鳥取不審死…急死前日、詐欺容疑の女が元同僚を追い返す

　鳥取県で男性３人が相次いで不審死した事件で、３人のうち無職田口和美さん（５８）が急死する前日、田口さんを介護しようとする元同僚を同じアパートに住む元スナック従業員の女（３５）＝詐欺容疑で逮捕＝が制止し「私は看護師をしていたから放っておいて」と追い返していたことが１０日、元同僚や近所の人への取材で分かった。

　女は別の詐欺事件で逮捕された男（４６）とアパートで同居し、睡眠導入剤など大量の薬剤を所持。病気を抱える田口さんに何らかの薬剤を渡していたとみられており、鳥取県警は死亡との関連を捜査している。

　元同僚や近所の人によると、田口さんは５年ほど前から鳥取市のアパートに住み、その後女が別棟に引っ越してきた。田口さんはことし７月に脳梗塞で倒れて後遺症があり、女が食事や身の回りの世話をしていた。

　１０月２６日夕、元同僚が田口さんの部屋を訪ねると、田口さんは意識がもうろうとした状態で、元同僚は「救急車が必要」と感じた。しかし間もなく女がやって来て「あなた誰。わたしは看護師をやっていた。田口さんのことは放っておいて」と激しく詰め寄られたため帰ったという。

　同日午後７時ごろ、近所の男性が「田口さんが動けないからベッドに上げるのを手伝って」と女に呼ばれた。部屋には男と女がおり、田口さんはろれつが回らない状態だった。田口さんは翌日朝救急搬送され、死亡した。

[ 2009年11月10日 10:50 ]