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きょうのコラム「時鐘」 2009年11月8日
東西の壁崩壊からこの9日で20年、先日「統一の父たち」と呼ばれる当時の米独ソ3首脳がベルリンにそろった
ブッシュ元米国大統領(85)。コール西ドイツ元首相(79)。ゴルバチョフ元ソ連大統領(78)の3氏である。20年前、一気に押し寄せた冷戦の壁崩壊は大きな驚きだったが、この3巨頭が20年の歳月を経て、無事に顔をそろえられることにも驚く かつての革命は多くの血を流した。冷戦崩壊後は、新たな民族対立とテロの時代を招いてはいるが、紆余曲折を経て歴史に名を刻んだ3首脳が穏やかな老後の姿を見せた。これも人類の進歩であり、国際政治前進の一つではなかろうか 政治家とは、大なり小なり歴史に名を残したいものだという。それを野望とみるかロマンとするかは結果を見るしかない。昨今の鳩山政権の各閣僚の言動には功名心が先走っているように見え、危うさを感ずる ゴルバチョフ氏は「英雄はドイツ国民であり政府の代表者ではない」と語った。新政権の面々に聞かせたい。権力の行使に酔っていないか。国民の顔が見えているか。立ち止まって考えてほしい。 |