財務省が9日発表した08年度外貨準備運用状況によると、運用収入は3兆6038億円と前年度より6664億円減少した。資産残高に対する運用益を示す運用利回りは、年3・69%と07年度より0・63ポイント低下。米国の政策金利が、金融危機に対応するため年初の年4・25%から年末には0~0・25%に引き下げられ、外貨準備の主な運用先の米国債の利回りが低下したことが響いた。
過去の為替介入の結果、100兆円規模に膨れ上がった外貨準備は、ここ数年、毎年2兆~4兆円の運用益を計上。一部が国の一般会計に「税外収入」として繰り入れられ、厳しい財政を下支えしてきた。09年度予算では過去最大の2兆4000億円を繰り入れる。
だが、米国の低金利は当面続きそうで、今年度以降も運用収入は減少傾向が続きそうだ。【斉藤望】
毎日新聞 2009年11月10日 東京朝刊