三重県は、元教員の父親の死亡を約5年間にわたり届け出ず、恩給約1300万円を不正受給したとして、津市の無職男性(65)を詐欺容疑で県警に告訴した。
県教育委員会によると告訴は6日付。男性は元公立学校教員の父親が02年12月に96歳で死亡したのに県教委に届けず、その後も03年1月から08年3月まで父親の恩給1332万円を不正受給した。県教委は毎年、恩給受給者に調査票を送り、生存確認しているが、男性は父親の名前で署名をするなどして生存を装っていたという。
県教委が昨年6月に元教職員の恩給受給者約190人を対象に、市町に出された死亡届と照らし合わせたところ、父親の死亡が分かった。男性は同年8月、不正受給を認めて全額返金を約束したが、164万円しか返還していないという。県は、年内にも男性を相手に不正受給した恩給など計約1400万円の支払いを求める訴訟を津地裁に起こす方針という。