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トップに聞く 成城石井社長 大久保恒夫
成城石井に商人魂を植え付けおもしろい会社にしたい
[2008-09-02 16:08:03]
トップに聞く 
成城石井に商人魂を植え付けおもしろい会社にしたい
成城石井 代表取締役社長大久保恒夫

イトーヨーカ堂で経営戦略に携わり、ファーストリテイリング、良品計画など小売業のコンサルタントとして名を馳せた大久保恒夫社長。特売やちらしを使わずに売り上げを増やし、新卒採用も大人気だ。イトーヨーカ堂で培った商人魂のDNAは、どのように成城石井に受け継がれているのか。成城石井の現状と今後を大久保社長に聞いた。(聞き手は本誌編集長 徳永卓三)

小さい頃からの夢は社長

問 大久保さんは1979年イトーヨーカ堂に入社、業務改革の主要メンバーとして鈴木敏文さん(現セブン&アイ・ホールディングス会長)を補佐し、33歳で退職されたそうですね。

大久保 イトーヨーカ堂では高い評価もいただいていましたし、今でも大好きな企業の一つですが、私は小さいころから会社を作り社長になるのが夢でした。地盤がない自分にできることはコンサルタント。イトーヨーカ堂で経営戦略の仕事をしていましたが、コンサルタントの経験があるわけではないので、外資系のコンサルタント会社に転職し勉強しました。その会社のスタッフは全員MBA(経営学修士)を持っていて、専門的な勉強をこれまでしてきているのですが、現場で実際に働いたことはないのです。経営戦略においては私に一日の長があると思いました。

 そして、通産省(当時)系列の財団法人流通経済研究所から声をかけていただき、1年経たずに移りました。いずれはこの研究所を卒業して欲しいということで私にぴったりでした。今では流通経済研究所出身の大学教授は100名以上になります。マーケティングでは日本一の研究所だったのですが、メーカー出身の方が多く、小売出身の私は珍しかったようで、メーカーに挨拶に行きましたら、たくさんの仕事をいただいてしまいました。
 
 研究所の仕事をしながらでは続けられないほど仕事が増えてしまいましたので、1年半後の90年にコンサルティング会社の「リテイルサイエンス」を作ったのです。

問 最初から仕事があるなんて幸せな起業でしたね。

大久保 最初はメーカーの営業改革コンサルティングや、パソコンのソフトを販売していました。コンサルタントは個人によるところが大きく、日本のトップメーカーの仕事をたくさんしても、コンサルティング業務では会社を大きく出来ません。そこでソフトウェア開発で販売を大きくしていこうと思っていました。私は小売の戦略コンサルティングをしたかったのですが、ニーズがなかったようで、メーカーのコンサルティングが多かった。当時は戦略コンサルティングを考えているような小売が少なかったですから。

 ところが時代が変わり、鈴木敏文さんが言ったように需要と供給の関係が変化し、商品を陳列しているだけでは売れず、お客様が自分の欲しいものしか買わなくなってしまった。小売が厳しくなり、経営改革を迫られる時代になりました。ファーストリテイリングや良品計画、ダイエー、ジャスコ、ホームセンターなどたくさんの企業と仕事をしました。

こだわりの商品と接客応対の教育を強化

問 ファーストリテイリングに関わっていた時は、前副社長の澤田貴司さん(現リヴァンプ代表取締役)がいた頃ですか。

大久保 澤田さんとは彼が伊藤忠商事にいた頃からの友人なのです。私がファーストリテイリングに関わった頃、ファーストリテイリングは新規事業を多数手がけ、既存事業が伸び悩んでいた時期でした。柳井正会長兼社長はコンサルタントが大嫌いでしたが、びっくりするくらいすぐに私の意見を受け入れてくれまして、提案書を提出することになりました。提案書にまとめたことは、これまで柳井さんがやってきた路線とは違っていたのですが、「大久保さんの言うとおりだ。すぐやろう」と、決断がとても早かったですね。「来週から来てください。日曜の夜に入りますか、月曜の朝に入りますか」と実行に移すスピードも速かったです。

問 柳井さんは即断即決の人ですからね。無印良品ブランドを展開する良品計画やドラッグストアのドラッグイレブンにも関わられていますね。

大久保 良品計画まではコンサルタントとして関わりましたが、ドラッグイレブンは社長になりました。澤田さんがファンド会社のキアコンを設立し、キアコンを通じて知り合ったユニゾンキャピタルからも仕事を請けるようになって、経営危機に陥っていたドラッグイレブンの話をいただいたのです。九州で一番大きい急成長中のドラッグストアで、いい会社なのですが、急成長しすぎてしまっていたんですね。私はドラッグイレブンに可能性と将来性を見て、意見書を提出しました。「確かにその通りだ」と受け入れてくれたのですが、社長になる人がいないからこの提案は見送ると言われました。それならと、私は良品計画の仕事で忙しかったのですが、良品計画の松井忠三社長(当時)に相談し、良品計画の仕事も週1回続けながら、ドラッグイレブンの社長に就任することにしたんです。

問 ドラッグイレブンの変化はいかがでしたか。

大久保 劇的に良くなったんです。ドラッグストアはディスカウントで集客をして成り立っていましたが、私は美容と健康の専門店として考えていました。安売りはあまりせずに、こだわりの商品展開、店員の接客応対の教育を強化しました。こだわった品質で粗利の高い商品開発をし、その売り上げ構成比がみるみる上がって、2年で営業利益率が6ポイントも上昇したんです。その後社長を退任したのですが、次の社長がディスカウントを始めて、また赤字になることもあったようです。

商人魂を植えつけたい

問 「現場の人に商人魂を植えつけたい」とよくおっしゃっているそうですね。商人魂とはどういうものとお考えですか。

大久保 商人魂とは、お客様に満足していただける売り場を作るためにはどうすればいいかだけを考え実行しようという想いです。私自身、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊さん(創業者)から、商人魂を植えつけられました。売り上げを上げようと思わなくていい。お客様に満足していただければ自然と上がります。売り上げが上がれば利益も増えます。無理に売り上げを上げようとすると、安売りやちらし配布など、安易な考えに走ります。まずやるべきことは挨拶。スタッフ間やお客様と目を見て挨拶できているか。クリーンネス(清掃)できているか。品切れしていないか。品切れは絶対にダメです。品切れを起こす商品は売れる商品ですし、お客様が買い物に来て品切れしていたら、がっかりさせてしまうことになります。今、成城石井は日本一品切れが少ない小売だと思いますよ。

問 2007年1月に成城石井の社長に就任されましたが、どのような経緯があったのでしょうか。

大久保 九州から東京に帰ってきまして、小売の社長をやりたいと思い探していたのです。ファンドからいくつか話があり、その中に成城石井がありました。成城石井は前から大好きな会社でしたので、成城石井の社長に就任することになったのです。
 
問 社長に就任して、成城石井の課題は何だと思いましたか。

大久保 企業力が落ちていて、厳しい状態でした。以前は優良企業でしたが、他の小売が成城石井に追いついてしまっていた。一方、成城石井にはもう商品開発力がなく停滞して、他の小売との差別化ができなくなっていました。

 最初にやったことは、どこでも最初にやることですが、挨拶をすること、クリーンネス、品切れさせないということです。明るく挨拶をしても今日の売り上げは上がりませんが、1年など長い目で見れば確実に上がるのです。長い間さまざまな小売を経験してきましたが、安売りや特売で、売り上げを上げた成功事例はありません。ちらしや特売では、一瞬売り上げが上がりますが、だんだん落ちてしまいます。なぜかというと、お客様がその価格に慣れてしまい、さらに値下げせざるを得ないからです。安いからといって、大量に消費してくれるわけではありません。後で買おうと思っていたが安いから今買おう、違う商品を買おうと思っていたけど安いからこれを買おう、と先の売り上げを落としているだけなのです。せっかく粗利の高い定番商品が売れていたのに、特売の商品へと切り替えられてしまう。見た目は売り上げが上がっているように見えますが、単価は落ちてしまう。集客力はありますが、そういうお客様は値段が目的のお客様です。他で安売りされていれば、安いほうへ動きます。他店も頑張っていますから、すぐ価格競争になってしまう。長い目で見ると必ず売り上げが落ちるのです。

 私がこれまで売り上げ増に成功したのは、定番商品を固定客に買ってもらったためです。固定客は必ずいます。成城石井が好きで、成城石井に行きたい、特売でなくても成城石井のあの商品が買いたいと思う固定客を増やす。そのために一番いいことは挨拶すること、クリーンネス、品切れをさせないことなんですね。

問 成城石井のファンを増やすわけですね。

大久保 そうです。挨拶をして何が起こるかといいますと、クレーム件数が半減するんです。挨拶をきちんとしていると、何かあっても「まぁいいか」と思っていただけるようで。挨拶ができていないと「ちょっと文句のひとつでも言ってやれ」となるようです。お客様はきちんと見ていらっしゃいます。今日の売り上げが上がらなくても我慢するしかない。ちらしや特売をやりたくなる気持ちもわかるのですが、まったく逆効果なのです。

問 どのくらいで効果が出てきますか。

大久保 早くて3カ月、遅くても半年ですね。成城石井はちらしも特売もやっていませんが、今とても調子がいい。商品単価が上がり、客数が減らない。私が社長に就任後、年間売上高は500億円になり、経常利益も順調に増えています。

成城石井は面白い

問 これから店舗数の拡大に取り組まれるのですか。

大久保 これからも既存店、固定客、定番商品の強化と、当たり前のことをやっていきます。既存店が良くなってきたので出店数を増やすことも考えています。デベロッパーはお客様から「成城石井を入れて欲しい」と相当言われているようで、私達に「成城石井を入れてくれ」と言ってくれます。2009年の出店計画はもう埋まってしまいました。ですが生命線は、店舗数ではなく商品開発力です。人員を増やし順調に強化できています。弱くなっていた接客力を強化するために教育をしています。出店スピードを上げて既存店が荒れては仕方ありません。人材の育つスピードにあわせて出店を進めていきます。

問 金融業が大量に採用しているので、今は新卒採用が難しいそうですね。

大久保 成城石井は面白いと、学生に伝わっているようで、以前より採用がとても順調で、質も格段に良くなりました。今後も光る人材確保に力を入れて、さらなる発展をしていきたいと思います。

◆成功の3原則
 1、明るく挨拶
 2、クリーンネス
 3、品切れさせないこと

■ Profile■
大久保恒夫(おおくぼ・つねお)1956 年愛知県出身。79 年早稲田大学法学部卒業後、イトーヨーカ堂に入社。89年に退社し、90年にコンサルティング会社・リテイルサイエンスを設立。ファーストリテイリングや良品計画のコンサルティングを手がける。2007年1月、成城石井の社長に就任。著書に「また一歩、お客さまのニーズに近づく 会社がみるみる強くなる」(かんき出版)などがある。
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