2009年11月10日 18時34分更新
備前焼の一種で、柔らかな乳白色をした「白備前」で焼き上げた来年の干支「寅」の置き物の窯出しが備前市で行われました。
「白備前」の置き物は、備前市伊部の備前焼作家・木村玉舟さんが製作しました。
10日は工房の登り窯で作品の窯出しが行われ、火入れからおよそ3週間ぶりに寅の置物、およそ30点が運び出されました。
「白備前」は、江戸時代から伝わる備前焼の技法の1つで、通常よりも鉄分の少ない土を使って高温で焼き上げ、柔らかな白い色が特徴です。
現在は「白備前」に取り組む作家が珍しくなった中、木村さんは20年にわたり土の配合や窯の温度に工夫を重ね、「白備前」を追求しています。
さらに今年は、「黒備前」と名づけた黒を強調した新たな備前焼にも取り組んだということで、白と黒の寅が勢ぞろいしました。
木村さんは、トラの生き生きとした表情を引き出そうと県内外の動物園に何度も出かけては、スケッチを重ねて作品を作り上げたということです。
木村さんは「精かんなトラにあやかり元気に新年を迎えたいです」と話していました。
「白備前」の寅の置物は来月上旬から岡山市内で開かれる個展で展示されることになっています。