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2009年11月12日(木) 19:15 |
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邑久光明園100年、記念誌を出版
瀬戸内市邑久町の国立療養所邑久光明園が今年で創立100年を迎え、先月、入園者らが記念誌を出版しました。
瀬戸内海に浮かぶ長島。 東に長島愛生園、西に邑久光明園と2つのハンセン病療養所があります。 国の政策により、多いときには1100人以上の入園者が隔離された邑久光明園。 現在暮らしているのは200人、平均年齢は81歳を超えました。 邑久光明園の前身で、大阪にあった外島保養院が創立されたのが1909年。 それからちょうど100年です。 100年の歴史を形に残そうと、先月、自治会が記念誌を出版しました。 療養所の歴史とともに、隔離、差別・偏見の中、懸命に「人間らしさ」を手に入れようとしてきた入所者の生活が映し出されています。 記念誌には、外島保養院の入所者が野球のユニフォームを着た写真が収められています。 今から77年前の昭和7年。 外島保養院と長島愛生園が、交流試合を行ったときのものです。 ハンセン病の特効薬がなかった時代。 絶望を感じていた入園者にとっては、貴重な、束の間のレクリエーションでした。 1934年、昭和9年9月に近畿地方を襲った室戸台風で、外島保養院は施設のほとんどが倒壊しました。 この後、現在の邑久光明園が建てられることになりますが、その裏側には知られざる過去もありました。 出版された記念誌のタイトルは、「隔離から解放へ」。 まさに100年にわたって差別・偏見と戦ってきた入所者の思いそのものなのです。 この本は今のところ書店の店頭に並ぶ予定はありませんが、岡山県立図書館、岡山市立図書館、瀬戸内市の小中学校の図書館などには配られるということです。
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