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「追い出し屋」鍵交換は違法 大阪地裁判決

2009年11月14日12時10分

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 家賃滞納を理由に鍵交換による「追い出し屋」被害を受けた借り主の元派遣社員の男性(38)が、貸主の不動産賃貸会社(大阪市)に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が13日、大阪地裁であった。小川浩裁判長は男性側勝訴とした一審・大阪簡裁判決を支持し、鍵交換について「法律の定める手続きによらず、一方的に賃借人の居住を妨げる違法な行為」と認定。慰謝料など損害賠償の増額を求めた男性側の控訴を棄却した。

 支援団体「全国追い出し屋対策会議」によると、一連の訴訟は全国で計21件あり、控訴審判決は初めて。男性側は上告しない方針で、貸主側は控訴もしておらず、鍵交換を違法とした判決が確定する見通し。失職や減収で家賃を払えず、家を追われる「ハウジングプア(住まいの貧困)」が増大するなか、判決は国が検討する追い出し行為への法規制に影響を与えそうだ。

 元派遣社員の男性は減収で家賃を滞納。貸主側に玄関ドアの鍵を2回交換され、計34日間閉め出された。小川裁判長は「滞納した事情は、鍵交換の違法性を退ける理由にならない」と結論づけた。一審判決は、貸主側に慰謝料50万円など計約65万円の支払いを命じた。(室矢英樹)

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