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卑弥呼の宮殿?奈良で3世紀の大型建物跡出土

 邪馬台国畿内説で最有力地とされる奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で、女王・卑弥呼が活躍した時代とされる3世紀前半〜中頃の大型建物跡が初めて出土し、市教委が10日、発表した。

 南北19・2メートルと当時、国内最大の規模で、市教委は「飛鳥時代以前の大王や天皇の宮などの原形とみられ、日本の国家形成過程を探るうえで貴重な発見」としている。時代や場所などから、「ここが邪馬台国の中心で、大型建物は卑弥呼の宮殿だった可能性がある」とする研究者もおり、市教委はさらに範囲を拡大して調査を進める。

 昨年度までに出土した建物群跡の東側を調査。南北19・2メートル、東西6・2メートル以上の掘立(ほったて)柱建物跡が見つかった。調査区の西側は後世に溝が掘られて削られているが、建物のバランスや柱穴の形状などから東西は2倍の12・4メートルだったとみている。柱の直径は約32センチで、南北の柱の間には、床を支えたとみられる細い柱穴も見つかり、高床式の建物だったらしい。一緒に出土した土器などから時期を判断した。

 これまでの調査から、今回の大型建物跡を含め、少なくとも4棟が、柵をはさんで中軸線をそろえて左右対称で建てられて東西一列に並び、綿密な計画性がうかがえる。現場は小高い台地を大規模に造成しており、南北約100メートル、東西約150メートルの区画があったとみられる。市教委は「整然とした規格に基づいて構築された国内最古の建物群で、弥生時代の建物とは一線を画する」としている。

 現地説明会は14、15両日午前10時〜午後3時。雨天中止。駐車場はない。JR巻向駅下車すぐ。

2009年11月10日17時32分  読売新聞)
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