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アラスカレポート��
アラスカレポート�△任后�今回のアラスカ調査の目的は、アラスカ州のように、広大な土地を持つ地域における人々の暮らしを見ることでした。郊外町のまったくインフラがないところで、人々はどんな生活をし、どんな衛星環境になっていて、何に困っているのか。これは僕の研究を何に役立てることができるか、を考える意味でとても重要なことです。今回、アラスカの勉強をしていた時、僕は初めてブッシュコミュニティーと言う言葉を知りました。この意味は、ブッシュ大統領が作ったコミュニティーではなく、ブッシュは英語で「森」と言う意味で使われており、森の中にあるまったく道路のインフラがない地区、のことです。今回は、そのひとつであるMcGrath村の調査を行いました。飛行機をチャーターして出発です。 フェアバンクスから約2時間、McGrath村が見えてきました。まだ10月ですが、そこはさすがにアラスカです。もう一面、雪に覆われていました。上空を旋回し、上から村を撮影、着陸しました。やはり道路が周りの町と繋がっておらず、飛行機でしかたどり着けない地域です。ここには、約400人が住んでいます。インターネットの技術により、隔絶されたこの地域にも、世界の情報が入るようになり、ショッピングもいろいろと出来るようになっています。お陰で、現地の人以外にも政府関係者が多く住むようになっています。でも、その技術も最先端とは掛け張られていて、一人が電話するともう一人が電話できないという状態になってしまいます。笑 僕は、さっそく今回の目的である、現在のインフラ状態の調査を行うため、水処理場に向かい、担当者と会いました。上空から撮った写真でもよくわかるかと思いますが、村は川と隣接しています。この村では、その川からポンプで水をくみ上げ、きれいにしてから各宅に供給するシステムになっています。システムには、大変なお金がかかっており、維持とメンテナンスが一番の問題点だそうです。特に、この極寒の地では、なおのことシステムにトラブルが発生しやすく、それは町全体の衛生問題とも直結してしまうこともあり深刻です。しかし、大きな改善が出来るほどの予算はなく、結果、廃棄物の水も元の状態まできれにすることができないまま、町の外の施設に運んでいき適当に処分してしまっているそうです。これらの廃棄物の水処理サービスには、ひと世帯あたり60ドルの基本料金プラス１リットルの水に２セントを支払うことになっていて、インカムのないこの村でこんな支払いが出来る人はほんの一握りではないかと思いました。こんな状態では、この地に住みたくても離れて行かざるを得ない人も出てきてしまうということを担当者は心配していました。 次は、住宅を見て回りました。この村の住宅はほとんど木造でできています。村の中心に学校があり、子供が10人以上いると学校として認められ、ちゃんと先生にも来てもらえるのだそうですが、10人以下になると学校は閉鎖されてしまうのだそうです。こうなると、政府からも村として認められなくなってしまうので、村の存続のため、村長は独身の人に結婚してほしいと話しているそうです。 それから、少し町を散歩しました。その時、、何人かの子供が、犬ぞりに乗って遊んでいました。僕が一人の子どもに近づいて、興味深げに写真を撮っているとその子とその子の犬とすっかり仲良くなり、家にまで招待されました。その子の犬の名前はライラで、ライラちゃんが子犬を4匹生んだので、僕に一匹持って帰ってくれないかと言われたのです。僕も犬は好きですし、子犬は本当にかわいかったのですが、やはり連れて帰るのは。。。笑 でも、アラスカの子どもの、自然や動物に対する深い愛情を感じるすてきな思い出になりました。 無事に村の調査を終えて、僕はフェアバンクスに戻りました。翌日は、アラスカとは真逆の気候のニューメキシコへ向かうことになっています。当日は、飛行機のキャンセルなどアクシデントもありましたが、何とか無事にニューメキシコに到着。以前、東大でも講演してくれたアレンさんがBiosphereで開催している国際シンポジウムにも参加し、アレンさんや集まった世界中の科学者と、充実じて時間を過ごしました。 今回の調査を振り返ってみると、やはり21世紀の最大の世界問題は人口問題や衛星環境問題だと痛感しました。そのために、このインフラフリーをきっかけにして、住宅支援技術の統合型システムのシナリオを作ることで、僕は人の役に立つ研究にすることができるだろうと確信しました。今回の調査も含めて、この方向性で研究をすすめて、来年の夏までに、インフラフリーの専門論分を完成させたいと思っています。 余談ですが、東京に帰ったら、母から電話が入り「セルカンはおじさんになるよ。」と言われました。弟が父親になることでアニリール家族初の孫が誕生するのです。母は何より喜んでいましたし、僕も楽しみです。また、生まれたらこのブログでもご報告します。 |
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アラスカレポート��
すっかりご無沙汰してしまい、すみません。先週からアラスカ出張に出ていて、毎日、研究調査で忙しい日々を送っていたため、なかなかブログを更新する時間がなかったのです。今回の旅の目的は、アラスカ州というとても広い地域の都市計画、インフラ及び郊外町のコミュニティーを調査することです。
アラスカへは、東京からシアトル経由で向かいます。アンカレッジ市に着いたら最初の感想は「寒い〜！」。（笑）平均気温はー2度で、夜はー20度まで下がります。寒さに強い僕も、さすがに防寒対策が必要でした。 ところで、アラスカ州の首都ははアンカレッジだと思っている方が多いようですが、正しくはカナダと隣接する町「ジュノー」です。ですが、アンカレッジ市全体の人口は約27万人で、アラスカ州の半数近くを占める人々が生活しています。 まずは、アンカレッジ市役所で都市計画部長トムソンさんとお目にかかりました。現在の町のインフラ状態及び問題やこれからの都市開発に関していろいろな話を聞かせて頂きました。アンカレッジでは、1964年に大きな地震があり町がすべて崩壊してしまった、という苦い経験があり、それ以降、強いインフラを作る、またはほとんど木造である古い住宅を丈夫に再生することなどに力を入れ来ていることを説明してもらいました。 それから、アンカレッジ市下水道局長のマーク・プレモさんの事務所に向かいました。ここでは市内のインフラ開発で一番重要となる下水インフラの条件を聞かせていただきました。下水管理チームの皆さんも打ち合わせに参加して下さり充実した打ち合わせとなり、アンカレッジの状況や現在問題になっているポイントを理解することができました。現在は、市内の約95％が下水インフラに依存していますが、それに関わるコストや維持費用に非常にたくさんのお金がかかっているそうです。また、20年後を設定し進められている、町全体の再生、維持のメンテナンスにも相当のお金が必要で、米国政府から助成金が出ないと成り行かないという状況のようです。こうして、下水設備のメインである施設もすべて見学、専門者との意見交換もできました。彼らに、僕が今、研究しているインフラフリーの話をしてみたところ、非常に興味を持って聞いてくれて、特にアラスカの郊外町の開発で役立つものになるだろう、との意見を頂きました。 さて、次はアンカレッジ市の北にある人口4万人の町、フェアバンクスに移動です。僕の研究の中心となっている、日本の郊外町の研究開発に役立つと思われる情報を得るために訪れます。 フェアバンクスに到着、すぐに市役所に向かい、郊外町開発部長のクリスチアンさんと彼女のチームのみなさんと打ち合わせをしました。現在、フェアバンクスは、水道が直接家に繋がっている住宅がなく、みんな「水のある施設」まで車で行き、水を自分の家までタンクで運んでいる状態だそうです。もちろんもっと郊外に行くと、さらに苛酷な状態になってしまいます。やはり土地の面積が広大であればあるほど、インフラの導入と整備には、莫大なお金がかかってしまうものです。 こうした地域でこそ、莫大な費用がかかる方法とは違ったアプローチで、いかにもっと衛生的な環境を作れるかが大切になります。そうしたテーマも含めて、この打ち合わせは、お互いからたくさんのことを学べるよい機会になりました。 次の日の朝は、Cold Climate Housing Research Center (CCHRC)で打ち合わせがあり、研究所に行きました。ここは、極寒の地での住宅開発を研究目的にしている研究所です。現在の研究内容及び成果を、所長から教えて頂きました。あまりに寒い土地では、寒さによりインフラが壊れてしまいます。あまりに寒い土地では、寒さによりインフラが壊れてしまいます。それを防ぐため、この研究所では、いろいろな研究に力を入れているそうですが、彼らは、様々な分野の最先端技術とそれの統合型研究である「インフラフリー」研究を大変高く評価して下さり、今後一緒の研究をしていけたらと誘っていただきました。僕が研究している、インフラフリー研究による循環型インフラシステムを作ることができれば、こうした地域で大いに活用してもらうことができます。またアラスカのような極寒の地では、どんな技術の統合が必要か、そうしたことを考えるよい研究調査ができたと思います。 CCHRCから直接空港に向かい、次の移動の準備です。実は、実こそが、今回の調査で一番大切なことでもあります。次回のレポートを楽しみにしてください。 |