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2009年11月11日()

国際電話

11月10日(火)

 午後1時13分、ケイタイに変な番号から着信があった。とりあえず出た。「山本さん、ジミーです」。

 なんだお前かあ。アメリカからわざわざオレに電話してくるとは・・・。どんな用件だ。言ってみろ。

 何? この2ヶ月間で世界10数カ国を旅行した? いくら航空会社につとめていて、その特権を利用できるといってもすごすぎる。

 優雅な人生だなあ。こっちはみんなひいひいいって苦労しているのに。「山本さん、オレのことターザンカフェのブログに書いて下さいよ。オレ、忘れられた存在になるのがいやなんです・・・」。

 バカ野郎、忘れられるも何もない。お前はお前の人生を勝手に生きろ。それで十分だ。どんな不満があるというのだ。

 どうせオレたちはあと10年もすれば全員、忘れられるんだよ。20年たったらそれこそ何もない。

「そんなこといわないで下さいよ。さびしいじゃないですか・・・」。何がさびしいだ。甘えるな。書いてほしいならネタを寄こせ!

「あのう、剛さん(剛竜馬)が亡くなったのはショックでした。オレ、あの人とは昔、アメリカから日本に帰る時、いっしょの飛行機だったんだけど、機内でポーカーをやっていたらあっという間に成田空港に着いていた。バクチの大好きな人でした・・・」


■●男の最後はみんな野垂れ死にさ。そこだけは平等だ


 ああ、剛竜馬は日本のプロレスラーの中では、バクチ好きではナンバー1さ。それはオレも知っている。

 なにしろ大井競馬場でバッタリ会ったことがある。「あの人、負けてくると熱くなるんですよね。それでいつだったかラスベガスで無一文になり、自分のところにSOSの電話がかかってきた」。

 それでお前、どうしたんだ? 「すぐに500ドルを送金しました。それでやっと剛さんは日本に帰ることができたんです」。

 なんだ。お前、恩人じゃないか。「いやあ、自分はアメリカでも日本でも 剛さんにはよくしてもらいました。2年前だったか剛さんにスポンサーがついた時、渋谷で食事をおごってもらいキャバクラにも連れていってくれた・・・」。

 ああ、「レッスル・エイド」という団体をやっていた時ね。「剛さんは男です。男でした」。

 男というよりもあれは野垂れ死にだよ。「それって山本さんがずっと人生観として言ってきたことじゃないですか?」。

 そうだよ。だから男なんだよ。男の最後はみんな野垂れ死にさ。そこだけは平等だ。ガ、ハ、ハ、ハ、ハ。


■●1500号って11月18日発売なのか? すっごく楽しみだ


「オレ、剛さんが亡くなってさびしいです。悲しいです」。まだそんなことを言っているのか? 生きとし生けるものはやがて死ぬものよ。

 ただ早いか遅いかだけの違い。うろたえるな。へこむな。毎日を楽しめ。人生を線で考えるな。

 線で考えたらその先には死しかない。点で考えろ。点とは1日のことだ。1日こそが一生なのだ。

「命あっての物種」ではなく本当は「1日あっての物種」なんだよ。人々はそのことを全然わかっていない。

 大馬鹿者だよ。剛さんなんて非合法カジノにまで出入りしていたんだろ。だったら本望さ。

 わかった。日本に帰ってきたら電話しろ。お茶でも飲んで昔のプロレスのことでも話すか。それでどうだ。

「週刊プロレス」の1500号記念とケイタイサイトの原稿の校正を無事終えた。担当編集者の××さん、よくボクの生原稿、あのきたない字をパソコンに打ってくれた。

 ありがとう。お礼を言うよ。1500号って11月18日発売なのか? 早くみたいなあ。すっごく楽しみだ。

 でも、プロレス業界って大丈夫なの? 友達からきいたんだけど東スポがやっていたケイタイサイトによる情報が、近くなくなるんだって?

 ウーン、きびしいなあ。あ、それより一つだけ訂正がある。10月18日、新日本プロレスは館林大会で剛竜馬を追悼するテンカウントをやっていました。

 失礼しました。ゴメンナサイ。スミマセン。それを知らせてくれた人はさすがだよ。

 今日の“四字熟語”は国際電話にする。ジミー(ジミー鈴木)、オレたちプロレスファンでホントによかったね。

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