撃沈ひちょり　ＦＡせず残留も３０００万円ダウン…日本ハム

ＦＡ行使せず、３０００万円ダウンで残留した森本

　今季、国内フリーエージェント（ＦＡ）権を取得した日本ハム・森本稀哲外野手（２８）が１２日、権利を行使せずに残留することを表明した。ところが、札幌市内の球団事務所で臨んだ契約交渉では、３０００万円減の年俸８０００万円プラス出来高を提示された。リーグ優勝もＦＡも温情はなし。渋々サインし、厳しい現実に危機感をにじませた。

　森本は険しい表情で、来季年俸を明かした。「３０００万円ダウン。１億１０００万円から８０００万円です。球団からはＦＡの資格を取ったからといって、上積みはないと言われました」。２０００万円減の昨年は顔に涙の絵を描いておどけたが、今回は周囲を笑わせる余裕もない。

　今季は中堅の定位置を糸井に奪われ、８月には死球で左手を骨折。リーグトップタイの４３犠打を記録したが、４年ぶりに規定打席に届かず、打率２割４分７厘の不振が大幅減につながった。島田チーム統括本部長はＶ査定も考慮に入れたことを強調し、「元（値）が高い。パフォーマンスに対するコストです」とバランスを強調した。

　交渉の席では、球団側に「恥ずかしくて（ＦＡ）宣言できないです」と伝えたという。「自分がいいプレー、いいパフォーマンスをしないと、ファイターズに残れない。そういう厳しさを感じた。来年はいいシーズンで終わらしたい」。２０１０年は背水のシーズンになる。