STATE | ENTRY | <<new | 1 / 1pages | old>> |
|
仙台 こども宇宙館
連休中、仙台を訪れました。そこで、仙台でアニメ「宇宙エレベータ」を上映してくれているこども宇宙館にも足をのばしてみることにしました。館長はじめ、スタッフの方々があたたかく出迎えてくださり、館内も案内していただきました。
この施設自体は、年内で運営が終わるそうですが、僕自身はとてももったいないことだと感じました。特に、ロビーに設置されている宇宙エレベーターの模型や歴史など、大変わかりやすく展示されており、みなさんの熱意に感動しました。 新設される天文台に統合された後も、子どもたちが宇宙を知り、体験できような提案に是非取り組んでもらえたらと願っています。そして!僕もここで久しぶりに宇宙服を着てみました!? 仙台こども宇宙館では、27日まで「宇宙エレベータ」が上映されています。是非、お近くの方がおいででしたら、ご覧ください。 |
|
講演の報告
以下、講演のご報告を2つほどします。
12月は、ジェイカレッジとICC(NTTインターコミュニケーション・センター)で講演を行いました。 ジェイカレッジは、セミナーを通じて多様性の渦を起こし、そこから創造と変革の萌芽を生み出そうと企画された自律型の学びと成長の場です。 http://www.webook.tv/jcollege/archives/2007/11/ post_27/ 「宇宙の視点から見た時間と空間のとらえ方」 ICCは「コミュニケーション」というテーマを軸に科学技術と芸術文化の対話を促進し,豊かな未来社会を構想していきたいとの構想のもと運営されている文化施設で、ヴァーチャル・リアリティやインタラクティヴ技術などの最先端電子テクノロジーを使ったメディア・アート作品を紹介すると共に、従来の形式や分類を超えた企画展を開催してきています。 http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2007/Exploring Media/talk1216_j.html いずれも、僕の講演の軸は、「未来を今から創造する」という観点から行いました。企業人、アーチスト、デザイナーなど、それぞれの専門知識を自分だけのものと捉えず、お互いから学びあうオープンな関係、コミュニケーションがそこには必要となります。それをふまえたうえで、僕自身ができることは、科学のおもしろさをみなさんにお伝えする機会を増やしていくこと、そして僕の研究テーマである「インフラフリー」という世界を接点とし、科学と日常生活の架け橋となること、であると考えています。けれど、実はこうしたことは大げさな講演活動を行わなくても、個々人が自分の生活の中でできることも多くあるのかもしれません。まずは、目の前で関わっている人との尊敬しあえる関係性、すべての出発点はそんなささやかでありながら当たり前な日常から始まっていることなのです。 また、余談になりますが、僕の著書「宇宙エレベーター」が、なかなか手に入りにくい、というお話を伺います。品薄状態だと出版社からも聞いています。今ですと、ICCのショップにまとまった冊数を取り扱っていただいています。こちらには「タイムマシン」もありますので、書店やアマゾンで日数がかかってしまう場合、展示をご覧になりついでにICCショップへお立ち寄りいただければと思います。 |
|
インフラフリーワークショップ
先週、三日間だけトルコのイズミル市に行ってきました。ここは、僕の父親の実家でもあります。トルコの西海岸に位置し、エーゲ海沿いにあるこの町は、人口400万人、トルコでは三番目に数えられる大きな都市です。しかも、エフェスやベルガモンといった遺跡も周辺地域には多く遺されていて、観光客も多く訪れるところでもあります。
今回は、イズミル経済大学で「インフラフリーワークショップ」を行いました。この大学の環境学部長であるマークス先生と一緒に運営をした今回のワークショップには、イズミル大学以外からもトルコ国内の建築や環境学部から多数の学生や研究者が参加、僕の研究室からも2名を同行し、計約40名が出席しました。 地震は、日本にとっても、トルコにとっても、大きな問題です。1999年の夏にトルコで起きた大地震の時には、その後の衛生問題、仮設住宅がとても深刻なものとなりました。そうした過去の経験を基に、今回のワークショップでは、もしイズミルで同じ強さの地震が起きたとしたら、その災害後のマネジメントとして、インフラフリーがどのように役に立つか、ということを調べる目的がありました。 インフラフリーをキーワードにし、他の専門者にも指導していただく機会を取り入れ、今回は僕の母親もドイツからきて、建築と同時に考えられる物理システムを学生に指導しました。(僕の母は物理学者です。)30年間以上の経験を持っている彼女の指導は、非常に厳しいことで有名です。けれど、その教鞭をとる姿を見ながら、僕は自分の母親のことを改めて尊敬しました。 ワークショップでは、40人のグループを二つに分けて、インフラに依存しない仮設住宅と衛星ユニットの設計を考えてもらいました。災害でインフラが壊れた環境を想定し、その上で、援助がくるまでの間、水やエネルギーインフラの変わりとなる、どのような循環型のシステムを建築で考えるか、またそれに基づいた建築物をどうやって設計できるか、今までと違うアプローチを設定し、お互いと相談しながらスケッチや簡単な設計までの案を出してもらいました。 エネルギーと水の循環を考えながら、ゴミを減らしたり、廃棄物の水で植物を育てたり、今までと違う素材を建築で応用したり、これからの循環型社会の技術や組織的な進め方を予想しました。参加した研究者や学生は、時間を過ぎても、一生目懸命取り組んでくれ、三日間のワークショップはとても充実した内容で、楽しく終了しました。 来年は、ブラジルとイタリアでも同じ内容のワークショップを予定しています。インフラフリーは、ひとつの研究に過ぎませんが、インフラフリーをきっかけに、いろいろな国の文化、事情を理解することができるのは、とても意味があると感じています。世界を結ぶ国際交流、相互理解を含め、大きな可能性を秘めているインフラフリー、これから、ますますたくさんの夢が見られそうな気がしています。 |
|
パナソニック「イーユーハウス」
先日、研究室の学生を連れて、パナソニックセンターに行きました。ここにあるEUハウス(ECO&Universal Design HOUSE)に興味があり、松下電器産業の方にご案内いただいくことになったのです。EUハウスは、2010年の暮らしを想定しているだけあり、「こんな未来は来るんだろうか?」というようなものではなく、「こんな未来が訪れる時が来るんだろうな。」という身近な感じで捉えられる内容になっています。もちろん、この暮らしを実現するには、まだまだ問題がないとは言えません。ただ、その問題とは、ひとつの企業の取り組みだけで、完璧に解決できるスケールのものでもなく、その中で、この松下電器産業が取り組んでいる、創エネ・省エネと生活レベルとの新たなバランスへの提案には、非常に意義深いものを感じました。
有明駅近くに行かれることがあれば、是非お立ち寄りください。 http://panasonic.co.jp/euhouse/ また、パナソニックセンター内のあるリスーピアは、最近の子供達に理数のおもしろさを体験してもらうための施設で、体験型のコンテンツがとても楽しめるものになっています。全員、夢中になって遊んでしまいました。みんな、いくつになっても心には子どもが住んでいます。 ちょうど、その日、日本の子どもの理数能力が世界2位から6位になった、というニュースを知りました。こうしたランキングは、ある基準に基づいた振り分けにすぎません。(先日の数学についての講演ブログを、もう一度参照していただければと思います。)子供達に直接関わる人たちこそ、こうしたことで一喜一憂せず、大きな視点で、未来を見据えた教育を行ってほしいと感じました。リスーピアで、みなさんも子どもの頃感じた、物事の原理を知っていく「わくわく」を体験してみてください。 火曜日からインフラフリーワークショップでトルコ出張です。僕の実家、 イズミルから報告します。お楽しみに。 |