男女共同参画基本法の問題点
男女共同参画社会基本法の廃棄を目指すのが本会の活動目標です。
この基本法の何が問題なのでしょうか。以下で、その概略を説明します。
☆「ジェンダー」という言葉について
ジェンダーとは、本来、文法用語です。文法上の性を指します。
フランス語は女性詞・男性詞の区別が、ドイツ語は女性詞・男性詞・中性詞の区別があります。また、ロシア語もイタリア語にも文法性がありますが、英語にはありません。
つまり、ジェンダーとは、もともと思想性がないものでした。
一方で、フェミニストを信奉する学者たちが、自分たちの性に関する特殊な概念を埋め込むのに適当な言葉を捜していました。その結果、白羽の矢が立ったのがこのジェンダーという言葉だったわけです。
そしてジェンダーに、「社会的・文化的に形成された性別」という意味が新たに付与されたのです。そこには、「女性は、歴史的に、社会的に差別を受けているのだから、それを解消させよう」という意図が込められているのです。
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☆「男女共同参画」という言葉について
男女共同参画は、ジェンダーイクォリティー(Gender Equality)の訳語です。ジェンダーは「社会的・文化的に形成された性別」という意味であり、それがイコール(同じ)というのですから、意訳すれば「性別なし」あるいは「性別否定」となります。
それを男女共同参画と翻訳したのは大沢真理・東大教授です。大沢氏は共著『ラディカルに語れば…』(平凡社)でこう述べています。
〈表の理由はともかく、やっぱり財界、官界のウケが、「男女平等」では圧倒的によろしくない。……男女平等という言葉に男性のお偉方のアレルギーが強いということを考慮して、平等とは言わないで、男女共同参画とか共生とか言ってきた。参画と言うようになったのは、日本では参加、参加で大衆動員するので、それよりは意思決定過程に参与することを強調する意味で参画を使おうということになって出てきた言葉ですね〉
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☆フェミニズム思想について
フェミニズムとは女性の権利拡張の思想や運動をさします。
フェミニズム第1波は、女性参政権を得るための運動で、第二波はウーマンリブ運動、そして現在が第三波といえます。語源は、ラテン語のフェミナ(femina=女性)。
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☆ルーツはマルクス・レーニン主義
マルクスやエンゲルスは、〈ブルジョア社会における女性は、男性に対する社会的従属=「家内奴隷制」と資本家に対する経済的従属=「賃金奴隷制」によって、二重の「奴隷状態」に置かれているので、そこから女性は解放されなければならない〉としています。それを実践したのが、レーニンでした。
今日のフェミニズムのルーツは、男女や夫婦を対立関係で捉えるマルクス・レーニン主義にそのルーツがあります。
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☆男女共同参画の目的は、「男女の区別をなくす」ことにある
大沢真理氏は『「男女共同参画ビジョン」の特徴と意義』(1996年11月)のなかで、〈「男女共同参画」はgender equality≠も超えて、ジェンダーそのものの解消を志向すること、これである〉〈ジェンダーは、異なっているが対等だという類の分類ではなく、縦型の階層化そのものであって、いうまでもなく男が標準、普遍、主であり、女は差異をもつ者、特殊、従である〉と述べています。
そして〈セックスに根ざす(とされる)男女の特性は是認しつつ、不合理な男女格差を解消する、というスタンスの実践では、女性差別を解消できない〉と述べています。
つまり、生まれながらの男女の性(セックス)による特性も、文化的・社会的な性別(ジェンダー)もすべて解消しなければ女性差別は解消できない、と主張しているのです。
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