
第1研究院(思考体系の数理モデルについ
て)
これには思い出がある。昔、こんなことがやりたかった私は、大学受験そっちのけで精神の
構造を下記のように考えていた。受験勉強と言うのは、やりたい事がある人間にとっては考え
る時間を奪われるようなもので、あのシステムは何もやる事を考えていない人間の為にあるも
のではなかろうかと今でも思っている。そんな中で東京の某大学での面接試験、試験官に抱
負を交えてこの考えを説明したのだが、判らなかったようなので、書いて説明をしたが、理解さ
れず、挙句の果てに「他の大学へ行け」とまで言われてしまったものである。その時はガロアよ
ろしく黒板消しでもぶつけてやろうかと思ったものだった。駅で帰りに飲んだコーヒーの味を未
だに覚えている。
この方向で思考に励んでいたら、おそらく心理学を採りこんで精神にシュレーディンガーの猫
が存在するか?とか、観測と同じに変化する精神の測定は式の型でしか表現できないとか、
ゲーデルの定理などを持ちこんだりして、そっち方向に歩を進めていた事だろう。私にとって痛
恨の碑のようなものである。あれからずいぶん時が経ってしまい、もう、この考えは閉鎖致しま
した。
芸は身を助けると言うけれど、芸が身を滅ぼすと言うのも又真なり、なので気をつけましょう。
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生物の世界は、多数の構成体から作られている。その中で展開される数理モデルを考えたとしても、情報量の限られた条件下においては粗いモデルとならざるを得ないだろう。なぜなら、精神と言うものの変化を観測することは、現段階では確定された手段を得ていないからである。しかし、いかに多くの仮定を必要としても、単純なモデルを論じることをためらうべきではないだろう。
精神の状態を、特定のある環境下に置くと仮定した所から始めなければならない。
単純に精神に影響を与える情報を+1、情報の欠損(忘却)を-1とした整数単位として考えた場合、これを時間の連続関数として考え、
人間の精神の合成値N(t)
を考える。
この時の不正確さを持つ精神というデータを、如何に解析するかという問題は追及しない。どんな要因がその精神に影響を及ぼしているかを決定しなければならないが、問題の複雑化を避けるため、ここではうまく情報管理された空間での観測という思考実験にとどめることとする。他のいかなる外的要因にも影響されない空間において、初期精神状態にも、実験環境にも変化がないようにして、同様の実験を再度繰り返したとしても、同じ結果は得られない。個体差がある限り、完全な同一初期条件を得ることは不可能であり、また、脳の成長にも個体差が現れるからである。
このことを説明するために、微妙な初期条件から起こる結果を予測するカオス理論や、確率変量を導入することをここではしない。実験をうまく一致させうるのは、だいたい確率モデルであるのだが、あくまで決定論的モデルとする。従って精神状態の変化が、数学的モデルの予測と対応しないとしても、数式事態の欠陥ではなく、ランダム性からくる結果であると考える。
なお、全てが相対的であるならば、個人を絶対として定義しても何の問題もない。それを相対として再構築することは可能なことである。
仮想実験として、測定は時間間隔凾狽ナ行うとすると、個体における精神の変化率は
凾m/凾煤≠m(t+凾煤j-N(t)/凾
となり、これは脳内情報量の絶対変化率を示す。この時、
精神の成長率R(t)
は、時間間隔凾拍繧ナ時の単位時間あたりの成長率であるから、
R(t)=N(t+凾煤j-N(t)/凾狽m(t)
である。時刻での精神変化率を決定するために使うことはできないが、成長率と初期条件がわかれば、その後の精神の合成値は算出できる。
N(t+凾煤j=N(t)+凾狽q(t)N(t)
精神の合成値は、情報の記録と忘却によってのみ変化すると仮定すると、この環境下では外部からの情報がシャットされているので、
N(t+凾煤j=N(t)+(記憶)-(忘却)
時間間隔凾狽ナ変化した単位時間あたりの記憶率bと忘却率cは、成長ににおいては
b-c>0
が必ず成り立たなければならない。
さらに
b=記憶量/凾狽m(t) c=忘却量/凾狽m(t)
として定義された場合、凾博條ヤ後の精神合成値N(t+凾煤jは
N(t+凾煤j=N(t)+凾煤ib-c)N(t)
である。このモデルの場合の記憶の重要度は区別されていない。従って、くだらない情報や被験者の興味の区別はない。
個人の成長によって変化する情報の重要度レベルは無視するとして、記憶率と忘却率が精神の合成値に単純に比例すると仮定すると、(成長率Rは定数でR=R0で時間的変化はない)成長率が定数のとき、いかなるtに対しても、
N(t+凾煤j-N(t)=R0凾狽m(t)
これを展開して、
N(t+凾煤j=(1+R0凾煤jN(t)
すなわち、t=t0で初期状態である。(まず、記憶量と忘却量は、脳のメモリの中で、単純比例すると仮定した場合、記憶量が2倍になれば、忘却量も2倍になる。脳の組織の成長時間を考慮せずに問題を進めた場合、精神の成長率Rは定数となるようにすると、いかなる時間的変化に対しても一般公式の存在がある。)
凾狽フm単位後、すなわちt≡t0+m凾狽高ノおいて
N(t)=N(t0+m凾煤j=(1+R0凾煤j
(m乗の書き方判りませんので先に進めませんでした。わかり次第再開します。)
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