トルコ2023年

来週末からトルコへ出張となりました。トルコ国道交通省が開催する「第10回国際交通フォーラム」(9月27日〜10月1日)に参加を依頼されたからです。今回のトピックは「目的:2023年」となっており、1923年に共和国になったトルコが2023年に100周年を迎えるにあたり、どのような国になっていくべきか、そしてどんなビジョンを持ち未来を創っていくか、そうしたことに関するディスカッション、パネル発表などが行われます。

http://www.ulastirmasurasi.org/eng/main_page.html

参加者は交通、コミュニケーション、インフラ、そして航空宇宙における各国研究者や国道交通大臣、大学や大企業の代表者の方々です。私が参加するセッションは、未来の航空宇宙分野における技術やイノベーションのあり方がテーマとなっています。フォーラムのプログラムでご覧いただけますように、私は大学教員及びトルコ人初の宇宙飛行士候補という視点から、トルコが国際国家として目指す方向、改善が必要な分野などを自分自身の経験を通じ参加者の皆さんにお伝えすることになっています。同じセッションには、エアバスやボーイング、トルコ航空など、航空宇宙と深く関わっている専門者も参加するので、私自身も新しい情報や刺激をもらえるいい機会となるでしょう。

また、トルコの未来を考えること、そのために様々な提案、活動をすることは決してトルコだけの問題ではなく、国際社会、世界と通じる意味のあることだと考えています。人は一人でここに存在しているわけではなく、綿々と続く世界の歴史のなか、そのどこが抜け落ちても、自分はここに存在しなかったのかもしれないのです。残念なことに、自分や自国に自信やアイデンィティを持てないとき、心のすさんだ醜い出来事や残酷な戦争などが引き起こされます。自分が今、ここに存在していることに確固たる自信を持つこと、お互いに尊敬しあうこと、これは例えどんな未来がやってきたとしても決して変らない大切なものである、私はそう確信しています。
新書の発売とセルカン・カレッジ

本日、中央公論新書から3冊目の本「ポケットの中の宇宙」が出版されました。今回は、現在までの自分の経験もふくめて、インフラフリーやインテリジェンスに関する考え方をまとめた一冊になりました。2006年に出版した「宇宙エレベーター」と「タイムマシン」とはまた違った人たちが読んでくれる新書という分野を通じ、さらに幅広い方たちに僕なりのメッセージが届けられればと思っています。

加えて、ご存じの様に、今年の4月からは六本木ミッドタウンにて「セルカン・カレッジ」を立ち上げ、20代から40代にわたる幅広い年齢層の参加者の方々に向け、これからの人生における知識や私から見たインテリジェンスに関する講義を始めています。嬉しいことに、そのセルカン・カレッジが9月から大阪と静岡でも開催されることになりました。詳細は下記をご覧ください。応募受付を開始しています。多く方々にご参加いただき、共に学ぶ機会となることを願っています。

http://serkancollege.jp/college/01.html
トルコ出張
今週は、米国航空宇宙協会(AIAA)と米国電気学会(IEEE)の共同で行われたRAST(Recent Advantages in Space Technology) 国際学会に参加するため、イスタンブールに行ってきました。宇宙技術を地上へ技術移転していくための特別セッション(Special Session on Space for the developing World)も開催され、日本の大学も含めて11個の論文が発表されました。

JAXA,つくば大学、名古屋女子大学の先生たちと一緒に記念写真

この学会と同時に、この日は、私が毎年担当している「一日科学者になろう」と言う若手向けの科学イベントもあり、イスタンブールの各区から集まった250人の高校生が宇宙ステーションを設計する、というワークショップを行いました。

各グループ10人のメンバーとエスキス

このワークショップも、今年で3回目になります。指導教官は68人にもなり、外国人の専門家以外、最初から参加していた高校生は、今年で大学生になった若手も多くいます。8時間に及ぶスタディの結果、20個のデザインが出来上がりました。この中から選ばれたデザインは、後日、国際学会の「若手が考える宇宙の未来」で発表をし、高い評価を受けました。

また、トルコの南東の田舎町にも行き、小学生たちと会ってきました。トルコの教育システムにはばらつきが大きく、大変残念なことに田舎に行くと教育レベルが格段に下がってしまいます。しかし、どんな所へ行っても子供は一緒で、「知りたい」「新しい経験がしたい」と言う好奇心を強く感じます。僕ら、大人が時間を作って自分たちの経験をちゃんと伝えて行くこと、何より好奇心を持って経験を積む姿をみせることは大切だ、と強く感じました。

田舎の子供たちの記念写真

6月10日は弟の娘「アズラ」ちゃんの1歳の誕生日でした。僕たちの文化ですと、数百人が参加するパーティを開催して、みんなでお祝いするのですが、僕は仕事の関係で出席はできませんでした。ドイツから2時間の所にいるのに参加できなかった僕のため、アズラの写真が送られてきました。どんどん女の子らしくなっていく感じがします。

1歳になったアズラちゃん

当日のパーティは、人が多くてアズラはイヤがって泣きぐずり、弟夫婦は非常に苦労したらしいのですが、なぜかおばあちゃん(僕の母)が抱くと泣きやむのだそうです。僕の母親はこれをとても喜んでいますが、弟の奥さんはもちろん同じ気持ちにはなれず、弟は夜、奥さんに怒られたそうです。。。笑
淡路島
今週は、僕としては(笑)久々の出張で「第52回宇宙科学技術連合講演会」に参加するため淡路島に行ってきました。主催は日本航空宇宙学会で、共催は宇宙航空研究開発機構や生態、生命、電気、電子情報通信、械専門の協会などで年に一回開催されています。

神戸市と淡路市と結ぶ、世界最長の吊り橋である「明石海峡大橋」

淡路島に行くのは今回が初めてではあるものの、淡路という地名は1995年1月に起きた阪神淡路大震災のニュースで知っていました。その頃、僕はシカゴに住んでいましたが、テレビで映しだされたマグニチュード7.3の大地震が引き起こした大惨事の様子は、とてもショッキングだったことを今でも覚えています。その後、僕自身が1999年8月にトルコで大地震を経験し、どんなに科学技術が進歩しても自然の前にはささやかなものにしか過ぎないことを痛感し、災害後の衛星問題の大切さを理解すると同時に、それに関する住宅や技術支援を研究するきっかけとなりました。

記念写真

今回の僕の発表テーマは「統合型居住支援技術における未来住宅の提案」。あたらしい出会いが、思いがけないアイデアをうむこともあります。せっかく様々な分野の人が集まっているこうした場ですので、僕はひとつの分野に絞ってしまわず、いろいろな方とディスカッションできるよう研究内容を幅広く伝えてる発表を行いました。

今後の予定としては、和歌山県串本町調査、NASAのAMES研究所での研究活動、コーネル大学やミュンヘン工科大への出張滞在などがあり、年末にむけ忙しくなってしまいますが、できるだけブログで報告しますのでご覧ください。また、今月の講演活動は、「楽天研究開発シンポジウム2008」の基調講演になります。詳細が決まり次第、ブログでご案内させていただきます。興味や時間のある方が是非ご参加下さい。
アトムの子
実は、僕は子どものころ、『鉄腕アトム』を蟻んこだと思っていました。(すみません。笑)

大人になり、こんな僕では、きっとすべての日本国民から嫌われてしまう程、『鉄腕アトム』は日本人の心の中で大切な存在になっている事を知った時、僕は深く感銘を受けました。

海外では、ロボットは友達には成り得ない存在であり、非常に危険なものだと考えられているのに、日本では、アトムはみんなの友達であり、あこがれなのです。アトムの持っている力は、その気になれば世界を制覇できる、すごい能力ばかりです。核融合ジェット噴射ができ、それで最大マッハ5で空を飛んだり、60ヵ国語を自由に話したり、10万馬力であったり、しかも人間の善悪まで判断可能。他にも驚くべき能力を満載しているアトム。

けれど、アトムは情操教育を受け、小学校に通い、葛藤しながら友達を作っていくのです。そして、そこにはそれを受け入れる日本の社会があります。人々がいます。手塚治虫氏がアトムという存在に込めたもの、それは未来の世界の在り方、平和な世界への示唆だったのではないでしょうか。

そして、先日、そのご子息であられる手塚眞氏とご一緒する機会がありました。世界に誇れる手塚治虫氏とその『鉄腕アトム』の世界をすぐそばで見つめ、感じ続けてきた方です。父親の遺志を引き継ぎ、幅広く活動されている彼も、手塚治虫氏が未来を託した、アトムの子に違いありません。


すてきな出会いに心から感謝を込めて。
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