週間前に長野、上田の美しい自然の中、ロケを終えている。温かく大きな愛であすかを包み込み、あすかの傷ついた心を少しづつ癒やしていく大事な役でありシーンであるだけに、大橋のぞみや加賀まりこも三國とのシーンのことが最も心に残るシーンとしてあげていた。
また、爆笑問題の田中裕二もあすかの小学校の担任黒沢先生役として友情出演している。いち早くあすかの異変に気付き、あすかを救おうと、母親静代と真っ向から向き合うという重要な役どころとなる。
俳優としての活躍も目覚ましい田中裕二は今回が初の教師役。
「教師らしさ、って難しいですね。いろいろな教師がいますからね。」と教師の難しさを語りつつ、今回のドラマを通じて、
「せりふの中でも言っていますが、世の中のスピードにどうしても大人も子どももついていけなくなっていると思います。立ち止まって、引いて見て、少し冷静に世の中を見てみるのも大事ではないかな、というようなことをドラマを通じて感じていただけたら」と語っている。
いよいよドラマもクランクアップ。ドラマで取り上げているのは決して私たちの日常と無関係のことではない。「家族の忘れもの」をテーマにドラマをプロデュースする中村百合子も、
「ドラマの冒頭は、表面的に見るとショッキングな親子関係。しかし、その根底にあるのは“どこにでもありうる親子”であり、普遍的な家族の葛藤であると思います。
葛藤が氷解していく過程で“無償の愛”や“他を思いやる心”を濃密に描くことで“人として大切なもの”という普遍的なテーマに迫っていきたいと思っています。」
とドラマに込めた思いを語っている。
ぜひ、自分の家族の問題として、自分の問題として見ていただきたい。考えていただきたい作品なのである。
親の愛に飢え、親の愛を与えられない母。
彼女が心にしまいこんだ悲しみと、祖父母・父母・子供…3世代それぞれの心の葛藤。
日本の美しい自然に癒やされ、悲しみから解放されていく。
自分の弱さと向き合い、共に生きるきずなを取り戻したある家族の物語。
真の「家族のあり方」とは?
「家族の忘れもの」…現代の家族に問いかける人間ドラマ。
藤原あすか(大橋のぞみ)は小学4年生、9歳の少女。
藤原家は両親と小学6年生の兄、直人(鈴木宗太郎)の4人家族。父、裕治(勝村政信)は海外単身赴任中。
今日はあすかの10歳の誕生日。楽しみなはずの誕生日。しかし母、静代(木村佳乃)は仕事を終え、夜遅く家に戻る。誕生日のことも忘れ、あすかを目の前にしても「産まなきゃよかった」と言い放つのだった。あすかは息を飲んだ。あすかは自分ののどを激しくつまんだ。もう既に何度もつまんで赤黒いアザになっているのどを。「ママひどいっ!」と叫ぼうとしてがくぜんとする。あすかはこの日から声を失ってしまったのだった。
静代はそのことに気付かぬまま、仕事や直人の勉強のことを気にかけるばかり。
あすかの異変に気づいた小学校担任の黒沢修(田中裕二)が静代を呼び出す。黒沢は、しゃべれないのにあすかが必死に母親に愛されるようないい子になりたいと口を動かしていたと静代に伝えた。しかし静代は一向に娘の悲鳴に耳を傾けようとはしなかった。兄、直人もあすかが「生まれて来なきゃよかった」と必死に口を動かす姿を目撃し衝撃を受け、あすかの味方になることを心に誓うのだった。
あすかは長野の祖父母の元で暮らすことになる。長野の風景―空の青さ、季節ごとに色づく山、草花の揺れる野原、小さな生き物が息づくあぜ道…そして祖父、道夫(伊東四朗)、祖母、正子(加賀まりこ)の愛、そして近くに住む孤独な老人・野々宮大悟(三國連太郎)の優しさに包まれてあすかの心は少しづつ安らいでいくのだった。しかし声はなかなか戻らない。そんなある日、あすかは静代の日記を見つけてしまう。そこにはあすかが知らなかった静代の心に大きな影を落とす悲しい生い立ちがつづられていたのだった…。
あすかの心が解ける日は来るのだろうか…。そして静代の心の闇は…!?
揺らぎ続ける日本の「家族の肖像」…
そのあり方を問うスペシャルドラマをお届けする。
現在夫は単身赴任中、フランス語通訳の仕事をしながら子ども二人を育てている。
中学受験を控える長男、直人のことだけを考え、夫の前で完ぺきな母、妻を演じることに必死。あすかのことは全く気にも留めない。実は静代自身が両親との間に悲しい過去を抱えていた。
藤原家の長女。常に母親から厳しい言葉を浴びせられ、常にのど元を指でつねることが癖となりあざになってしまっていた。ついには悲しみから声を失うこととなり心の傷を癒すため長野の祖父母のもとに預けられる。祖父母や孤独な老人・野々宮らの愛、豊かな自然に包まれ、次第に強く生きていくことを学んでいく。
現在単身赴任中の静代の夫。エリートコースをまい進中、仕事第一主義で家庭のことは妻に任せっきり。妻が仕事を続けることも単身赴任中だけ、と許している。兄、直人が中学受験に合格することを家族の第一優先事項と思いあすかのことはやはり二の次。
あすかの兄。中学受験を控え、母からの愛情を一身に受け育つ。しかしあすかが声を失ってから次第に自身の家庭のひずみに気づき、あすかのことを救おうと祖父母と共に奮闘することになる。
静代の職場の上司。静代より年下。仕事の問題をあすかのせい、家族のせいにする静代にいらだちを覚える。藤原家を訪れたことから藤原家が抱える問題にかかわっていくことになる。
あすかの小学校の担任。あすかが声を失ったことに母親の静代よりも早く気づく。
静代と対峙しあすかの問題に向き合うよう、さらには、静代自身が抱える問題から逃げずに解決する努力するよう説得する。
あすかの祖父母、堀夫婦の近所に住む孤独な老人。ある日あすかと出会って以来、多くの時間を共に過ごすことにより、あすかの心に大きな安らぎを与える存在となる。自身は家族と疎遠になっており寂しい思いをしていた。
あすかの祖母。あすかを預かり、大きな愛で包み込む。あすかを自分たちのもとに預けたまま連絡ひとつよこさず任せっきりの娘、静代自身に問題を感じ、疎遠になっていた静代とあらためて交わりを持とうとするも静代には拒否され続ける。
あすかの祖父。あすかが声を失ったことに心を痛め、あすかを自身の家に呼び寄せることを決める。共に湖で釣りをしたり、農作物の収穫をしたり、とあすかがこれまで味わったことのない自然とのふれあいを体験させる。
フジテレビ開局50周年3夜連続スペシャル企画
『探そう!ニッポン人の忘れもの』
ドラマ『ハッピーバースデー』
第2夜 2009年11月21日(土)21時〜23時10分放送
2009年11月12日発行「パブペパ No.09-273」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。