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【サッカー】磐田がゴン中山に戦力外通告 本人は現役続行の意志2009年11月10日 紙面から
ゴンに戦力外通告−。磐田は9日、J1最年長選手のFW中山雅史(42)に対し、静岡県磐田市のクラブハウスで来季の契約を結ぶ意思がないことを通告した。磐田はチームの功労者としてアドバイザーなどチームスタッフとしての職を用意したが、中山本人は現役続行の意思が固く、チームの要請を断る方向だ。 チームから厳しい現実を突きつけられても、中山の決意は変わらなかった。「(現役を)退く気持ちは今はない。それよりもサッカー選手としての情熱が上回る」と、現役続行を表明。16年間在籍した磐田を離れる可能性が出てきた。 東海学園大との練習試合終了後、クラブハウスで行われた磐田幹部との約1時間の話し合いを終えた中山の表情は吹っ切れていた。Jリーグに昇格した1994年から、磐田の看板選手として君臨。3度の年間優勝に貢献した「ミスター磐田」が、他クラブへの移籍を口にした。「失敗しても勉強になると思う。新しい挑戦。自分でこの1年で『やめる』と線引きしていたら分からなかった。でも、それはなかった」 消耗の激しいプロスポーツで、42歳という年齢は肉体的には明らかに限界に近い。それでも現役にこだわるのは「少しでもうまくなりたい」という少年のような純粋な気持ちと、けがを克服してきた自信だ。94年初めに恥骨炎を発症、ほぼ半年間を棒に振った。ふとんをめくることもできない痛みと闘いながらも克服。以後も99年の右眼窩(がんか)底骨折などの大けがを乗り越えてきた。 そんな中山も今季は、リーグ戦の出場はゼロ。カップ戦もナビスコ杯の浦和戦と天皇杯の高知大戦での交代出場の2試合のみ。他クラブからのオファーも今のところ届いていない。将来のJリーグ入りを目指す静岡県社会人リーグ1部の藤枝MYFCが獲得に乗り出す可能性もあるが、結論は出ていない。そこで、中山は代理人を立てての移籍交渉や、12月に行われるトライアウトへの参加も検討している。 中山の現役続行への意思を聞いた磐田の吉野博行社長は「磐田でやってもらいたい仕事はいっぱいある。ぜひ(引退して、磐田で)引退試合をやらせてもらいたい」と、引退を説得する構えを見せた。(川住貴)
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