八百長黒幕訴訟に勝訴した北の湖前理事長
日本相撲協会と北の湖前理事長(56)=元横綱北の湖、本名・小畑敏満=が週刊現代に名誉を傷つけられたとして、発行元の講談社などに損害賠償計1億1千万円などを求めた訴訟で、東京地裁は9日、講談社側に、北の湖前理事長に330万円、協会に55万円を支払うよう命じた。謝罪広告の掲載要求は棄却された。
週刊現代は07年6月9日号で、前理事長が06年名古屋場所の朝青龍-白鵬戦の八百長を指示したと報じたが、真実と認められなかった。白鵬の師匠・宮城野親方(元十両金親)が八百長の指示を受けたと発言した証拠テープについては、指示をした人物がだれか言及されておらず、前理事長による仲介の裏付けと認められなかった。
前理事長は「妥当な判決で喜んでいます」とコメントし、講談社の週刊現代編集部は「提出した録音テープによっても、本誌の主張が正当であることは明らかであり、裁判所の判断には納得できない。控訴は検討中です」とした。
武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は、宮城野親方について、誤解を招く発言をしたとして「(裁判が)決着すれば処分するかどうかを理事会で話し合う」と述べた。
(2009年11月9日)