35回目の誕生日
3月22日は、僕の35歳の誕生日でした。もともと、家族と離れて暮らしてきたせいか、誕生日を家族で、というより、誕生日は大勢の友人達と賑やかに過ごす、というのが僕のいつもの誕生日の過ごし方で、今年も大勢の友人達と共に、楽しく過ごしました。


プレゼントに、愛車RX-8のカスタマイズチケット(?)をいただき、さっそく昨日、話をつけてもらってあるマツダへ出向き、車をみてもらっています。最高です!!みなさん、ありがとうございました。

<以下はお知らせになります。>
3月29日(土)に、東京大学が協力している「新木場祭り」で僕の講演があります。これは無料のイベントで、木材の歴史、大切さを伝えるために行われています。ご興味のある方は、足を運んでいただければと思います。僕のパートは、
フリートーク 11時〜12時(サテライト会場 木材市場会場)
「インフラフリー」 1時〜1時35分過ぎ(新木場センタービル2階)
となっていますが、以外にも木材に関わる催しがたくさんあります。
詳細は、新木場倶楽部 事務局 3521−8821でお聞き下さい。

さようならお父さん
先週末、シブヤ大学で講義し、翌日は静岡県の清水市に行きました。清水市の会場では、簡単な挨拶の後、本のサイン会が行われました。2時間近く待って下さった方々も大勢いらしたと思います。どうもありがとうございました。


今回は、特に子供がたくさん来てくれて、サインをしているテーブルからようやく顔をのぞかせる子供の顔や、そこから差し出される小さな手と握手していると、休日を返上し6時起き(つらかった。笑)をしてここまできて本当によかったな、と思いました。

僕は、子供と会う度に「何歳ですか?」と聞いていたんですが、なぜかその日、ほとんどの子供は「8歳」か「11歳」。学校の学年単位で参加しているのかと思ったら、そうではないらしく、主催者の方々も驚いていました。思えば、僕も11歳の時、宇宙エレベーターを描いた「楽園の泉」を読みました。その作品の存在感に衝撃を感じたものの、その時にはとても難しく感じたことを覚えています。そして、僕が大人になり宇宙エレベーターのプロジェクトに関わることになったとき、この本をもう一度読み返しました。

この本の作家は「アーサー・C・クラーク」氏。静止軌道を発見した科学者とも言われているクラーク先生は、小説を通して科学の面白さを伝えたいと「2001年宇宙の旅」の原作を代表とする数々の名作を発表しています。人に未来や科学を想像する力を与えるすばらしい作家といえるでしょう。

そして、彼は科学者としても活動しており、以前、僕も宇宙エレベータープロジェクトに関わった時に、何回か会いに伺ったことがあります。そんな交流の中、いつしか彼は僕にとっての子供時代のヒーローでもあり、もう一人の父親のような存在になりました。東京に戻ったら、久しぶりに連絡をしよう、僕はそう思っていました。


その翌朝、クラーク先生がスリランカで亡くなったと訃報が届きました。90歳だった彼は、最近はずっと病気がちで車椅子の生活でしたが、最後の本をどうしても書き上げたい、と頑張っていました。。。その作品の完成をみることなく、彼は逝ってしまいました。

僕がクラーク先生と出会い、その経験が力となり僕の未来が開けたように、僕と出会ったことで、世界のどこかで誰かが、私たちが最も望んでいる明るい未来を実現しようと夢を持ってくれることがあるとしたら、僕らの旅は今までもそしてこれからも、永遠に紡がれていくことになるのではないでしょうか。

さようなら、お父さん!!
そのバトンを僕らは確かに受け取ろう。そして、次の旅へと出発したあなたを、心からの感謝で見送ろう。

この話を、ある人にした時、その場でBUMP OF CHICKENの「SUPERNOVA」という曲をiPodで聞かせてくれました。

-♪本当の存在はいなくなってもここにいる
  僕らの時計はとまらないで動くんだ♪−
東京大学創立130周年記念事業

昨日は、東京大学創立130周年記念事業の公開シンポジウムで、講演とパネルディスカションを行いました。

映画やアニメーションの世界には、未来的な要素を含んでいることが多くあります。僕が映画を大好きなのも、未来にあり得るかあり得ないか、それがどんな未来をもたらすか、それは善なのか悪なのか、というようなことにとらわれず、自由に創造力を発揮し、未来を思い描くことが可能な世界だからだと思います。

科学者にとっても、現在の社会の価値にとらわれない、ということは、実はとても重要なことです。前に進むのは、科学だけでもアニメの世界だけでもなく、人間の社会も、そして人間自身も進化するものです。その上で、その進化したテクノロジーを使用するのは誰なのかを考えてみると、やはり未来にそれを判断するのは、その時の人類に他ならないのです。

このシンポジウムでは、東京大学における研究とアニメの連携による新たなアニメコンテンツ制作に取り組み、そこに開けるアニメの未来の可能性について考えるというもので、異なった立場の才能あふれる研究者、専門家、クリエーターなどが出演、お互いの意見や世界をディスカッションし、とても有意義なものとなったのではないかと思っています。

そして、今回、テーマとなっていたアニメ作品「RD潜脳調査室」は、4月8日(火)24時59分よ日本テレビで放送が開始されます。ちなみに、僕はここで科学面でのスーパーバイザーとしてコラボレーションをさせていただいています。

http://www.ntv.co.jp/RD/

是非、みなさんご覧になって下さい。
Le Citta Del Futuro- 未来の都市
ローマ市が主催している「Le Citta Del Futuro-未来の都市」と言う学会に参加するためにイタリアにきています。この学会にも参加しているサッジオ教授の紹介で、ローマラサピエンザ大学建築学部で講義する予定にもなっています。学会のテーマは「未来の都市」です。ローマというと、古代ローマ遺跡やロマネスク様式の建築物などの印象が強く、あまり未来というイメージにぴったりこない方もいるかもしれません。しかし、時間を直線に捉えるような考え方から抜け出してみれば、このローマだからこそ実現できる未来都市の在り方があるのではないか、と思っています。それには、ローマという町の未来予想図をはっきりと描き、必要なキーワードを絞り込むことが必要でしょう。

「Le Citta Del Futuro-未来の都市」のステージ

この学会の委員長は、ローマ電力副代表のジョセペさん。左からローマ市長、イタリアの国土交通省大臣、プリツカー賞2007年の受賞者リチャード・ロジャース(建築家)が座っている、すごい顔ぶれのステージです。そんな素晴らしい人たちが並ぶ壇上の一番右側に、なぜ私が座っているか不思議ですね。笑

学会の特別講演はジョン・ジョハンセンと言うアメリカの建築家の方が行いました。1916年生まれ、ハーバードを卒業し、私が修士を取ったバウハウス大学を作ったマルセル・ブロイヤーやヴァルター・グロピウス氏とも仕事をしていて、とても豊かな経験を持っています。彼が発表したのは、未来にもしナノ技術が完成し、現実に応用されたら、いったいどんな都市になるだろう、すべての住宅生産システムが変わるだろう、という内容でした。若いデザイナーや建築家がこの講演を聞いたら、イマジネーションがどんどんわき出るような、素晴らしい講演でした。

私の講演内容は「ゴミが出ない住宅」

私は、今回の学会で一番若い参加者と紹介され、現在研究しているインフラフリーとそこから生まれた一つの提案である「ゴミが出ない住宅」を発表しました。今年、イタリアのナポリ市では、ゴミの埋め立て処分が限界に達し、ゴミの回収が停止し、町中にゴミが溢れかえってしまった、という事態が起きたばかりで、まさにぴったりのこのテーマをみなさん熱心に聴講してくださいました。

内容は、私が「社会インフラ」と呼んでいるゴミを家から出した後、処理場まで運ぶシステムを不必要なものとし、家内でゴミを電気や熱に切り替えれることができたら、ゴミの回収が停止になっても問題にならない未来があり得るだろう。これは未来のライフラインのために大変重要になるであろう。という様な内容です。

久々にアレンさんと再会です。

今回の学会には、外国人として3人が招待されていました。ヨハンセン氏以外では、私とBiosphere2のアレンさんです。東京大学でも講演をしてくれたことがあるアレンさんはもう78歳で、学会の限られた時間しか参加されませんでしたが、彼が15年前から考えてきた未来の話には、参加者の方々も大変興味を持っていました。今回のローマでの行動はいつもアレンさんと一緒で、「セルカンがいろいろと気をつけてくれるから助かるよ。」と気遣ってくれるやさしい方です。

やっぱり見つけた。笑

僕が、イタリアを最後に訪れたのは1987年。約20年ぶりにきたましたが、なんだかかわいい子供が増えた感じがしました。一番近くにいたかわいい子にお願いして、一緒に記念写真を撮ってもらうことに。笑 彼女に嫌がられるかな、と思いましたが笑顔で抱き合ってくれてうれしかったです。

明日は、ベニス市に移動する予定です。島の建築物を見学し、インスラと言う会社と打ち合わせを行います。川沿いに建っている建物の土台技術及び古い建物を建て直すとき、どんな方法でリニューアルするか、話を聞いてきます。ベニスに一泊してからミラノ市に移動、そこの大学で講義をし日本に帰る予定です。

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