貼るだけで携帯電話の電池が長持ちすると謳うシートのナゾ

得する一言風にまとめて見ました。

(2003年11月作成 16日追記  29日ドクター編追記 12/6〜ドクターのその後編追記

※初めての方へ
このページはこちらから派生したサイトです。こちらに要約があります。要約だけでも目を通して頂くと、
より分かりやすくなると思います。現在は、こちらに移行しています。ご意見、ご感想、ご質問等もこちらへ書き込みをお願い致します。


 ◆検証対象

  こちらの商品である。  近くの大手家電量販店には無かったので、TKハンズに電話で聞いてみたところ、
 「取り扱ってはいますが、今は店頭から下げています。」という。

 「何故店頭に並べていないのか?」と尋ねると、

 「他社との特許の関係がありまして・・・ですが、お申し出頂いたお客様にはお売りしています。」という。
 それ以上詮索はせずに、一枚取り置いて貰って無事購入することが出来た。税込みで609円だった。

   
 これが本体の表面(電池に触れる側)である。"きらきら"光るものがあり、表面は少し
 ざらついているが、これはその"きらきら"によるものだと思う。

 製造元が謳う効能、使い方等についてはこちらをご覧頂きたい。  
 製品の裏面には、HPの内容が要約された形で、同じ内容の事が書かれている。
 つっこみどころ満載の香ばしい内容だが、それには触れないで置く。


 ◆検証方法

 検証にあたっては、番号の入っていない(=シロROM)の携帯電話、SO503iを使用した。
 凡そ2年と8ヶ月通常使用したもので、去る4日に機種変更して隠居したばかりのものである。
 使用頻度にはムラがあるが、概ね毎日から一日おきには充電していた。水没等の損傷は一切無い。
 電池の仕様は、SO005 3.7V 680mAh のリチウムイオン電池である。購入時からのものである。

 先ず、電ピタを使わない状態で、この電池が満充電から機能を
 維持できなくなるまでどれくらいの時間持つか予め調べる必要がある。

 専用充電器にて充電ランプが消えるまで充電し、充電完了後すぐに電源を入れ、
 且つストップウォッチの計測を開始した。

 電源投入後速やかに着信音を「白い恋人達」、最大音量5でループさせる。
 液晶の省電力機能をOFFにはできないので、液晶OFFまでの時間を30分に予め設定済みである。
 凡そ25分毎にボタン操作をし、液晶が消えないように注意しながら電池の消耗を待った。


 電池の表示がはじめの三つから次第に減っていき、一つになると次は「充電するか、電池の交換をしてください」
 という表示が出る。このまま数秒後に電源が落ちる場合と、警告が消え、電池の表示は一つに回復する場合がある。

 回復した場合は、また着信音を鳴らし、自動的に電源が落ちるまで続けた。電源が落ちたらその時間を記録し、
 速やかに充電し、連続して検証を行った。それを3回連続して行った結果が以下の通りである。
 尚、表は上から時系列順に並べてある。


電ピタ無しの状態

満充電から電源が落ちるまでの時間 満充電になるまで掛かった時間 電池警告からの回復回数
1周目 - 未計測 -
2h 53m 13s - 1回
2周目 - 1h 42m 15s -
3h 22m 55s - 10回
3周目 - 1h 44m 06s -
2h 41m 02s - 0回

 2周目の放電時間が長く、しかも電池警告から10回回復し、11回目で電源が落ちた原因は分からない。
 室温は、検証中を通して20℃から25℃程で安定していた。充電中、携帯の電源はOFFである。

 この後、6時間程休憩を置き、電ピタを取り付け検証を再開した。3周目で電源が落ちた状態から
 電ピタを電池の下に敷き、同様の検証を行った。以下に結果を示す。

電ピタ有りの状態


満充電から電源が落ちるまでの時間 満充電になるまで掛かった時間 電池警告からの回復回数
1周目 - 1h 38m 56s -
2h 52m 27s - 0回
2周目 - 1h 38m 43s -
3h 08m 03s - 2回
3周目 - 1h 39m 44s -
2h 55m 54s - 1回

電ピタはSO503iの電池ケースのサイズぴったりで、切ったり折り曲げたりすること無く使用出来た。
電池が微妙に盛り上がるが、電池カバーは普通に閉めることが出来た。接点接触も問題ない。
また、電ピタの裏はシールのようになっており、貼り付けられるようになっているが、貼り付けてしまうと
剥がす時にSO503iに貼ってある認定シールも一緒に剥がれる恐れが強い。

製造元HPにはシール剥し液を使うといいと書いてあるが、それでは
認定シールも一緒に剥がれてしまい、携帯は二度と電波を発信出来なくなる可能性がある。


 ◆考察

上の検証結果を見てどう思われただろうか?私の感想は
まぁ、やるまでも無かった訳だが・・・ である。どうしてこんなことを検証する気になったが今では分からない。
しかも、科学館まで行ってエネルギー分散式蛍光X線分析装置で構成元素まで調べようと思った理由は
今では到底思い出せなくなってしまった。一応、分析の結果を以下に示す。日付がおかしいが気にしないで下さい。

 どうやら珪素とチタンが主成分らしい。塩素の反応もあるが、
 表面のコーティング、または外装の袋から移ったものではないかと考えられる。

 電気抵抗は無限大、磁性、α線、β線、γ線共に検出できなかった。
 マイナスイオンの放射は確認していない。主成分が珪素であることから、
 誘電体として働くということも考えられなくは無いが、
 リチウムイオン電池は侵食性の高い電解液を使っているため
 厳重に密閉されている。(安全弁は備えているが)

 また、電池の外に誘電体を密着させても電気的な作用があるとは考えにくい。
 やはり、この製品は効果無しと言い切っていいのではないだろうか?
 少なくとも、私が試した環境での話である。
 類似品がどうかは試していないので分からない。

 こんなところだろうか。あまり時間が無いのでこれくらいにしときます。
 ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
 参考に出来るところがあれば、活用頂けると幸いです。


 ◆追記(16日)

 先週の検証から一週間経った訳だが、予告どおり追検証を行った。
 前回の、”電ピタ有りの状態”で三回検証を行い電源が落ちた状態で一週間放置しておいた
 SO503iを、充電器に繋ぎ充電するところから始めた。気温が低いので、暖房を入れて、
 室温を前回と同じ、20℃〜25℃にしてから同様の検証を開始した。以下に結果を示す。

電ピタ装着・本体電源OFFで一週間放置後、そのまま電ピタを装着した状態での検証結果

満充電から電源が落ちるまでの時間 満充電になるまで掛かった時間 電池警告からの回復回数
1周目 - 1h 40m 29s -
2h 41m 16s - 0回
2周目 - 1h 38m 18s -
2h 48m 42s - 0回
3周目 - 1h 38m 22s -
2h 53m 08s - 2回

 この検証を通して、私は電ピタは効果無しと確信することが出来た。それだけでも大きな収穫だ。
 世の中には不確かな事が多いが、それを一つでも確信に変える事が出来ただけで人は満足できる。
 そのための商品だったと認識している。電ピタは、自分で納得の行くまで検証することの素晴らしさ
 を脳裏に刻み込んでくれた。それが、電ピタに篭められた内なる想いだと思うことにする。

 スレの方で集団訴訟等と言う言葉も出ているが、私自身そういう考えは今のところ無い。
 電ピタを作ってる会社の他製品を見ても分かるが、マトモな会社でない可能性が見受けられる。
 893関係は敵に回すと後々不良セクタのように悪さをするので関係を持たないのが、吉であると考える。

 何かあれば、スレに書き込んでください。時々巡回に行きますので。それでは、また機会があれば・・・


 ◆追記その2(29日ドクター編)

 スレを読んでいて、パティオン関連の商品 の検証がしたくなった。それが追記の切っ掛けである。
 近所の大手ポッキリ家電量販店には、バッテリードクターと、お助けシートの二種類が鎮座していた。
 どちらも税込みポッキリ980円である。スレに書いた理由により、バッテリードクターを買うことにした。

 裏面の説明書きはこちら。
 例によって、HPや説明書の芳ばしい内容には触れないで置く。
 但し一つ、特許第3085182号取得済原料使用という誤解を狙った表現がミソであるようだ。

 早速検証だが、前回検証を終えて電ピタと電池をSO503iから取り外し、
 バラバラに二週間程保管していた状態から開始する。

 先ず、部屋の温度を20℃〜25℃に維持できるよう暖房を入れ、
 ドクターを装着し、同様の検証を開始した。以下に結果を示す。

 尚、ドクターのシートは電ピタのそれに比べ幾分小さくまた、若干厚いようだ。
 表面はビニールテープ(非粘着面)のような感じという表現が一番近い
 であろうか。

 電池の蓋閉めが若干硬くなるが、許容範囲内であろう。


バッテリードクター(パティオン)を装着した場合

満充電から電源が落ちるまでの時間 満充電になるまで掛かった時間 電池警告からの回復回数
1周目 - 1h 59m 56s -
2h 42m 55s - 1回
2周目 - 1h 41m 29s -
2h 34m 37s - 1回
3周目 - 1h 39m 36s -
2h 37m 11s - 0回

 見ての通り、電池持ちが若干悪くなったように見える。短時間では効果は出ないというのが
 販売元の説明であろうが、半日以上装着しているので、効果の傾向程度は現れてもよさそうだが、
 今回の検証ではその効果は全く確認出来なかった。

 値段も約1,000円と、いい値段を付けている。NTT DoCoMo東海の場合、携帯の電池は、
 安いもので1,500円、高いものだと、SO503i等の4,000円位まで出せば、簡単に新品の電池
 が手に入る。最近のもの程安い傾向にあり、505iシリーズではPを除いて2,300円で手に入る。
 毎月加算されるポイントを使えば、現金を支払わずして手に入れることも出来る。

 こうした現実がある中、果たして藪医者に980円も払う価値はあるだろうか?
 明らかな効果があるなら、地球環境の為にも、こういった商品は大いに価値がある。
 しかし、少なくとも即効性は認められなかった。一週間後の追検証により、真価を明らかにしたい。
 


 ◆追記その3(12/6〜ドクターのその後編)

 さて、予告どおり追検証を行うことにする。前回の状態から、
 室温を20℃〜25℃で安定させ、
同様の検証を開始した。以下に結果を示す。

バッテリードクター(パティオン)装着・本体電源OFFで一週間放置後、そのままドクターを装着した状態での検証結果

満充電から電源が落ちるまでの時間 満充電になるまで掛かった時間 電池警告からの回復回数
1周目 - 2h 08m 32s -
2h 49m 23s - 3回
2周目 - 1h 44m 07s -
2h 43m 48s - 0回
3周目 - 1h 38m 50s -
2h 24m 32s - 1回

 前回に続いて、1周目の充電時間が長くなったことが分かる。2年8ヶ月の使用と
 ここ最近の検証で電池は過労死寸前なのかも知れない。だが、この状態から
 再び現役バリバリ世代に解脱させるのがパティオンの本分ではなかっただろうか?

 これ以上検証の必要すらないと思われる方も見えるかも知れないが、以前更に一週間、
 連続検証をするとお約束した以上は、それを全うするのが私の責任だと思う。
 パティオン関係者と思われるS氏からパティオンの大変有り難い使用上の注意
 頂いた。下記の検証を追加することで、S氏の謳う条件は大方満たすものと考えられる。

 検証方法は、これまでと同様の検証を一日一回、なるべく定時(午後7時頃開始を予定)
 に行うものとする。その際、室温を20℃〜25℃に安定させることを必須条件とする。
 尚、止むを得ない事情により検証を行えない日が発生した際はご容赦頂きたい。

 結果は随時追加する。これが完了した時点で私のこの会社に対する今後の対応を決定するものとする。

バッテリードクター(パティオン)の一週間、連日検証結果

満充電から電源が落ちるまでの時間 満充電になるまで掛かった時間 電池警告からの回復回数
12/7(日)
19:06開始
- 1h 40m 42s -
2h 10m 21s - 1回
12/8(月)
19:17開始
- 1h 35m 28s -
2h 28m 22s - 0回
12/9(火)
19:09開始
- 1h 43m 14s -
2h 29m 37s - 0回
12/10(水)
19:19開始
- 1h 43m 33s -
2h 03m 29s - 0回
12/11(木)
18:56開始
- 1h 36m 11s -
2h 31m 24s - 0回
12/12(金)
19:17開始
- 1h 43m 22s -
2h 08m 59s - 0回
12/13(土)
18:44開始
- 1h 43m 14s -
2h 19m 32s - 0回

 どうであろうか。私は、パティオンも効果無しと確信することが出来た。

 追記:手製のGMカウンターにて放射線量を測定した限りでは、自然界と同レベル程度しか検出出来なかった事
 を付け加えておく。測定精度の高いものでは無いが、少なくとも人体に有害なレベルの放射線は出ていないようだ。

 早速、特許庁と公取委に不当な表記の疑いがあるという趣旨の告発書をメールにて送らせて頂いた。
 国消生センターのメールアドレスが見当たらないので、最寄の二箇所に電話をしたのだがなかなか繋がらず、
 やっとの思いで繋がっても担当者が居ないと言われ、幻滅した。

 パティオンを購入したポッキリ家電量販店に電話を入れてみたところ、
 詳しい内容も聞かずに返品を請けてくれると言うので、返品してきた。

 その際も商品について何も聞かれず、書類に署名するなどの手続きだけをして
 980円全額をその場で現金にて返金して頂いた。もちろん、購入時のレシートは持参した。

 店舗側も、このパティオンという商品の性質を判っているのだろうか。そんな気さえ感じた。
 返品時、携帯コーナーにはこれらの商品は未だ鎮座していた。


 これらの商品を購入し、私のように効果を得ることが出来なかった方は、
 堂々と返品するのが吉だと思う。

 多くの人が行動を取れば、こうした商品は市場から姿を消すだろう。

 電ピタについては、パティオン関係者と思われる輩から非人道的な攻撃
 を浴びせられたことに対する義援金として580円、御国の為に消費税4%相当
 の23円、地方消費税1%相当の6円を寄付したと思うことにする。

 以上で、一連の検証を終了します。後日、何かあれば追記します。
 ご支援下さった方、どうもありがとうございました。この場にて御礼申し上げます。   Webmaster 謹白