東北大病院(仙台市青葉区)で脳梗塞(こうそく)の診療を受けた山元町の無職女性(42)が、左半身まひや知覚障害などになったのは適切な治療が遅れたためだとして、同病院を運営する東北大に1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、仙台地裁であり、足立謙三裁判長は原告の請求を棄却した。
判決によると、女性は04年7月、アルバイト先で倒れ同病院に搬送された。頭部のCT(コンピューター断層撮影)検査で脳梗塞と診断され、翌日に別の病院で手術を受けたが、重い障害が残った。
原告側は「病院到着から約1時間10分もの間、CT検査を行わなかった医師に過失がある」と主張したが、足立裁判長は「医師は可能な限り速やかに担当部署にCT検査を依頼した」と退けた。
原告代理人の坂野智憲弁護士は「本人の意向を確認したうえで控訴したい」と話した。【鈴木一也】
毎日新聞 2009年11月11日 地方版