千葉県市川市で07年に英会話講師の英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者(30)が逃亡中に「イイジマ タケシ」と「フジイ カズオ」という偽名も名乗っていたことが捜査関係者への取材で12日、わかった。
先月13日、市橋容疑者が整形手術を断られた福岡市内の病院では神戸市や大阪府茨木市の建設会社で名乗ったのと同じ「井上康介」の偽名を使っていたことも判明した。
千葉県警などの捜査関係者によると、市橋容疑者が福岡市内の病院を訪れたのと同じ日、福岡市博多区のインターネットカフェを訪れて会員登録していた。その際、「イイジマ タケシ」の身分証明書を示し、ネットカフェの会員証を作ったという。県警は、身分証明書は偽造か、不正に入手したものとみている。24日に鼻の整形手術を受けた名古屋市の病院では、フジイとみられる別の偽名を使った可能性が高いという。
千葉県警などは、市橋容疑者がネットカフェを使っていたのは、自分についての情報を確認したほか、新たに使う偽名をインターネットで検索したり、電話帳を引くなどしたりしていた可能性があるとみている。
市橋容疑者とみられる男が昨年2〜6月に働いた神戸市の建設会社や、同8月から約1年間住み込みで働いた大阪府内の建設会社ではともに「井上康介」を名乗り、緊急時の連絡先として大阪市港区の住所を記していた。年齢はともに32歳としていた。この住所に住んでいた男性は事件とは無関係だった。