2009年05月13日
俺「なんだ、野良の若林か。」
「ただいまー。」
「うぃ、うぃうぃ。」
ガシャガシャガシャ
玄関を開ければ聞こえる金属音。
パチ、と部屋の電気をつけると鬼瓦をした春日が
檻の中でそれはもう牛のごとく暴れていた。
「こら、また壁ドンされっから止めろよぉ。」
「うぃうぃうぃっ」
あぁ、もう。
愛らしいの一言だ。
「うぃ、うぃうぃ。」
ガシャガシャガシャ
玄関を開ければ聞こえる金属音。
パチ、と部屋の電気をつけると鬼瓦をした春日が
檻の中でそれはもう牛のごとく暴れていた。
「こら、また壁ドンされっから止めろよぉ。」
「うぃうぃうぃっ」
あぁ、もう。
愛らしいの一言だ。
俺が春日を飼い始めて今日で丸二年が経った。
二年前、出張先でたまたま立ち寄ったペットショップで
この春日に一目惚れをしてしまい、今日に至る。
体のでかさからちょっと手に余る部分があるが
それと対等に春日は俺に安らぎを与えてくれるのだ。
「春日ー今日は特別に飴二十個入れてジュース作ってやるからな。」
「うぃうぃっヘェーーッ!!!」
ははは、興奮してやがる。
俺もこのヘェには弱いんだ。パイナップル味にしてやろう。
二年前、出張先でたまたま立ち寄ったペットショップで
この春日に一目惚れをしてしまい、今日に至る。
体のでかさからちょっと手に余る部分があるが
それと対等に春日は俺に安らぎを与えてくれるのだ。
「春日ー今日は特別に飴二十個入れてジュース作ってやるからな。」
「うぃうぃっヘェーーッ!!!」
ははは、興奮してやがる。
俺もこのヘェには弱いんだ。パイナップル味にしてやろう。
じゃばじゃばじゃば…
俺が顔目掛けてぶちまけるジュースを
いつものように嬉しそうに浴び、啜る春日。
これを見るために頑張って仕事を終わらせたんだ。
「うぃ……うぃ…?」
春日が小さく鳴いた。
「…?どした?」
「うぃー…うぃー!!!」
さっきまで嬉しそうにジュースを浴びていたのに
ぱっと顔を背けると突然窓際に移動した春日。
手でぺたぺたと窓を触っている。
俺が顔目掛けてぶちまけるジュースを
いつものように嬉しそうに浴び、啜る春日。
これを見るために頑張って仕事を終わらせたんだ。
「うぃ……うぃ…?」
春日が小さく鳴いた。
「…?どした?」
「うぃー…うぃー!!!」
さっきまで嬉しそうにジュースを浴びていたのに
ぱっと顔を背けると突然窓際に移動した春日。
手でぺたぺたと窓を触っている。
9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 01:36:44.65 ID:aX73AXVfO
マジ☆キチ
11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 01:38:14.82 ID:mJ5BUNya0
「うぃっ。ういっーヘェッ!!!!」
「なんだ…?」
「うぃ、うぃー。」
どうやらベランダに出たいらしい。
珍しい…というかこんな事初めてだ。
あの飴ジュースを差し置いて。
「どうしたんだよかす…。」
ぇぇぇーー……。
「ん…?」
外から小さく、何かの鳴き声がする。
窓を開け、ベランダに出るとその鳴き声は少し大きくなった。
すぐにでも駆け出そうとする春日の首根っこを掴みながら
耳を澄ませる。
めてぇぇぇぇぇえっ…ぇぇぇぇ…
どうやら駐輪所の方から聞こえて来るみたいだ。
なんていうか…高くて細い鳴き声。
例えるなら…エルモの笑い声みたいな。
「ヘェッ!!!!」
「あ、こら!!!待て春日!!!」
すぐにでも駆け出そうとする春日の首根っこを掴みながら
耳を澄ませる。
めてぇぇぇぇぇえっ…ぇぇぇぇ…
どうやら駐輪所の方から聞こえて来るみたいだ。
なんていうか…高くて細い鳴き声。
例えるなら…エルモの笑い声みたいな。
「ヘェッ!!!!」
「あ、こら!!!待て春日!!!」
15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 01:40:25.02 ID:mJ5BUNya0
リードつけてからベランダに出せば良かった。
春日はベランダから飛び出して駐輪所に駆けていってしまった。
まったく…それにしてもあの鳴き声…。
はぁ…急いで春日を追いかけなければ。
「ヘェッ!!…ヘェーッ!!」
「春日、静かにしろ。近所迷惑だぞ。」
駐輪所の片隅。
春日はすっかり興奮しきっていて
鳴き声をあげるそれの周りをぐるぐると走り回っている。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ」
あぁ、そうか。だからこんなに春日が反応したのか。
「なんだ、野良の若林か。」
春日はベランダから飛び出して駐輪所に駆けていってしまった。
まったく…それにしてもあの鳴き声…。
はぁ…急いで春日を追いかけなければ。
「ヘェッ!!…ヘェーッ!!」
「春日、静かにしろ。近所迷惑だぞ。」
駐輪所の片隅。
春日はすっかり興奮しきっていて
鳴き声をあげるそれの周りをぐるぐると走り回っている。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ」
あぁ、そうか。だからこんなに春日が反応したのか。
「なんだ、野良の若林か。」
そうだよな。若林を見るのはペットショップ以来だもんな。
俺も久しぶりに若林を見た。
「怖がってるだろ。春日コッチ来い。」
「ヘェッ!!」
名残惜しそうに若林を見つつこっちに来る春日。
よしよしと春日をなでてからその若林の異変に気づいた。
「もぉーやめてぇぇぇッ…。」
その野良らしき若林はがたがたと震えていた。
こんな夜に、こんなところで。
よく見ると体中、傷だらけだ。
仲間内で喧嘩でもしたのだろうか。
俺も久しぶりに若林を見た。
「怖がってるだろ。春日コッチ来い。」
「ヘェッ!!」
名残惜しそうに若林を見つつこっちに来る春日。
よしよしと春日をなでてからその若林の異変に気づいた。
「もぉーやめてぇぇぇッ…。」
その野良らしき若林はがたがたと震えていた。
こんな夜に、こんなところで。
よく見ると体中、傷だらけだ。
仲間内で喧嘩でもしたのだろうか。
そらみなでの公開処刑を思い出すな
「お前…大丈夫か?」
「ッ!」
「おっ!?」
みるに耐えなくなり傷の手当でも、と
若林に手を差し伸べたのだがバシ、と払われてしまった。
そういえばこの前テレビでやってたな。
野良の若林は人見知りが激しいんだ。
キ、と俺を睨みつけると若林はよろりと立ち上がった。
どこかへ行こうとしている。
「うぃ。うぃー。」
「……。」
「うぃひっ…」
春日が少し近寄ったけどすぐに尻を蹴られてしまった。
嬉しそうにするな馬鹿。
「ッ!」
「おっ!?」
みるに耐えなくなり傷の手当でも、と
若林に手を差し伸べたのだがバシ、と払われてしまった。
そういえばこの前テレビでやってたな。
野良の若林は人見知りが激しいんだ。
キ、と俺を睨みつけると若林はよろりと立ち上がった。
どこかへ行こうとしている。
「うぃ。うぃー。」
「……。」
「うぃひっ…」
春日が少し近寄ったけどすぐに尻を蹴られてしまった。
嬉しそうにするな馬鹿。
「………ッ」
しかし春日を蹴った反動か若林もそのまま倒れてしまった。
ぎゅう、と体を丸め苦しそうにしている。
「おい、若林。わかばやしー。」
ぺしぺしと頬を叩いてみたけど反応がない。
息は…してるか。こんな遅くちゃ病院もやってないだろうしなぁ…。
「うぃ…。」
春日も心配そうに若林の顔を覗き込んでいる。
しかし春日を蹴った反動か若林もそのまま倒れてしまった。
ぎゅう、と体を丸め苦しそうにしている。
「おい、若林。わかばやしー。」
ぺしぺしと頬を叩いてみたけど反応がない。
息は…してるか。こんな遅くちゃ病院もやってないだろうしなぁ…。
「うぃ…。」
春日も心配そうに若林の顔を覗き込んでいる。
21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 01:56:28.86 ID:mJ5BUNya0
春になったとはいえ、こんな状態で外に放り出しておいたら…。
「このままにしといたら死んじゃうよな…。」
「うぃっ…。」
俺がどうしようかと悩んでる中、
春日はとっとと若林をかついでしまった。
部屋に運ぶ気なのだろう。
「ちょ、春日。」
「うぃー…」
「……分かったよ。運べよ。」
こういう時の春日は言う事を聞かない。
とりあえず手当だけでもしてやろう。
「このままにしといたら死んじゃうよな…。」
「うぃっ…。」
俺がどうしようかと悩んでる中、
春日はとっとと若林をかついでしまった。
部屋に運ぶ気なのだろう。
「ちょ、春日。」
「うぃー…」
「……分かったよ。運べよ。」
こういう時の春日は言う事を聞かない。
とりあえず手当だけでもしてやろう。
「…それ本気で言ってんのか?」
「本気で言うほどお前の事嫌いじゃねーよ。」
「「えへへへーっ」」
騒がしいな…なんだ、もう朝か。
そういえば野良の若林を手当して、布団に寝かせて…俺も寝てしまったらしい。
むくりと起き上がると布団に寝かせていたはずの若林がいない。
きょろきょろと部屋を見渡すと檻の中に二つの影が見えた。
「お前ら…。」
檻の鍵を閉め忘れていたらしく、春日と若林が檻の中で
えへへへーと笑い合っていた。
もしかして漫才…?
「本気で言うほどお前の事嫌いじゃねーよ。」
「「えへへへーっ」」
騒がしいな…なんだ、もう朝か。
そういえば野良の若林を手当して、布団に寝かせて…俺も寝てしまったらしい。
むくりと起き上がると布団に寝かせていたはずの若林がいない。
きょろきょろと部屋を見渡すと檻の中に二つの影が見えた。
「お前ら…。」
檻の鍵を閉め忘れていたらしく、春日と若林が檻の中で
えへへへーと笑い合っていた。
もしかして漫才…?
まさかガチホモすれになるのかな?
ならないよね?
ならないよね?
>>23
獣姦は苦手です。
「うぃっうぃうぃっ。」
ぽかんとしている俺に気づいたのか春日が二メートル後ろに下がる。
「ッ……なんだよお前ら、一晩で仲良くなったのか。」
渾身の朝一タックルを受けとめて少しえづいてしまったが
若林が少し元気になっていたのが嬉しかった。
春日も上機嫌だ。
でも一応病院連れて行かなくちゃ。
昨日の手当だけじゃ心もとない。
俺もえへへへーと笑顔を浮かべて若林に近づいたのだが
はぁ?と言われてしまった。
看病してたの俺なんだけどなぁ。
獣姦は苦手です。
「うぃっうぃうぃっ。」
ぽかんとしている俺に気づいたのか春日が二メートル後ろに下がる。
「ッ……なんだよお前ら、一晩で仲良くなったのか。」
渾身の朝一タックルを受けとめて少しえづいてしまったが
若林が少し元気になっていたのが嬉しかった。
春日も上機嫌だ。
でも一応病院連れて行かなくちゃ。
昨日の手当だけじゃ心もとない。
俺もえへへへーと笑顔を浮かべて若林に近づいたのだが
はぁ?と言われてしまった。
看病してたの俺なんだけどなぁ。
若林の鳴き声wwwwwwwwwwwwwwww
人間サイズ?
それとも蛇のサイズ・胴体に顔が付いてるの?
それとも蛇のサイズ・胴体に顔が付いてるの?
病院へは若林と一緒に春日も連れて行った。
春日を挟まないと若林とうまくコミュニケーションがとれない。
俺だけだとまだ「はぁ?」と威嚇されてしまう。
「でもまぁたいした事なくてよかったな。」
よしよしと若林の頭をなでてやる。
「…………。」
医者も仲間内で喧嘩でもしたんでしょう、と言ってたし。
でもあと数日だけ傷薬を塗ってやらないといけないらしく
その間だけ若林の面倒を見る事になった。
春日を挟まないと若林とうまくコミュニケーションがとれない。
俺だけだとまだ「はぁ?」と威嚇されてしまう。
「でもまぁたいした事なくてよかったな。」
よしよしと若林の頭をなでてやる。
「…………。」
医者も仲間内で喧嘩でもしたんでしょう、と言ってたし。
でもあと数日だけ傷薬を塗ってやらないといけないらしく
その間だけ若林の面倒を見る事になった。
30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:06:19.22 ID:mJ5BUNya0
>>27
実物大です。
ー数日後ー
バシャー!!!!
「ぶわっふ!!!???」
息ができなくなって飛び起きた。
なんだ、何が起きてるんだ。
つめたい…。
呆然としているとげらげらげらと笑い声が聞こえて来る。
「わーかーばーやーしー!!!」
床に転がったバケツとひぃひぃと笑い転げる若林。
「くっくっくっ…。」
「もーお前ぇー。怒るぞ!!」
実物大です。
ー数日後ー
バシャー!!!!
「ぶわっふ!!!???」
息ができなくなって飛び起きた。
なんだ、何が起きてるんだ。
つめたい…。
呆然としているとげらげらげらと笑い声が聞こえて来る。
「わーかーばーやーしー!!!」
床に転がったバケツとひぃひぃと笑い転げる若林。
「くっくっくっ…。」
「もーお前ぇー。怒るぞ!!」
33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:08:19.85 ID:gBPLAyJX0
>>30
一気に懐かれたなwww
一気に懐かれたなwww
35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:07:40.33 ID:mlLamBYsO
実物大うぜぇw
37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:15:24.50 ID:mJ5BUNya0
「おらーもう、春日はまだちゃんと寝てるだろうがよ!」
「ケラケラケラケラッ」
「この悪戯小僧!!寝ろ!!」
ばさ、と掛け布団を投げつけると
けらけら笑いながらもじゃれてくる。
少し時間はかかったが
朝に水をぶっかけるくらいにはなついてくれたみたいだ。
最初はもう噛まれたり蹴られたりだったけれど…
「ケラケラケラケラッ」
「この悪戯小僧!!寝ろ!!」
ばさ、と掛け布団を投げつけると
けらけら笑いながらもじゃれてくる。
少し時間はかかったが
朝に水をぶっかけるくらいにはなついてくれたみたいだ。
最初はもう噛まれたり蹴られたりだったけれど…
若林は攻撃的で天の邪鬼で。
でもそんな中見せる笑顔がとにかく可愛らしい。
ここ数日で若林を飼う人の気持ちが十分理解できた。
春日もいいけどたまには若林もいいもんだな。
なんて。
あ、そうだ。
「若林、傷、どんな感じ?」
「っ。」
「まだ痛むようならすこーしだけ薬残ってるけど。」
「………。」
「どした?」
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:28:32.73 ID:mJ5BUNya0
でもそんな中見せる笑顔がとにかく可愛らしい。
ここ数日で若林を飼う人の気持ちが十分理解できた。
春日もいいけどたまには若林もいいもんだな。
なんて。
あ、そうだ。
「若林、傷、どんな感じ?」
「っ。」
「まだ痛むようならすこーしだけ薬残ってるけど。」
「………。」
「どした?」
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:28:32.73 ID:mJ5BUNya0
「は、はぁ?」
バサッ
「お、おい。若林…。」
最近いつもこうだ。
傷薬を塗ってやろうとすると反抗して
傷を見せないようになってきている。
「……困ったな…。」
45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:29:45.95 ID:mJ5BUNya0
バサッ
「お、おい。若林…。」
最近いつもこうだ。
傷薬を塗ってやろうとすると反抗して
傷を見せないようになってきている。
「……困ったな…。」
45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:29:45.95 ID:mJ5BUNya0
「……………。」
「……若林…。」
飼ってしまおうかとも考えた。
今以上に仕事を頑張ればどうにか…。
そう思っていたけれど
夜な夜な若林が
ベランダに出て空を眺めているのを何回か見た事がある。
こいつは外で生きていく若林だ。
それはこいつも分かっているし、俺も春日も分かっているんだ。
「……若林…。」
飼ってしまおうかとも考えた。
今以上に仕事を頑張ればどうにか…。
そう思っていたけれど
夜な夜な若林が
ベランダに出て空を眺めているのを何回か見た事がある。
こいつは外で生きていく若林だ。
それはこいつも分かっているし、俺も春日も分かっているんだ。
若林は野生の場合、外で普段なにしてるの?
>>48
煮卵食いながらビール片手に散歩してる。
「困らせないでくれよ若林。」
「………。」
「な?」
「………。」
布団からひょこ、と覗かせた顔がまたかわいい。
春日といい勝負だ。
若林は自分からTシャツを脱ぎ始めくるりと背中を向けた。
一番酷かったのは背中だからな。
まだかさぶたとかあざはあるけれど、前に比べれば随分綺麗になった。
「…うん。もう大丈夫だよ若林。」
「………。」
「念のためもう一回傷薬塗っとくな。」
煮卵食いながらビール片手に散歩してる。
「困らせないでくれよ若林。」
「………。」
「な?」
「………。」
布団からひょこ、と覗かせた顔がまたかわいい。
春日といい勝負だ。
若林は自分からTシャツを脱ぎ始めくるりと背中を向けた。
一番酷かったのは背中だからな。
まだかさぶたとかあざはあるけれど、前に比べれば随分綺麗になった。
「…うん。もう大丈夫だよ若林。」
「………。」
「念のためもう一回傷薬塗っとくな。」
「傷薬ももう終わりだな。」
ぽん、と若林の背中を叩き、スーツを着せてやる。
あ、そうだ。ポケットにハンカチも入れてやらないと。
「…………。」
「ばーか、なにしょげた顔してんだよ。」
「………。」
「…ほら。」
初めて会った時に外してやったネクタイを若林に渡す。
それは若林を外へ帰す時を指している。
52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:42:48.87 ID:gBPLAyJX0
スーツなのかよw
53 名前: 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:46:14.67 ID:mJ5BUNya0
Tシャツは貸してあげてました。
「うぃっうぃっヘェェェェーッ!!!!!!」
「おっ。春日も起きたみたいだし…。…若林、ネクター買いに行こうか。」
「……?」
「快気祝いだよ。お前あれ好きだもんな。」
「……っへへへー」
少し安心したのか若林が笑った。
ぐわっと春日は鬼瓦。
こんな光景ももう最後か。
「うぃっうぃっヘェェェェーッ!!!!!!」
「おっ。春日も起きたみたいだし…。…若林、ネクター買いに行こうか。」
「……?」
「快気祝いだよ。お前あれ好きだもんな。」
「……っへへへー」
少し安心したのか若林が笑った。
ぐわっと春日は鬼瓦。
こんな光景ももう最後か。
一番近くでネクターが手に入る場所…
近所の公園の自販機だな。
最後はその公園で過ごす事にした。
公園に向かう途中、春日と若林はひっきりなしに漫才をしていた。
春日単体でのぽんこつっこみは見れていたけど
やはり若林が加わると立派な漫才になる。
あんなに笑ったのは何時ぶりだろうか。
………やっぱり飼いたいなぁ。若林。
ガチャン。
「ほれ。」
「…っ。」
自販機からネクターを買い若林に与えた。
ほんとうあの悪童っぷりはどこへやらで
目をきらきらさせてネクターを飲み始める。
余談だが春日は市販のジュースが飲めない。
犬にたまねぎをやるようなもので
お金を払って買った飲み物を与えると瀕死になってしまう。
だから今回はお預け。
「ほれ。」
「…っ。」
自販機からネクターを買い若林に与えた。
ほんとうあの悪童っぷりはどこへやらで
目をきらきらさせてネクターを飲み始める。
余談だが春日は市販のジュースが飲めない。
犬にたまねぎをやるようなもので
お金を払って買った飲み物を与えると瀕死になってしまう。
だから今回はお預け。
58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:51:33.94 ID:gBPLAyJX0
なんという貧乏体質ww
「んぐ……」
「若林むせんなよー。」
「うぃ。うぃぅぃ」
「こら春日穴掘るなー。パッション出て来るぞ。」
このままこの時間が永遠に続かないだろうかと
腰掛けたベンチにもたれながら思った。
そしたら俺、もう家族いらねぇな。
こいつらの為にだけ働きたいわ……。
ぼんやりとそんな事考えてた時だった。
「うわ、うぜwww若林と春日ww」
「家に引っ込めとけってのwww」
61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 02:53:32.22 ID:mJ5BUNya0
DQN風味の若者二人。
だめだ、こういう奴らはスルーに限る。
春日に穴堀りをやめさせ若林も近くに引き寄せた。
「あはは、そういえばさぁー…」
通り過ぎるだけかよ…
よかった、と胸をなで下ろすと
若林が小さく震えているのが見えた。
「前にぼこった若林どうしてっかなwww」
だめだ、こういう奴らはスルーに限る。
春日に穴堀りをやめさせ若林も近くに引き寄せた。
「あはは、そういえばさぁー…」
通り過ぎるだけかよ…
よかった、と胸をなで下ろすと
若林が小さく震えているのが見えた。
「前にぼこった若林どうしてっかなwww」
どきゅんしねええええ!!!!
SGGKじゃないの?
68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 03:00:03.76 ID:mJ5BUNya0
「あー…死んでんじゃねww結構殴ったしww」
「でも面白かったよなwwww殴るたびにもうやめてぇぇぇとかさwwww」
「ったくうぜーよなぁwww芸人とかwww」
もしかして……。
「若林……あいつらか。」
「………。」
「あいつら、なんだな?」
「………。」
「うぃー……うぃ。」
思い出せば少し変に思う事があった。
仲間同士の喧嘩であんなに怯えるものなのか、とか
人見知りとはいえ初対面の時の俺への威嚇とか。
許せない…。
俺が一発ぶん殴……
けれど顔をあげて
次の瞬間俺が見たのは春日のクラウチングスタートのポーズだった。
「でも面白かったよなwwww殴るたびにもうやめてぇぇぇとかさwwww」
「ったくうぜーよなぁwww芸人とかwww」
もしかして……。
「若林……あいつらか。」
「………。」
「あいつら、なんだな?」
「………。」
「うぃー……うぃ。」
思い出せば少し変に思う事があった。
仲間同士の喧嘩であんなに怯えるものなのか、とか
人見知りとはいえ初対面の時の俺への威嚇とか。
許せない…。
俺が一発ぶん殴……
けれど顔をあげて
次の瞬間俺が見たのは春日のクラウチングスタートのポーズだった。
春日のタックルは二人に見事ヒットし……ヒットしたのは良かったけど
「「んだコラァぁぁぁアァア!!!!!!!!」」
その後追いかけられるはめになってしまった。
感情で動くのはいいけど後の事を考えてくれ春日。
でも最高に格好良かったぞ。
「はぁ…はぁ…巻いた…か?」
「ぅぃ……」
息も絶え絶えになって地面に倒れ込んだ。
この年になってあの全力疾走はきつい。
春日はいるな。
「若林は…」
「「んだコラァぁぁぁアァア!!!!!!!!」」
その後追いかけられるはめになってしまった。
感情で動くのはいいけど後の事を考えてくれ春日。
でも最高に格好良かったぞ。
「はぁ…はぁ…巻いた…か?」
「ぅぃ……」
息も絶え絶えになって地面に倒れ込んだ。
この年になってあの全力疾走はきつい。
春日はいるな。
「若林は…」
「………。」
「ごめんな若林。お前、人間に殴られたんだな…。」
「………。」
「気づいてやれないでごめんな。」
ふるふると若林が頭を左右に揺らす。
「うぃ。」
春日が偉ぶった顔で若林の頭をなでる。
はは、殴られてらぁ。
「ごめんな若林。お前、人間に殴られたんだな…。」
「………。」
「気づいてやれないでごめんな。」
ふるふると若林が頭を左右に揺らす。
「うぃ。」
春日が偉ぶった顔で若林の頭をなでる。
はは、殴られてらぁ。
こいつら超飼いたい
「………。」
「ばいばいか。」
「うぃ。」
「たまには遊びに来いよ。ネクター買ってやるから。」
「………。」
「うぃうぃ。」
「またあぁいうのが来たら…あーもう心配だなぁ…。」
「うぃぅぃ。」
「飼っちまいてーよ。まったく。」
「………。」
「ばいばいか。」
「うぃ。」
「たまには遊びに来いよ。ネクター買ってやるから。」
「………。」
「うぃうぃ。」
「またあぁいうのが来たら…あーもう心配だなぁ…。」
「うぃぅぃ。」
「飼っちまいてーよ。まったく。」
「………。」
「分かってるよ。帰らなきゃ、なんだろ?」
若林は俺に歩み寄りぺし、とこめかみを叩いた。
ありがとうのかわりか、こいつめ。
畜生結構いてぇよ。
羨ましそうに見んな春日。
「じゃあな。」
「うぃ。」
最後に若林はにこ、と笑い片手を小さくあげて挨拶をすると
俺たちに背を向け外の世界に帰って行った。
若林は俺に歩み寄りぺし、とこめかみを叩いた。
ありがとうのかわりか、こいつめ。
畜生結構いてぇよ。
羨ましそうに見んな春日。
「じゃあな。」
「うぃ。」
最後に若林はにこ、と笑い片手を小さくあげて挨拶をすると
俺たちに背を向け外の世界に帰って行った。
78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 03:22:12.57 ID:mJ5BUNya0
「おおおおーん。おーん。おーん。」
「泣くなよ。恥ずかしいだろ。」
「おおおーん。」
家までの帰り道、春日が大泣きして大変だった。
正直俺も泣きたい気持ちだったけれど
こいつのせいで羞恥心のほうが勝ってしまって。
「寂しいなー。春日。」
「おおおおーん。おーん。」
「今日は俺の布団で寝るかー?」
「うぃ。」
「返事早ぇよ。」
82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2009/05/12(火) 03:30:14.48 ID:mJ5BUNya0
その日の夜は久しぶりに春日を自分の布団に入れて寝かせた。
といっても俺だけ半分布団からでているけれど。
大きくなったな、春日。
「おやすみ春日。」
「ヘェッ!!!」
「………お前くせぇ」
この時はまだ知らない。
俺の部屋から消えた合鍵とばけつの事を。
俺と春日はまだ知らなかった。
終
おいwww
続きが気になる感じで終わるのかww
とりあえずGJ!面白かった
続きが気になる感じで終わるのかww
とりあえずGJ!面白かった
ぎゃああ
この終わり方では今夜眠れないww
この終わり方では今夜眠れないww
よんでいただきありがとうございました。
SSって難しいですね…難しいです。
>>88 なんてこったい。
続きはあんま考えてないんですけど
どうしよう…。
とりあえず次また機会がありましたら
その時はよろしくおねがいします。
では。おやすみなさい。
俺「なんだ、野良の若林か。」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1242059280/
SSって難しいですね…難しいです。
>>88 なんてこったい。
続きはあんま考えてないんですけど
どうしよう…。
とりあえず次また機会がありましたら
その時はよろしくおねがいします。
では。おやすみなさい。
俺「なんだ、野良の若林か。」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1242059280/
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コメント一覧
1. Posted by 野性の名無し 2009年05月12日 05:34
2. Posted by ななし 2009年05月13日 01:57
シュールだな
3. Posted by 室内買いの名無し 2009年05月13日 01:58
続き頼む!!期待してる
4. Posted by g 2009年05月13日 02:17
この作者に尋常じゃない才能を感じている...!
5. Posted by ナナシ 2009年05月13日 05:51
゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜
6. Posted by 名無しですけれどもね 2009年05月13日 10:37
ほんとに若林きたw
管理人GJ
管理人GJ
7. Posted by 若林飼いたい 2009年05月13日 12:01
なんか和んだ。是非続きを書いてほしい。
8. Posted by 名無し 2009年05月13日 12:14
とてもよい
9. Posted by 名無し 2009年05月13日 13:38
10. Posted by 名無し 2009年05月13日 14:03
作者乙!次回作も期待してる。
11. Posted by 名無し 2009年05月13日 14:27
マジキチwwwwwwwwwww
12. Posted by \ナナーシ/ 2009年05月13日 17:06
13. Posted by Posted by 名無し 2009年05月13日 18:32
毎回ブレがないのがすごい。ハマる。次回作も期待!!
14. Posted by 名無し 2009年05月13日 19:57
作者大好きだ
15. Posted by 名無し 2009年05月13日 21:12
野生の若林ってポケモンみたいで噴いた
また書いて欲しい
また書いて欲しい
16. Posted by 名無し 2009年05月13日 21:16
全く違和感ないww作者尊敬するわw
17. Posted by 名無し 2009年05月13日 22:18
もはやただのオッサンじゃねえかwwwwwwwww
18. Posted by 名無し 2009年05月14日 03:03
作者がオードリー好きなのも伝わってくるし、しかも書き方がウマすぎ!
次回作も楽しみ!
19. Posted by 名無し 2009年05月14日 10:26
これはいいオードリー
20. Posted by 奈々氏 2009年05月19日 14:30
続きあったけどうpまだ?
21. Posted by 名無し 2009年10月27日 19:15
春日の泣き声はおーんじゃなくてでぇ〜ん希望
サイ●リヤのやつ
サイ●リヤのやつ
22. Posted by てっせ 2009年11月11日 23:20
実物大なのに二人とも可愛くみえてきたw