2009-10-12 田舎で自家用車が必須な、たったひとつとも言えないぼんやりした理由

それはもう、生活や仕事に多様な選択肢を確保するためには、10km単位を解決できる自律した交通手段が必要だから。
100円ショップってありますよね。これ、妹のいる船橋に泊まると、駅をはさんですぐあるんですよ。そうだな、歩いて10分くらい。
パン屋さんなんて、駅まで歩けばいくらでも選べますよね。シュークリームまで買えちゃう。いいにおいなんですよね、駅構内にたちこめるシュークリーム分。つい、吸いよせられちゃう。これは、歩いて5分もかかるかな?かかんないかな?
酒屋さんはもっと近いです。歩いて2分?
コンビニなんて、マンション出たらすぐです。それも、1ブロックに3軒もひしめいてます。一番近いとこで、歩いて5歩くらいでしょうか。
映画は舞浜か津田沼に行きます。ららぽーとは混みますからね。でも便利ですね。電車は、精一杯待っても20分。舞浜は駅から10分ほど歩きますが、コンコースになってて歩きやすいです。
観察してみると、都市部って駅を中心にして、自然にショッピングモールになってるんですね。大分で言うと、わさだタウンとかパークプレイスみたいなところの真ん中に駅ができてる。これは実に便利。
だから、僕も妹のとこに泊まってるときは車に乗りません。妹はそれでも乗るんですけど、正直、助手席こわいです。人も多いから。やばい。妹の運転と宇宙やばい。
そんでもって別府に帰って、一番近い100円ショップまで、歩いて40分です。前は歩けば1時間なんてもんじゃなかったので、近くなったって喜んでます。行きは下り坂なのでいいのですが、帰りは上り坂です。自転車は、帰路にはただの荷物です。
一番近い本屋も、歩いて30分です。コンビニは、15分。銀行は、20分。スーパーマーケットも、20分。これ、どれかひとつならいいんですけど、スーパーマーケットや本屋で金が足らなくてATM!って思ったら、これまたそこから数十分ですもん。
ちなみに映画は、大分市のわさだかパークプレイスにあるので、船橋にいるときと同じく、電車です。いやもとい。別大に電車は走ってませんから、タウンシャトルですね。別府駅まで徒歩1時間。バスだともっと早いんですが、来るのが50分に1本。別府駅から大分駅まではガタンゴトンと15分。大分駅からわさだまでバスで20分くらいで行けるのかな。パークプレイスはもっとずっと遠い。
これ、別府駅周辺も船橋駅みたいになればいいんですけどね。なるといいなあ。そしたら、仕事以外は車いりませんよ。いや、仕事に必要なら、仕事の途中で買い物しちゃうだけなんで、やっぱしそれじゃ意味ないってことになるのか。
でも、どっちにしても、別府駅は船橋駅みたいにはなりませんよね。
だってそりゃあ、人が少ないから。
逆に、僕みたいなのんびりした人間は、人が少ないのがよくって、ここに住んでるから。
そして人が少ないところに商業施設や公共インフラを整備するなんて力学は、なにがあっても働きっこないから。
だから、僕みたいなのんびりした人間が、田舎に住みながら、仕事にせよ生活にせよ選択肢を増やそうと思えば、自家用車は必須になるって理屈なんですよね。社会が僕を選択して施設を作るなんてことは絶対にありえないわけですから、僕が社会に存在する施設を選択するしかないってわけで。そしたら、自動車を手放すなんて政策には、なにがあったってうんとは言えない。
僕らが自動車を捨てれば、商売人は僕らの近くに商店を構えるよっていう素朴なご意見も散見するんですが、そんなことはないですよね。
僕らが選択する能力を失ったとき、社会は僕らを見捨てるんです。僕が徒歩にしたからって、僕の家の近くにジャスコはできません。逆です。ジャスコの近くに住宅街ができるんです。で、引っ越してこいと。まあ、それが大分パークプレイスなんですけどね。
100円ショップや本屋や映画館だけの問題じゃない、仕事もそうなんですね。住宅が密集していない地域で商売、特に営業をしようと思えば、自転車だったら山越えありのツールドフランスに出るくらいの気持ちでやんないといかんのですね。まあ、そこは仕事なんだから、そりゃもうすでに自家用車じゃねーよって屁理屈もあるんでしょうが。んじゃあ世の中にどんだけ営業ナンバーが走ってんだよなんて、屁理屈返しも用意してることはしてるんですけどもね。
まあ、それでも「甘えたこと言ってんな!都会に出て来い!のんびりしたけりゃ選択肢とか言うな!贅沢だ!」っておっしゃる人には、もうほんとなんか生きててごめんなさいとしか言えません。そう言う方にはほんと、田舎もんでごめんなさい。オレンジでも食べていただいて、全力で見逃していただければありがたいです。