腸内免疫、獲得の仕組み解明=細菌取り込むたんぱく発見−理研など
11月12日5時7分配信 時事通信
腸の中には大腸菌など無数の細菌が生息しているが、通常は免疫が適切に働き、粘膜から侵入してくることはない。理化学研究所などの共同研究チームは、腸の粘膜上の細胞が細菌を取り込み、免疫を作る際に働くたんぱく質を特定、12日付の英科学誌ネイチャーに発表した。このたんぱく質の機能をうまく利用すると、経口ワクチンなどの開発にもつながる可能性があるという。
理研の免疫系構築研究チームの大野博司チームリーダーらは、腸の粘膜で細菌を取り込み、免疫細胞に提示する「M細胞」で、どのようなたんぱく質が作られているかを解析。「GP2」と呼ばれるたんぱく質が、M細胞内に集中して現れることを見つけた。
その上で、遺伝的にGP2を持たないマウスを使って調べたところ、大腸菌やサルモネラ菌がM細胞に取り込まれず、免疫が作られないことが分かった。
また、GP2は大腸菌などの表面にある特定のべん毛に結合することも判明。このべん毛を持たない種類の細菌は取り込めないことが分かった。
GP2による細菌の取り込みと免疫獲得の仕組みはヒトにも共通するといい、大野さんは「GP2にうまく結合する分子を見つけて、ワクチンの元となるものに混ぜてあげれば、抗原をM細胞に効率良く渡して免疫を作れる」と説明。口から摂取するワクチン開発への期待を口にした。
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また、GP2は大腸菌などの表面にある特定のべん毛に結合することも判明。このべん毛を持たない種類の細菌は取り込めないことが分かった。
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最終更新:11月12日5時10分
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