政府・民主党は11日、首相官邸で首脳会議を開き、この臨時国会の提出法案について、今月30日の会期内での法案成立に全力を挙げる方針で一致した。09年度第2次補正予算案や来年度予算の編成を控え、与党内に浮上した会期延長論をいったん冷ますのが狙い。だが各法案の審議日程はまだ具体化しておらず、政府・与党は会期内の法案成立に焦燥感を強めている。【近藤大介】
首脳会議で菅直人副総理兼国家戦略担当相は、小沢一郎幹事長や山岡賢次国対委員長ら民主党幹部に「国会が大変だと思うが、できるだけ(予算編成への)猶予、検討の時間をいただきたい」と要請した。12月は来年度予算編成に専念したい政府側には、会期延長への慎重論が根強い。
ただ、与野党では今月末までの会期の延長は不可避との認識が強まっている。人事院新総裁の人選などを巡る与野党対立で、新総裁の任命が当初の想定より1週間遅れて来週にずれ込んだ。これに伴い、新総裁の出席が必要な国家公務員の給与法改正案の審議入りに影響が出ており、法案の成立は会期末の30日に先送りされる見通しとなっている。
総務委員会では給与法案の後、日本郵政グループの株式売却凍結法案の審議を控えるが、審議日程のメドすら立っていない。民主、自民両党は11日、国対間などで中小企業者等金融円滑化臨時措置法案やインフルエンザ対策法案の審議日程を断続的に協議したが、物別れに終わった。山岡氏が今月6日に「会期延長の検討」に言及したことも、与野党協議の難航に拍車をかけている。延長発言の前に山岡氏は首相官邸側と十分調整しておらず、足並みの乱れが表面化した。こうした混乱に乗じ、自民党は「衆院予算委で『政治とカネ』などの集中審議に応じなければ、審議には応じない」(大島理森幹事長)と、攻勢を強めている。
毎日新聞 2009年11月12日 東京朝刊
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