ＤＤハウス＆中国人留学生強殺、加賀山被告２審も死刑

　大阪市北区の複合ビル「Ｄ・Ｄ　ＨＯＵＳＥ」で会社員、森永彰さん＝当時（３０）＝を殺害するなど２件の強盗殺人罪に問われた元アルバイト、加賀山領治被告（５９）の控訴審判決公判が１１日、大阪高裁で開かれた。湯川哲嗣裁判長は「危険かつ残忍な犯行で若い２人の無念は察するに余りある。規範意識の欠如が根深く改善は乏しい」として、死刑を言い渡した１審大阪地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。弁護側は上告する方針。

　弁護側は加賀山被告に殺意がなく、無我夢中でナイフを振り回すなど心神耗弱状態にあったと無期懲役を主張したが、湯川裁判長は傷の深さなどから「相当の力を込めて刃物を向けた」と退けた。

　判決によると、加賀山被告は平成１２年７月、大阪市中央区の路上で中国人女子留学生、韓頴（ハン・イン）さん＝当時（２４）＝のバッグを強奪し、ナイフで刺殺。助けに入った会社役員の足を刺した。また２０年１月、Ｄ・Ｄ　ＨＯＵＳＥのトイレで森永さんにナイフを突きつけ「金を出せ」と脅し、胸などを刺して殺害した。

　閉廷後、森永さんの父親（５９）は「控訴審も傍聴を続けたが、被告に反省の態度がまったく感じられず、自分の延命を図っているだけ。死刑は当然と思う」と話した。