ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 和歌山> 記事 県北部、未明に豪雨2009年11月12日
■1人死亡、600棟浸水 ・交通機関にも乱れ 近畿南部を襲った11日未明の大雨で、県北部も雷を伴った激しい雨が降り、和歌山市は観測史上最高を更新する記録的豪雨になった。市内の男性1人が用水路に落ちて亡くなり、住宅の浸水被害や交通機関の乱れが広がった。 和歌山地方気象台によると、和歌山市は11日午前3〜4時の1時間の降水量が119.5ミリに達し、1976年の観測開始以降最高を記録した。 11日午前11時ごろには、和歌山市園部の用水路(幅5メートル、深さ1.2メートル)で男性の遺体が見つかり、和歌山東署の調べで、同市六十谷の山口晃(ひかる)さん(68)と確認された。死因は水死で、山口さんは、発見現場の東約400メートルにある自宅付近の用水路の様子を確認に行き、過って転落したとみられるという。 住宅の浸水被害も広がり、県によると、和歌山、海南など県北部の5市1町で約600棟が床上・床下浸水した。 和歌山市田中町5丁目のJR紀勢線をくぐる県道は、ガード下まで雨水で埋まってプールのようになり、午前5時20分に通行止めに。県職員がポンプで排水し、午後4時半ごろに復旧した。近くの神前(こうさき)啓造さん(73)は午前3時半ごろから雨と雷が気になり起きていたという。「こんな大雨は数十年ぶり。家まで水が来なくてよかった」と話した。 中心商店街・ぶらくり丁では、各店舗が片付けに追われた。書店を営む高市健次さん(57)は、昼まで店内の掃除をした。店のシャッターには水に約40センチつかった跡があり、「床に置いてあった25冊くらいはダメになった」という。JR和歌山駅前の地下駐車場も浸水で営業できず、再開の見通しが立っていない。 交通機関では、和歌山電鉄貴志川線が、線路の冠水などのために始発から上下線全98本が運休した。復旧は未定で、12日は始発からマイクロバスで代替輸送する。JR紀勢、和歌山各線の一部区間と南海加太線の全線も始発から運転を見合わせたが、午前中には徐行で再開した。 県教委によると、小中高校・幼稚園など計193校・園が臨時休校になった。 県が11日にまとめた農業関係の被害額は、和歌山、海南両市の白菜、キャベツなどで約1億7千万円に上った。
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