第二部 妖女暗躍編 第四話−５：「闇の誘惑、それは束縛からの解放？」
こんばんは、みずはです。
前回のお話でのネタバレ、
色々な捉え方があったようですね。
まずは一安心と言った所です。
後はこのまま突っ走るだけですね（ぁ
とりあえず小説に入る前にコメント返しを。
・2009/11/06、「第二部 妖女暗躍編 第四話−４：「狙われた川霧邸、明らかになる真実！」」
＞拍手コメント
あやや、ばれちゃってましたか（＾＾；）
第二部の第一話〜第三話はともかく、
この第四話の１〜３ではもうほぼバレバレでしたしね（＾＾；）
まあ隠してた方が盛り上がるかな〜とか思って隠してました。
UP前の文章ではネタバレ100％ですけどね（ぁ
さてそれでは小説に参りましょ〜（ ・ω・）っ
〜前回までのあらすじ〜
こんにちは！私、湖刀美！
実家の神社の神様で、
ご先祖様でもある「刀破」様から力を授かって、
妖を討滅する「光の巫女」をやってます！
そのきっかけはと言うと…。
幼馴染で親友の「村井 陽子」ちゃんが、
封じられていた妖刀「村正」に憑依されちゃったんだ。
そこで元に戻す為に力を授かったって訳。
「天草 水母」ちゃん、「黒井 瑞羽」先輩、「三毛縞 珠美」ちゃん、
「金白 綾音」ちゃん、「川霧 菜月」生徒会長の五人も仲間に加わって、
何とか村正を滅ぼす事が出来たんだ。
でもその後始末に追われて夏休みが潰れちゃった…はぅ。
新学期、
平穏な生活が戻って来ると思った矢先に再び起こった妖騒動。
裏で糸を引いてたのは魔界の上級妖魔…酒呑童子。
様々な下級妖魔を差し向けて騒動を起こしたその目的は…私。
しかも昼間は学校の転入生、
「朱礼 燈二」君に化けて私に近づいて来たんだ。
そうとも知らず私は朱礼君に魅かれて…恋に落ちちゃった…。
酒呑童子の罠に心を縛られた私はその術中にはまり、
酒呑童子の物になってしまう…。
偽者？うん、まあ間違ってはいないね。
でもずっとこっちにいた『土御門 湖刀美』もわたしなんだけどね…。
ふふっ、わたしの本当の姿は酒呑童子様の配下の妖魔なの。
みんなを堕とす為にこの姿を借りてたんだよ…。
さあ…生徒会長、貴方も妖魔として生まれ変わるんだよ…！
『ソードブレイカー 湖刀美 Part�供�
第二部 妖女暗躍編
第四話−５：「闇の誘惑、それは束縛からの解放？」
ドクン…ドクン…
鼓動のような音が響く闇の中、
菜月は目を閉じ、
膝を抱えて体を丸めた状態で闇の中に浮いていた。
（静かですわ…。
何も聞こえないし…何も感じない…。
これが…闇ですの…？）
闇の感触を菜月が感じていると声が響いてきた。
『あなたの望みは何…？』
（えっ…？）
『あなたの望みは何…？』
（わ、わたくしの…望み…？）
突然聞こえた声に戸惑っていると、
声は続けて語りだした。
『感じる…あなたの心…。
抑圧…束縛…血筋…慣習…、
あらゆる物が鎖となってあなたの心を縛っている…。』
（く、鎖…？）
『可哀想…。』
（え…？）
『色々な物に縛られて…、
本当の「あなた」が見えなくさせられてる…。
心の奥底に封じ込められてる…。』
菜月の心を見透かすかのような声に菜月は戸惑っていた。
（本当の…わたくし…？
どういう事ですの…？
どうしてわたくしの事をそこまで…？）
『辛くないの…？
息苦しくないの…？』
（辛い…？）
『辛くないはずないよね…。
ずっと本音を言えない環境で育ってきたんだもん…。
本音が言えない事程辛い事って無いよ…。』
戸惑う菜月に対し、
闇の声は優しい口調で同情するかのような言葉をかけ始めた。
（わたくしの…本音…。）
『この闇の中ではあなたを縛る物は何も無いよ…。
ねぇ…教えて…あなたの本音…。
抑圧されたあなたの心が上げていた心の悲鳴を…。』
心の奥底に入り込むかのような優しい言葉にほだされ、
菜月は声に対して心の扉を開いてしまった。
（わ、わたくしは…わたくしは…、
……つ、辛い…ですわ…。
川霧の家に生まれ…川霧を継ぐ者として育てられ…、
様々なしきたり…礼儀…慣習を教え込まれ…、
それが当たり前と思うようになっていきましたわ…。）
『でも…本当は辛かったんだよね…？』
心の扉を開いてしまった菜月は闇の声に素直に答えた。
（は、はい…辛かったですわ…。
何事においても…「家」が一番…、
自分の意志は二の次…。
みんな…「川霧の後継者」としてわたくしを見ているばかりで…、
誰も…「わたくし」を見てくれてはいなかったですわ…。）
『そうだよね…誰だって「自分」を見て欲しい…。
そう思うのは当たり前だよ…。』
（ですが…そんな当たり前の主張すら…、
川霧の家では禁じられてきましたわ…！）
『そうだったんだ…。
本当に辛い思いをしてきたんだね…。
でも…もう大丈夫だよ…。』
（えっ…？）
『今あなたを包んでいるこの闇…。
この闇に…身も…心も…全てを委ねれば…、
あなたを縛る物は何も無くなる…。
自由になれる…。
もう辛い思いをする事も無くなるんだよ…。』
（闇に…全てを委ねる…。）
もはや声の言うがままになっている菜月にとって、
この闇の誘惑は非常に魅力的な物だった。
『そう…闇に全てを委ねればいいんだよ…。
そうすれば…今まで心の奥底に封じられていた、
あなたの本当の望みが叶えられるんだよ…。』
（わたくしの本当の望みが…叶う…。）
『さあ…心を開いて…闇を受け入れて…。』
（はい…分かりましたわ…。）
闇の声に素直に従い、
菜月は体を伸ばし、
全てを受け入れるかのように両腕を開いた。
その瞬間、
菜月は全身に闇が浸透してくるのを感じた。
ザワザワザワ…
（あ…ああ…何ですの…？
何かが…わたくしの中に入ってきますわ…。
気持ち…いい…。
体中に力がみなぎってくるようですわ…。
わ、わたくし…わたくしは…!!
あ、ああ…ああああああああ…!!）
−続く−
前回のお話でのネタバレ、
色々な捉え方があったようですね。
まずは一安心と言った所です。
後はこのまま突っ走るだけですね（ぁ
とりあえず小説に入る前にコメント返しを。
・2009/11/06、「第二部 妖女暗躍編 第四話−４：「狙われた川霧邸、明らかになる真実！」」
＞拍手コメント
あやや、ばれちゃってましたか（＾＾；）
第二部の第一話〜第三話はともかく、
この第四話の１〜３ではもうほぼバレバレでしたしね（＾＾；）
まあ隠してた方が盛り上がるかな〜とか思って隠してました。
UP前の文章ではネタバレ100％ですけどね（ぁ
さてそれでは小説に参りましょ〜（ ・ω・）っ
〜前回までのあらすじ〜
こんにちは！私、湖刀美！
実家の神社の神様で、
ご先祖様でもある「刀破」様から力を授かって、
妖を討滅する「光の巫女」をやってます！
そのきっかけはと言うと…。
幼馴染で親友の「村井 陽子」ちゃんが、
封じられていた妖刀「村正」に憑依されちゃったんだ。
そこで元に戻す為に力を授かったって訳。
「天草 水母」ちゃん、「黒井 瑞羽」先輩、「三毛縞 珠美」ちゃん、
「金白 綾音」ちゃん、「川霧 菜月」生徒会長の五人も仲間に加わって、
何とか村正を滅ぼす事が出来たんだ。
でもその後始末に追われて夏休みが潰れちゃった…はぅ。
新学期、
平穏な生活が戻って来ると思った矢先に再び起こった妖騒動。
裏で糸を引いてたのは魔界の上級妖魔…酒呑童子。
様々な下級妖魔を差し向けて騒動を起こしたその目的は…私。
しかも昼間は学校の転入生、
「朱礼 燈二」君に化けて私に近づいて来たんだ。
そうとも知らず私は朱礼君に魅かれて…恋に落ちちゃった…。
酒呑童子の罠に心を縛られた私はその術中にはまり、
酒呑童子の物になってしまう…。
偽者？うん、まあ間違ってはいないね。
でもずっとこっちにいた『土御門 湖刀美』もわたしなんだけどね…。
ふふっ、わたしの本当の姿は酒呑童子様の配下の妖魔なの。
みんなを堕とす為にこの姿を借りてたんだよ…。
さあ…生徒会長、貴方も妖魔として生まれ変わるんだよ…！
『ソードブレイカー 湖刀美 Part�供�
第二部 妖女暗躍編
第四話−５：「闇の誘惑、それは束縛からの解放？」
ドクン…ドクン…
鼓動のような音が響く闇の中、
菜月は目を閉じ、
膝を抱えて体を丸めた状態で闇の中に浮いていた。
（静かですわ…。
何も聞こえないし…何も感じない…。
これが…闇ですの…？）
闇の感触を菜月が感じていると声が響いてきた。
『あなたの望みは何…？』
（えっ…？）
『あなたの望みは何…？』
（わ、わたくしの…望み…？）
突然聞こえた声に戸惑っていると、
声は続けて語りだした。
『感じる…あなたの心…。
抑圧…束縛…血筋…慣習…、
あらゆる物が鎖となってあなたの心を縛っている…。』
（く、鎖…？）
『可哀想…。』
（え…？）
『色々な物に縛られて…、
本当の「あなた」が見えなくさせられてる…。
心の奥底に封じ込められてる…。』
菜月の心を見透かすかのような声に菜月は戸惑っていた。
（本当の…わたくし…？
どういう事ですの…？
どうしてわたくしの事をそこまで…？）
『辛くないの…？
息苦しくないの…？』
（辛い…？）
『辛くないはずないよね…。
ずっと本音を言えない環境で育ってきたんだもん…。
本音が言えない事程辛い事って無いよ…。』
戸惑う菜月に対し、
闇の声は優しい口調で同情するかのような言葉をかけ始めた。
（わたくしの…本音…。）
『この闇の中ではあなたを縛る物は何も無いよ…。
ねぇ…教えて…あなたの本音…。
抑圧されたあなたの心が上げていた心の悲鳴を…。』
心の奥底に入り込むかのような優しい言葉にほだされ、
菜月は声に対して心の扉を開いてしまった。
（わ、わたくしは…わたくしは…、
……つ、辛い…ですわ…。
川霧の家に生まれ…川霧を継ぐ者として育てられ…、
様々なしきたり…礼儀…慣習を教え込まれ…、
それが当たり前と思うようになっていきましたわ…。）
『でも…本当は辛かったんだよね…？』
心の扉を開いてしまった菜月は闇の声に素直に答えた。
（は、はい…辛かったですわ…。
何事においても…「家」が一番…、
自分の意志は二の次…。
みんな…「川霧の後継者」としてわたくしを見ているばかりで…、
誰も…「わたくし」を見てくれてはいなかったですわ…。）
『そうだよね…誰だって「自分」を見て欲しい…。
そう思うのは当たり前だよ…。』
（ですが…そんな当たり前の主張すら…、
川霧の家では禁じられてきましたわ…！）
『そうだったんだ…。
本当に辛い思いをしてきたんだね…。
でも…もう大丈夫だよ…。』
（えっ…？）
『今あなたを包んでいるこの闇…。
この闇に…身も…心も…全てを委ねれば…、
あなたを縛る物は何も無くなる…。
自由になれる…。
もう辛い思いをする事も無くなるんだよ…。』
（闇に…全てを委ねる…。）
もはや声の言うがままになっている菜月にとって、
この闇の誘惑は非常に魅力的な物だった。
『そう…闇に全てを委ねればいいんだよ…。
そうすれば…今まで心の奥底に封じられていた、
あなたの本当の望みが叶えられるんだよ…。』
（わたくしの本当の望みが…叶う…。）
『さあ…心を開いて…闇を受け入れて…。』
（はい…分かりましたわ…。）
闇の声に素直に従い、
菜月は体を伸ばし、
全てを受け入れるかのように両腕を開いた。
その瞬間、
菜月は全身に闇が浸透してくるのを感じた。
ザワザワザワ…
（あ…ああ…何ですの…？
何かが…わたくしの中に入ってきますわ…。
気持ち…いい…。
体中に力がみなぎってくるようですわ…。
わ、わたくし…わたくしは…!!
あ、ああ…ああああああああ…!!）
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