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逃走中市橋容疑者雇い、仕事逃げた…大阪の建設会社 通報があだ

11月14日8時1分配信 スポーツ報知

 英国籍の英会話講師、リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者(30)が、逃亡中に住み込み勤務していたと公開写真を見て気付き、警察に通報した大阪府茨木市の建設会社が、取引先から相次いで契約を打ち切られていることが13日、分かった。建設会社関係者によると「社員の身元もきちんと調べない会社とは、取引できない」として契約を解除されることが続いたという。一方、千葉地裁は同日、この日も食事を口にしていない市橋容疑者の拘置を、22日まで認める決定をした。

 通報があだになった。 08年8月19日から09年10月11日に姿を消すまで、約1年2か月間、市橋容疑者を雇っていた建設会社。警察へ通報後、市橋容疑者が勤めていたことが知られるようになり、取引先数社から契約を完全に打ち切られた。ほかにも、一時的な取引中止や、新規契約交渉が難航する例もあったという。

 ただ、同社社長は「殺人犯(容疑は死体遺棄)を雇っていたということですから。結果論ですからね」と、ひょうひょうと受け止めている。社長は「通報すれば、取引停止の可能性があることは頭にあった。事前に話し合ったが、社会人の義務として通報した」ときっぱり。事業に支障が出るのでは、と社員たちと話し合った結果、決断した。

 契約打ち切りの一方、エールもあるという。社長は「『ようやった』と言ってくれるお得意さんもいる。『これからも仕事、頼むわ』とね」と明かし、より深い信頼関係を築けたケースも出ている。警察官からも「市橋(容疑者)がここで働いた金で整形したことが、整形外科医による通報を促し、逮捕につながった。犯罪人を雇っていたといわれるかもしれないが、気にすることはない」と励まされたという。また、捜査関係者は「取材活動の影響を受けたのかどうか、事態がよく分からないが、われわれが通報者を守り切れていないことは反省している」と述べ、遺憾の意を示した。

 社員らと話し合った際、社長には、昨夏放送されたNHK特番「たったひとりの反乱」が「印象にあった」という。主要取引先である雪印食品の牛肉偽装を、内部告発した兵庫・西宮市の冷蔵倉庫会社「西宮冷蔵」の水谷洋一社長が、告発後に取引先を相次いで失うなどして休業し、再建するまでを描いた内容だ。

 水谷社長を取り上げ、12日に放送された、フジテレビ系「奇跡体験!アンビリバボー」も見たという建設会社社長は、「通報してよかったと思ってます。全然、後悔していない。建設業界自体も厳しい環境にあるが、頑張ります」と力強く笑った。

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最終更新:11月14日8時1分

スポーツ報知

 

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