2009年11月11日0時9分
最近の自動車業界のキーワードは、ダウンサイジングだ。先日閉幕した東京モーターショーは、世界不況を反映し、ほとんどの欧米メーカーが出展を見合わせた。その結果、展示面積は減り、観客や報道関係者は、前回から半減した。
とはいえ、出展企業は、環境と新たな自動車の魅力をテーマに、多様な自動車と部品を展示。世界に日本の自動車産業が提案するモデルコンセプトや最新技術を発信した。
燃料電池車や電気自動車、ハイブリッド車などの次世代技術とともに目を引いたのが、ガソリンやディーゼルエンジンの低燃費技術だ。一見地味だが、既存技術を磨き上げ、内燃エンジンや変速機、軽量ボディーなど様々な新技術が提案された。その一つが、エンジン気筒数の削減提案。軽自動車の主力エンジンを3気筒から2気筒に置き換える提案や、小型車用の主力エンジンを4気筒から3気筒に置き換える提案も現れた。
従来の開発競争は、高性能を実現する多気筒化が主流だった。それが一転して気筒数を減らす動きが始まったのは、二酸化炭素の排出抑制を目指した低燃費化のためだ。
ただし、それは性能低下を意味するものではない。気筒数を減らす分、気筒の内径を大きく取れるので、気筒ごとに燃焼を制御する部品が装着しやすくなる。これが小型で低燃費ながら、高性能が可能になった理由だ。同様の提案は多岐にわたり、今後は小型で燃費が良いうえ、加速や走行性能にも優れた製品が続々と発表される見通しだ。
小さくても高性能なエンジン。規模が縮小しても中身の濃いモーターショー。価値の拡大を含んだダウンサイジングならば、歓迎である。(窯)
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「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。