元スナックホステス、ガス料金滞納　５年で３０万円…鳥取連続不審死

　知人男性６人が相次いで不審死している鳥取市の元スナックホステス（３５）＝詐欺容疑で逮捕＝が、約５年間にわたって「ガス料金」を３０万円以上滞納していたことが９日、分かった。女は現在の姓を名乗る以前にも、別の２つの姓をガス業者に伝えており、約１０年間で３つの名前を使っていたことも明らかになった。

　女が知人相手に抱えているという百数十万円の借金の一部が９日、明らかになった。女は３年ほど前まで、鳥取市に隣接する八頭町の町営アパートに在住。そこでガスボンベを届けていた業者に対し、５年間も料金滞納を続けていた。

　この業者によると、配達６年目の２００１年ごろから女の支払いが滞り始め、０６年までの使用分はほとんど未納。その総額は３０万円以上に及ぶという。「家に行ってもほとんど会えない。請求書をポストに入れても支払いはなかった」。部屋は物やゴミがうずたかく積まれ、内部の様子をうかがうのも困難だったという。

　女はガスの配達を受けていた約１０年間で、３つの名義を使っていた。最初は女の本名と思われる名前。２つ目は姓が変わり、３つ目は元夫とされる男性の名前だった。

　このガス業者には高校２年生の娘がおり、女の長男と小、中学校時代に同級生だったという。業者は授業参観などで何度か顔を合わせたことがあり、女は夫とともに小さな子どもを連れてきていた。太り気味の体形だったため目立ち、「お母さんたちの間で、何人目の子どもがおなかにいるんだろうね、なんていう話になっていた」という。

　また１０月７日に遺体で発見された自営業・円山秀樹さん（当時５７歳）が、前日の６日に車で自宅を出発、１時間後には車が遺体発見現場脇路上に放置されていたことがこの日、目撃者の証言で分かった。「集金に行く」と言って出発しており、鳥取県警は外出後間もなく集金をめぐりトラブルに巻き込まれた可能性が高いとみている。親族によると残された書類などから、女と詐欺容疑で逮捕された同居の男（４６）に計約１４０万円の未収金があったという。

　一方、４月に日本海沖で水死したトラック運転手・矢部和実さん（当時４７歳）の遺体が、衣服をまったく着けていなかったことも、遺体発見者への取材で分かった。住民らによると、海ではワカメやカキが取れるが、４月は水温が低く、海に入る人は少ない。発見者の一人は「波で脱げることもあるだろうが、海は穏やかだった。なぜ服がないのか不思議に思った」と話している。

　円山さんと矢部さん、１０月２７日に急死した田口和美さん（当時５８歳）の３人の遺体から検出された睡眠導入剤の成分が高濃度だったことも捜査関係者への取材で判明した。

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