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【プロ野球】

中里が竜倒宣言 巨人入団会見 背番号「63」

2009年11月12日 紙面から

巨人入団の記者会見で清武代表(左)と握手を交わす中里篤史=東京・大手町の球団事務所で(土屋善文撮影)

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 非運の天才、来季はGのマウンドへ−。巨人は11日、中日から戦力外通告を受けた中里篤史投手(27)と来季の契約を結んだと発表した。背番号は63で、年俸は800万円。衝撃のデビュー戦から8年。たぐいまれな才能を持った右腕が、自らの力で新たな運命を切り開く。

 絶望のふちに立たされていた右腕に手を差し伸べたのは、ジャイアンツだった。「巨人を倒したいと思って9年間やってきた。これからは中日を倒さないといけない。いろいろな気持ちはあるが、出さなければ良かったと思わせることが恩返しになる」。スーツ姿で会見場に現れた中里は緊張した面持ちで口を開いた。

 人々に刻まれた8年前の強烈な記憶。これが運命の糸をたぐり寄せた。デビュー戦となった2001年9月16日の巨人戦(ナゴヤドーム)。中里は150キロ超を連発。誰もがこの右腕の未来に夢を見た。それは敵チームも同じだった。清武代表は「ご存じの逸材。戦力外と聞いてすぐに連絡した。巨人にとって強烈な印象がある投手。亀井、内海と同い年。ここではまだ若手。夢の続きを巨人で、と思った」と獲得理由を説明した。

 中里は「今でも、デビュー戦のような投球を期待しています、といろいろな人に言われます。僕も原点はあそこにあると思う。巨人の方にもそうやって覚えていただいていて光栄」と話す。そして「僕は真っすぐにこだわりを持ってやってきた。昔以上にそういう球を投げられるようにしたい」と復活を誓った。

 02年以降はアクシデントの連続だったが、「今は肩やひじにまったく痛みも違和感もない。自信を持って大丈夫」と力強く語った。また、「妻には納得いくようにやってと言われた。サポートを惜しまないとも。気持ちの後押しになった」と家族の力も支えにする。

 12日から秋季練習に参加する予定の中里。非運の天才が伝説の舞台を目指して、ゼロからのスタートを切る。 (土屋善文)

 

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