鳥取元ホステス　高級ランチの常連だった…連続不審死事件

　知人男性が相次いで不審死している鳥取市の元スナックホステス（３５）＝詐欺容疑で逮捕＝が、自営業・円山秀樹さん（当時５７歳）の遺体発見現場付近の飲食店を頻繁に訪れていたことが１２日、明らかになった。女は毎月のように同店を訪れ、ランチメニューで一番高い４２００円の定食を毎回オーダーしていたという。女と同居の男（４６）＝別の詐欺容疑で逮捕＝と２人で訪れることもあり現場周辺に土地鑑があったとみられている。

　円山さんが水死体で発見された鳥取市の摩尼川の現場は、摩尼山の頂上に向かう県道の一本道の途中。夜はほとんど真っ暗だが、道路の上をまたぐ形で走る鳥取バイパスからの光に照らされている。現場のすぐ近くで円山さんの車が見つかっているが、さらにそこから約１・５キロ、山中を進むと天台宗の寺院・摩尼寺で行き止まる。

　摩尼寺への道は、参拝の観光客などが利用するくらいで頻繁な通行はなく、地元住民も普段はあまり訪れない。だがスナックホステスの女は、摩尼寺の門前に２軒だけある茶屋のうち１軒に毎月のように訪れ、食事を楽しんでいた。当然、遺体発見現場を含む周辺を熟知していたとみられる。

　茶屋の従業員らによると、女が来るようになったのは約３年前から。平日の昼間が多く、多い時は月に２、３度来店することも。女は子連れだったり、同居の男と２人きりだったこともあるが、別の男性と訪れることもあった。最後に来店したのは今年８月。子ども３人と男４人が一緒だったという。

　同店では、昼の定食は基本２５００円だが、女は決まって一番高い「ヤマメの塩焼き」と「土瓶蒸し」の付いた４２００円のランチを全員分オーダーした。誰と来た時も女が注文し、支払いをすることが多く、主導権をとっているように見えたという。

　従業員の間では「高い料理の人」で通じるほどで「たくさんお金を持っているリッチな人」とセレブ認定されていた。予約はせず、いつも飛び込みだったため、女の名前も最近まで知らなかったという。

　女は２００７年１２月にスナックを辞めてからは無職。住んでいたアパートの近所の住民らによると、家庭内では近所で摘んだツクシをいためたり、ヨモギを食べるなど自給自足的な生活ぶりものぞかせていた。

　女はこの数年間で１０人ほどの男性と付き合い、総額１０００万円近い金銭援助を受けていたともみられているが、不審死した男性らと金銭トラブルもあった。知人らに百数十万円の借金があったことがすでに判明しており、食生活ぶりも含め、女の金銭をめぐる異常ぶりが浮き彫りになった。

　円山さんも、女と同居する男に計約１４０万円の未収金があり「集金に行く」と行って出掛けた後に遺体で発見された。

（2009年11月13日06時01分スポーツ報知）

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