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覚せい剤取締法違反の罪に問われた元女優・酒井法子(本名・高相法子)被告(38)の判決公判が9日、東京地裁で行われ、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)が言い渡された。村山浩昭裁判官は「あなたの口で言ってみてください」と酒井被告に主文の復唱を指示。また執行猶予の理由に「覚せい剤を勧めた夫(高相祐一被告)との離婚を考えている」ことを挙げ、事実上離婚を促すなど異例の公判になった。酒井被告は10日に「介護」を学ぶための大学に願書を提出する予定だが、再起の道のりは険しそうだ。
黒いパンツスーツに黒いブラウス、黒いパンプス。酒井被告は保釈、初公判時と同じような黒ずくめで判決公判に臨んだ。左手薬指、左足首のタトゥーは見えない。薬物事件の初犯の定番とされる「懲役1年6月、執行猶予3年」の判決を受け、右手に白いハンカチを握り締めたまま神妙に頭を下げた。
村山裁判官は判決言い渡し後、酒井被告に対し「あなたの口で(判決を)言ってみてください」と超異例の要求。意味が理解できなかったのか、酒井被告は「覚せい剤を使用してしまい…」と、しどろもどろで“NG”。「いや、言われた刑を…」と再度要求され、「懲役1年6か月、3年の執行猶予です」と“テーク2”でようやくOKをもらった。
9月17日の保釈後の謝罪会見、10月26日の初公判と、完璧(かんぺき)なまでに反省の態度を示してきた。謝罪会見は、拘置先の東京湾岸署で謝罪文を繰り返し練習。約3分半の“セリフ”で、かんだのは「指摘」を「したき」と言った1か所だけ。初公判でも、「離婚」を口にする絶妙のタイミングで涙を流すなど、担当の榊枝真一弁護士らとの入念な打ち合わせをうかがわせた。しかし、この日は村山裁判官の突然のムチャ振り?に動揺。初めて女優らしからぬ素顔をさらけだした。
村山裁判官は、そんな元人気女優に対し「長年、芸能人としてドラマや映画でいろいろな役をしてきたと思いますが、残念ながらこの事件と裁判は現実です」と語りかけた。それこそドラマや映画のような説諭に、じっと聞き入る酒井被告。「その重みに負けず、薬物と手を切り、更生されることを望んでいます」とエールを送られると、静かにうなずいた。
執行猶予判決とした理由の一つに「覚せい剤を勧めた夫との離婚を考えている」ことを指摘。覚せい剤の入手先とのつながりを断つため、約11年の結婚生活にピリオドを打つことを、司法が“奨励”した形だ。
3か月にわたって世間を騒がせ続けた刑事責任は、決して軽くない。覚せい剤使用について村山裁判官は「常習性や、ある程度の依存性が認められる」とし、覚せい剤を抜くための逃走についても「卑劣」と切り捨てた。
酒井被告は今後、介護の仕事に意欲をみせているが、この日も最後まで「芸能界引退」を口にしなかった。契約していたCMの違約金は億単位にのぼり、介護の仕事だけでは返済はとうてい不可能だ。地に落ちたイメージを背負ったのりピーの、再出発の道のりは険しい。
◆話題を呼んだ裁判官の主な説諭
▼バカなことするな 09年5月、音楽プロデューサーの小室哲哉被告(5億円の詐欺罪で懲役3年、執行猶予5年)に、大阪地裁の杉田宗久裁判長は「二度とこういうバカなことをしないように。初心に立ち返り、愚直に生きてください」。
▼引退試合できず残念 07年10月、「K―1」の元ファイター・宮本正明被告(大麻取締法違反と道交法違反の罪で懲役2年、執行猶予3年、罰金8万円)に、大阪地裁の宮崎英一裁判官は「引退試合ができなくなって残念だろうが、経験を生かして社会貢献をしてほしい」。
▼さだまさしを聴け 02年2月、東京・三軒茶屋駅で会社員を暴行して死なせ、傷害致死罪に問われた少年2人(懲役3年以上5年以下の不定期刑)に、東京地裁の山室惠裁判長は「さだまさしの『償い』という歌を聴いたことがあるか。せめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう」。
(2009年11月10日06時00分 スポーツ報知)
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