「宮崎県事業仕分け委員会」で座長の話を聞く東国原英夫知事(07年11月 宮崎県庁 筆者撮影)
8月1日、「日本インターネット報道協会」が設立された。
JanJanニュースによると、この日本インターネット報道協会は、これまでの記者クラブの閉鎖性を打ち破り、オープンな組織を目指していく。
昨年5月、東国原英夫宮崎県知事は定例記者会見で、県政記者クラブの改革について発言していた。また、東国原知事は県政記者クラブに所属している記者とのやりとりの中で、次のようなことも発言した。
「あなた方記者は、私が県民のみなさんに対して話していることを伝えなければならない。だが、はたしてきちんと伝えているのか。その記事の真意が、果たして県民に伝わっているのか。この定例会見以外にも報道関係者と歩きながらの取材に応じたりして発言はしている。そして、同じようなことを定例会見でも話している。時には話すことがないこともある。それでも定例記者会見は必要なのか。県民に伝える義務があるのであれば、私の言葉を一言一句すべて記事にしなさい……。」
このことは、オーマイニュース日本版「
県政記者クラブもどげんかせんといかん!」にも書いたので、参照してほしい。
東国原知事により県政記者クラブが改革され、県民に開かれた県政情報を伝えるシステムができるのではないかと期待した。
そんななか、同年6月、私はオーマイニュースの市民記者として編集部の記者とともに、東国原知事の定例記者会見にオブザーバーとして参加する機会を得た。すごく良いタイミングであった。編集部からは、服装を整えることぐらいのアドバイスで、特に事前の打ち合わせはなかった。
会見が始まる前に、東国原知事の前で、幹事社から紹介を受けた。その後は、県職員からいただいた資料を見ながら、東国原知事の発言内容や県政記者クラブの新聞社からの質問内容を記録していた。編集部の記者は、写真を撮っていた。
約1時間半の会見だった。
帰宅後、すぐに原稿をまとめた。オーマイニュース日本版に「
宮崎県の知事会見に出席しました」として掲載された。
しかし、2回目はなかった。
記者会見参加をきっかけに私は「取材派市民記者」となった(07年9月 宮崎県川南町のイベントで 筆者撮影)
前述の「県政記者クラブもどげんかせんといかん!」を読んだ県政記者クラブの新聞社により、排除された形となった。どうやら県政記者クラブを怒らせてしまったようである。
たった1回の参加ではあったが、定例記者会見で、県民の目線で知事の県政に対する姿勢を垣間見ることができたのは大きな成果であった。自分の政策に自信を持って話す東国原知事の姿は、私が知っている歴代知事には見られなかったものである。
この定例記者会見をきっかけに、東国原知事の私的諮問機関「宮崎県事業仕分け委員会」の委員となった。また、宮崎県内を走り回る「取材派市民記者」となり、自分の目で見て耳で聞いたことを中心に原稿にまとめてきた。
新しく設立された日本インターネット報道協会が、個人・法人を問わず、市民記者も積極的に受け入れるのであれば活動の場が広がるだけではなく、市民メディアの可能性も広がっていくのではないだろうか。
JanJanニュースにも、「
あえて関西で「記者クラブについて」考えた〜主催:記者クラブを考える関西の会実行委員会」、「
記者クラブ改革、主婦が知事会見に出る長野県」などの記事が掲載されている。市民記者としては、とても気になるニュースである。
JanJan(日本インターネット新聞社)も、この日本インターネット報道協会に加盟している。
日本インターネット報道協会は、今月末に設立記念シンポジウムを開催する予定にしているが、今後の動きに注目していきたい。