市橋容疑者 絶食ダンマリ…新たな偽名も判明
送検のため、行徳警察署を出る市橋達也容疑者
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千葉県市川市のマンションで07年3月、英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の遺体が見つかった事件で、県警行徳署捜査本部は12日、死体遺棄容疑で逮捕した市橋達也容疑者(30)を千葉地検に送検した。市橋容疑者は11日未明に行徳署に移送されて以降、丸2日、緑茶以外の飲食をしていない。逮捕時に、はさみを所持していたことも判明。逃亡中には「井上康介」のほか、「イイジマ・タケシ」「フジイ・カズオ」という偽名を使っていたことが分かった。
市橋容疑者は午前11時半頃、千葉地検に向け行徳署を出た。紺色の上着姿で、灰色のジャージーにサンダル履き。うつむいたまま、ワゴン車の後部座席に乗り込んだ。フードからのぞく顔はあごがとがり、整形手術をした高い鼻が目立つ。ウエーブがかかった髪は鼻のあたりまで垂れていた。
捜査関係者によると、前夜午後9時に就寝し、この日は午前6時半に起床。就寝中は軽く寝息をたてていたという。朝食には手をつけず、温かい緑茶を飲んだだけで、夕食も食べなかった。
10日夜に大阪市住之江区で逮捕され、11日未明に行徳署に移送されたが、同日も3食とも「いらない」と断り、少なくとも丸2日、緑茶以外の飲食をしていない。食事を取っていないためか、手配写真と比べるとややほおがこけていた。署員が「おはよう」「食事は食べないのか」と声を掛けてもうなずくだけという。
また、市橋容疑者が逮捕された際、ショルダーバッグの中にはさみが入っていたことが、捜査関係者への取材で分かった。ピストル形の催涙スプレー2個を所持していたこともすでに確認されており、捜査本部は身辺に捜査が及んだときに備え、警察官に抵抗するため準備していた可能性もあるとみている。バッグにカップめんや割りばし、ペンも入っていた。当初約30万円とみられていた所持金は約34万円だったことも新たに分かった。
逃亡中には福岡市のインターネットカフェで「イイジマ・タケシ」、名古屋市の病院で「フジイ・カズオ」と名乗っていたことも判明。大阪府茨木市の建設会社で使っていた「井上康介」と合わせ偽名は3つになった。
一方、取り調べでは雑談にも応じず、無表情で終始うつむき加減。容疑や逃亡中の生活などについて無言を貫いている。
一部報道によると、取り調べで経歴などを聞かれた際「両親は医者だが自分は医者になれなかった」とコンプレックスともとれる発言をしたという。市橋容疑者は父親は外科医、母親は歯科医という家庭で育ち、県立高校を卒業後に上京。最初に入った大学から千葉大園芸学部に再入学し、05年3月に卒業したが定職に就いていなかった。かつて友人に「将来は医者を目指す」と話していたとの情報もある。
送検容疑は07年3月下旬、マンション自室でリンゼイさんの遺体をベランダに置いた浴槽内に入れ、土砂をかけるなどして遺棄した疑い。22日ごろ、死体遺棄罪で起訴される見通し。捜査本部は、リンゼイさんの死亡に関しても事情を知っているとみて捜査する。
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